大阪府東西横断 (奈良県三郷~大和川河口)

2013年2月24日(日)



以前から構想を温めてきた、「大和川に沿って歩いて、大阪府を東西に横断する」、という計画をいよいよ実行する日がやってきた。スタートは、奈良県の西端にあたる三郷駅だ。



大和川の北岸にある三郷駅をスタートしたのが朝10時。さすがに、この辺りは、歩けるような河原は無い。「川から少し離れた北の田舎道を行くか」、「川沿いの南の国道を行くか」、の2択だ。



で、結局、南岸の国道25号線を行くが、この道がムチャクチャ怖い。歩道はもちろん、路肩もほとんど無い。しかも、溝や草の障害物だらけで、空き缶などもゴロゴロ転がっていて、歩きにくいことこの上ない。すぐ脇を走る車に怯えながら歩く。(たぶん車も走りにくかっただろうなぁ・・・)



車に怯えて歩いていたせいか、まったく上り道を感じないまま、大阪府との境までやってきた。しかし路肩が無い道は、まだまだ続く。



山の斜面に、沢山のブドウ畑が拡がっている。柏原市の名産品だ。



河内堅上の駅から1kmほど西、ジェイテクトの国分工場のところで、国道25号線を離れて、大和川は北に大きく蛇行する。なるべく川に沿って進むため、ここで大和川唯一の吊り橋を渡る。以前ハイキング中に偶然この吊り橋を発見して、感激したことを思い出す。



とにかく、驚くほど揺れるのだ。しかも橋の中央では、腰のあたりまでしか金網柵がないので、相当怖い。お薦めの大興奮スポットだ。



吊り橋を渡ったところにある運動公園で、道を間違って、 野球場を一周する羽目になるなど、時間ロスはあったが、蛇行する大和川に沿って歩く。

町外れに、アイススケート場を発見。えぇっ~、凄い人気だ。何十人もが並んでいる。スケートなんか40年ほど前にやったきりだが、当時、アイススケート場は閑古鳥が鳴いていたように記憶している。やはり真央ちゃん効果だろうか。



空は晴れて、大和川はゆったりと流れているように見えるが、かなり寒くて、しかも風がきつい。それも向かい風だ。体から、かなりのエネルギーを奪っていく。



草に覆われて、ガチャピンの相棒、ムックのようになった道路標識。



JR関西線の鉄橋が2本。最初は単線だったのが、複線化されて、もう一本鉄橋が増設されたことが分かる。



今日はいくつの鉄橋を潜ることになるのだろうか。全部写真に撮っていくことにしよう、と思っていたのに、近鉄の南大阪線は撮り損ねた。これは近鉄道明寺線の鉄橋。



柏原駅あたりから、いよいよ大和川の河原歩きだ。写真では、とても気持ち良さそうなウォーキングに見えるが、現実は強風と寒気のため、体は冷え切っている。



調子にのって歩いていると、川の合流などがあれば、河原はプッツリ途絶えてしまうのだ。地図を見ながら、注意深く歩いて行く。



こんな風に歩いている人が、どれほどいるのか知らないが、河口からの距離を示す標識が、所々に設置されている。まだ1/3ほどしか進んでいないが、とても励みになる。



なんとなく、南岸の方が暖かそうに見えたので、新大井橋を渡って、藤井寺市へ。でも、当然のことだが、南岸も北岸も吹く風の冷たさに変わりは無い。



風は相変わらず強い。体感では、風速10mは超えているはずだ。バイクで時速36kmで走るよりも、体に受ける風圧は強く感じられるのだから。
大和川を渡るガスパイプライン。さすがに厳重にガードされている。



川っぺりは、あまりに寒いし、食堂も自販機も無いので、一旦、大和川から南に下り、藤井寺の市街地へ。

偶然、津堂城山古墳の横を通りかかる。中世には城があったようだが、もとは4世紀後半に造営された前方後円墳。墳丘は200m以上の長さがあり、ビジターセンターも設置されている。



松原市に入って、近畿自動車道を潜る。全行程の半分くらい来たが、予定していた時間を既に1時間以上オーバーしている。体も冷えて、疲れも溜まり、大和川の河口まで辿りつけるか、だんだん怪しくなってきた。ここから先は、電車の駅も近く、ギブアップの誘惑が強まる。



ゲゲッ、恐れていた事態が発生した。河原がちょん切れている。さすがに戻るしかない・・・。往復20分以上のロスだ。時間も痛いが、体力のロスが辛い。



河原の行き止まりから、1km近く戻ったところにある明治橋を渡り、再び北岸へ。具合のいいことに、河原の土手の外側に道がある。土手で風が遮られるので、かなり歩きやすい。



長吉あたりで、公営住宅ゾーンに迷いこんでしまう。この地区だけで、何十本、ひょっとすると百本以上の公営集合住宅が並んでいる。



大阪市の平野ゴミ焼却工場。宇宙ステーションを想起させるような先進的な雰囲気のある建物だが、太陽の光が反射して、さらに未来感が増している。



河原は、決して平らではなくって、川に向かって傾斜している場合が多い。足首にかなり負担がかかりそうだ。歩くことが、だんだん億劫になってきた。



矢田のあたりで、近鉄南大阪線に再会。写真を撮るために電車が来るまで待つのが、いい休憩になる。



堺市の北花田のあたりにある下水処理場。阪神高速道路の大和川線が、大和川南岸の地下に建設される。



JR阪和線の鉄橋。関空特急「はるか」がやってきた。駅はすぐそこにあるし、堺の町中まで来たんだから、もはや大阪府横断は成し遂げたも同然、との思いにも駆られるが、意地になって、歩き続ける。



南海高野線。鉄橋のたびに、電車を待って大休憩。もう、かなりヘトヘトだ。寒いこともあって、自販機のコーンスープとお汁粉ばかり飲んでいる。



阪堺線。チンチン電車だが、立派な複線の鉄橋を有している。



南海本線。阪神高速の堺線が上を通っている。いよいよゴールは近い。



歩きながら、疑問に感じだしたのだが、河口ってどこなんだろう。堺側の河口は、Jグリーン堺の先端だということは判りやすいが、大阪市側の河口がどこかは不明だ。まさか南港まで行くってことはないよねぇ・・・。



土手を歩いていると、いつの間にか堤防が高くなって、堤防の外に出るには、猿梯子のようなところを登らないといけなくなっていた。堤防の外がどうなっているのか判らないまま、梯子をよじ上って、河原から脱出。



日が暮れてきた。対岸のJグリーン堺では、照明が点灯している。このあたりでは、200mおきに、河口まであと何キロ、の表示がある。200mが、とても長く感じられる。



携帯のカメラでは上手く撮れないが、なかなか凄い夕陽だ。淡路島の島影に、まさに陽が沈もうとしている。



17時47分、ついに、大和川河口に到着。日没ギリギリになってしまったが、美しい日没の景色を堪能することができた。



でも、ここが行き止まりではない。南港に向けて、道は続いているのだけれど、ここが大和川河口だって標識に大書しているのだから、間違いなく、ここがゴールだ。

達成感より疲労感の方が強い。これ以上歩く気にもならないが、ここから、ニュートラムの南港口駅まで、最後の気力と体力を振り絞って歩く。それにしても寒い・・・。暖かいものが欲しい。



まとめ

歩行距離   約30km   
所用時間   467分 (7時間47分) 
歩数      47400歩 (しっかり 42500歩)