宇治田原いいとこ探検スタンプラリー

2012年7月16日(祝)


宇治田原町のスタンプラリーに参加した。町のほぼ全域をカバーした、町役場主催の結構大がかりなイベントのようだ。

宇治田原は初めての訪問になるが、交通の便が悪い。鉄道は無い。バスは、隣接する宇治や京田辺からの西側からのアプローチだけで、宇治田原の中心部を終点とするものだけだ。従って、町外れのスタンプポイントへは、最寄りのバス停から1時間も2時間も歩かなければならない。

9ヶ所のスタンプポイントのうち、6ヶ所のスタンプを押せばいいのだが、町の面積の割に道も少なく、一筆書きのように徒歩で回るのは、なかなか困難となっている。実に手強い。




考えた挙句、北に隣接している大津市の石山から、極力宇治田原に近いところまでバスで出掛け、そこから徒歩で市境の山を越え、宇治田原に入ることにした。町内の東半分に位置するスタンプポイントは捨てて、北から町に入って、南に下り、西に抜けていくルートだ。

JR石山駅から京阪バスで、瀬田川に沿ってやってきた「大石小学校前」というバス停が、本日のスタートポイントだ。宇治田原まで11kmとの表示があるが、スタンプポイントを巡ってくので、20km近くのウォーキングを覚悟しなければならない。





な~んも無い道を黙々と歩く。車がかなりスピードを出しているので、少し怖い。まさか、こんなところをトボトボと歩いている奴がいるとは思わないのだろう。
暑くなりそうだ。水分だけは十分に携帯して進む。




大石から1時間弱歩いて、小田原という集落に到着する。まだ滋賀県内だが、小田原という地名からして、宇治田原が近づいているような気になる。

マネキン業者の伝手でもあるのだろうか。マネキンの首だけを使った少々不気味な案山子の類がいくつも見られた。



道路工事用の仮設柵が、ウサギで出来ている。とても和む。


別な場所では、タヌキが使われていた。これもいい。



ついに京都府、宇治田原町に入った。酷暑のなか1時間半近くの上り道を歩き通して、やっとスタンプラリー開始だ。
まさか、わざわざ大阪市内から、このような道から徒歩でスタンプ制覇にやってくるとは、想像もしていなかっただろう。参ったか、宇治田原!



県境から、ほど近いところに、最初のスタンプポイント、猿丸神社がある。百人一首の「奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」で有名な猿丸太夫が祀られている神社だ。もっとも猿丸太夫の存在は謎めいていて、実在しなかったという説さえあるようだが。

狛犬ではなく、神使として猿の石像が神殿の左右に据えられている。



社会人野球で有名な「ニチダイ」。田園や山林に囲まれて、工場や事務所と思われるモダンな建物が何棟も並んでいる。奥には野球グラウンドも見える。



とにかく暑い。それに盆地のせいか、風が感じられない。山や木は多いのだけど、休息に適した木陰が見当たらない。

こうした気候は茶栽培に適しているのだろうが、宇治田原は、日本茶発祥の地だそうだ。町中に茶畑や茶舗が多くみられる。



下水のマンホールもお茶の町をアピールしている。



第2ポイントの建藤神社の後、町の中心部を素通りして南東へ。第3ポイントの大道寺に向かう。
NHK大河ドラマ「平清盛」では、ちょうど平治の乱の最中だが、この大道寺が、乱で落命した信西入道の没地だという。寺といっても小さなお堂があるだけの、無人寺だ。



大道寺の前にある信西入道塚。NHK大河を機に、信西で観光振興、とは考えてはないようで、ひっそりとしている。

もうムチャクチャ暑い。35度はあるんじゃないだろうか。シャツは汗でずっしり重い。日焼けも相当していると思う。大道寺の前にあったベンチで、着替えを済ませ、30分ほども大休憩。



中心部から2km以上歩いて、大道寺に行き、また同じ道を戻る。不本意なルートだが、遠回りするだけの体力も気力も残っていない。

火災信号の説明板。とても複雑で覚えきれそうにないが、まだ使われているのだろうか。



疲労困憊状態で、やっと町中に戻った。人口1万に満たない町としては立派な総合文化センターで4つめのスタンプをゲット。残り2つは町中なので、宇治田原制覇は目前だ。(と思っていた)



町の中心部、といっても、とても長閑なところだ。川のせせらぎと、飛び石状の橋がいい感じだ。



第5チェックポイントの町役場。な、な、なんと、休館しているではないか。スタンプ程度のことで、インタホンを押す勇気も無く、次のスタンプポイントに向かう。



第6スタンプポイントの郷之口会館。なんと、ここも施錠されていて中に入れない。ガラス扉の向こうには、スタンプ台も見えるのに・・・。



宇治田原スタンプ制覇は、敢え無く断念。意表を突いたと思われた石山からの奇襲ではあったが、休日における宇治田原町の鉄壁の防衛体制に阻まれ、失敗に終わった。30分ほども待って、京阪宇治駅までのバスに乗って灼熱の地、宇治田原から退却した。

結局集めたスタンプは4つだけ。サイズや色が違うのが少し残念だが、良くデザインされた上等のスタンプだっただけに達成したかった。



暑いうえに、スタンプ制覇も成らず、ドッと疲れた。しかも京阪宇治駅までのバスは渋滞でノロノロだし、電車は祇園祭に向かう人々で混雑しているし、日焼けで肌は痛いし・・・。
リベンジしたい気持ちもあるが、このような酷暑のなかでは、とてもムリだ・・・。

 

まとめ


歩行距離    約19km
所用時間    326分 (5時間26分)
歩数       25800歩 (しっかり16600歩)