とれっくるかつらぎ(葛城市) (2)

2013年3月31日(日)



昨日に引き続き、葛城市の「とれっくるかつらぎ」へ。今日は葛城市の南部のクイズポイントを歩いて回る。全18ポイントのうち、未だ10ポイントを残しているが、昨日と違って、山歩きは無いので、かなり楽なウォーキングになるはずだ。



午前中が雨模様だったので、出発を遅らせ、13時過ぎに近鉄新庄駅を出発。まだモヤっていて葛城山頂は見えない。ポカポカ陽気の昨日より、気温もかなり低いように思う。



新庄駅近くの柿本神社。万葉歌人柿本人麻呂が改葬された場所に建てられた神社とのことだ。明石にも島根にも柿本神社があるが、未だ謎の多い人物のようだ。



山形県新庄市と岡山県新庄村から寄贈された防災倉庫を発見。同じ新庄ということで、友好都市関係を築いている。その昔、新庄サミットなんてのも開催されたことがあったように記憶しているのだけれど、ネット検索しても出てこない。新庄町が當麻町と合併して葛城市になったが、この友好関係は今も続いているのだろうか。



飯豊天皇陵。摂政として一時国政を司っていたことから、我が国初の女帝との見方がある。天皇ではないとの考えもある。推古天皇の100年以上前、まだ5世紀のことだ。



代々庄屋を務めた村井家の邸宅。元禄年間の建築というから築300年以上である。残念ながら母屋は改修中だったが、藁ぶきの表門だけで、歴史的価値が十分窺い知れる。



「かつらぎの森」にやってきた。広く静かな自然公園のなかに、体育館や研修施設、宿泊施設が整備されている。公園内のベンチは「傘堂」を模したものとなっている。



 「大和平原健脚コース」に従って、葛城山系の東麓を南下していくと、近畿自然歩道の駐車場を発見。自然歩道を楽しむ人たちのために設けられた駐車場のようだ。しかしパーク&ハイクより、歩くき疲れた後、寝て帰ることができる公共交通機関を使う方が自分的には好みだ。



クイズポイントにもなっている置恩寺に到着。今日は山道は無いはずだったけど、そこそこの登り道だった。それもそのはず、ほとんど山の際まで来ている。



寺口の家並み。瓦ぶきに白壁の和風建築が続く。



葛城山麓公園。桜と菜の花が見事にデュエットしている。



こちらでは、桜と菜の花に加えて、白木蓮と梅まで参加してのカルテットだ。葛城山麓公園には様々な花が競い合うように咲き乱れている。



葛城山麓公園の水車小屋。


御所市との市境近くにある「葛木坐火雷神社」。「かつらぎにいますほのかいかづちじんじゃ」と読むそうだ。なんちゅう長い名前だ。もっとも通称である「笛吹神社」の方が一般的だそうだ。火と音楽の神様が祀られているらしい。「聖なるライン」といって、東経135度42分上に、多くの寺社や古墳が並んでいると言われるが、この神社も聖なるライン上にある。



神殿の前には、なんと大砲。靖国神社みたいだが、なんとこれが、日露戦争時にロシアから奪った戦利品(正確には鹵獲品として、奪ったものを自軍で使ったようだ)。日露戦争後、1000門ものロシア製の大砲が、このように各地に配られたそうだが、今も残っているのは珍しいと思う。よくまあ、太平洋戦争中の金属供出を免れたものだ。



南部散策コースのクイズポイントになっている地光寺旧跡。探すのに苦労したぞ。石碑以外、何も無いし、ナビでも見つからない・・・。こんなところで出せるクイズも限られると思うのだが、観光客を引っ張ってきたいのなら、せめて説明板くらい設置してほしいものだ。



クイズポイントになっている、畜産ならショップ。周囲には畜産農家が多いところだが、野菜からお菓子まで、販売しているものは幅広い。



畜産ならショップのなかに、鹿サイダーと大仏サイダーを発見。大仏サイダーには蜂蜜、鹿サイダーには柿、が入っているようだ。



忍海駅までやってきた。「南部歴史コース」のクイズポイントになっている葛城市歴史博物館と、「南部散策コース」のポイントになっている「角刺神社」が並んでいる。



これにて、「とれっくるかつらぎ」の全18クイズポイントを制覇。わざわざ「とれっくるかつらぎ」のマップを取ってきてくれた、職場の仲間に感謝だ。

駅前の小学校では明日の入学式の飾り付けができていた。明日から、新しい職場に異動することになる。通勤時間は往復で2時間ほど長くなる。難しい課題の多い職場だと聞いている。これまでと同じように、週末にウォーキングを楽しむ余裕があるだろうか・・・。


まとめ


歩行距離   約11km
所用時間   210分 (3時間30分)
歩数      18000歩 (しっかり 13000歩)


とれっくるかつらぎ(葛城市) (1)

2013年3月30日(土)



一昨年秋の開催以来、長らくホームページ上で「次回企画を乞うご期待」となっていた、葛城市の「とれっくるかつらぎ」が、ついに始まった。前回はスタンプラリーだったのに、今回クイズラリーになってしまったのは残念だが、田園地帯や山間部ではスタンプの置き場が難しいのだろう。



今回の「とれっくるかつらぎ」は、徒歩推奨・自転車推奨が各3コースずつ。それぞれに3つクイズポイントがあるので、計18のクイズが葛城市内に設定されていることになる。同じ道が複数コースで使用されているので、何日も掛けるのは億劫だ。2日に分けて、全クイズポイントを制覇することにしよう。今日は葛城市北部(旧當麻町)を、くるっと歩き回ろう。



当麻寺駅を出発して、「二上山登山コース」を行く。駅から数分で、最初のクイズポイント「葛城市相撲館」に到着。館内には本格的な土俵もあり、桟敷席まで設けられている。この地は相撲発祥の地ということだが、相撲神社がある桜井市も、やはり相撲発祥の地と称している。


第2のクイズポイント「當麻寺」。桜が満開だ。一晩で「当麻曼荼羅」を織りあげたなどの伝説が残る中将姫ゆかりの寺だ。中将姫といえば、葛城市のマスコット「蓮花ちゃん」のモデルになった天平時代の姫。継母に苛められる哀しいお話が伝わる。そういえば、JR和歌山線の橋本市隅田駅のあたりも中将姫伝説があるようで、駅には可愛いイラストが描かれていた。



ここでのクイズは、本堂の石段は何段か?というものなんだけど、本堂の階段って、正面だけでなくて、横手や裏手にもあって、それぞれ段数が違うんですけど・・・。なんて、あら捜しをしても仕方ないので、ここは素直に本堂正面の石段の段数を答えておくことにしよう。



「農林漁業体験実習館」の看板があるが、全然、農林漁業なんてしていない施設を発見。立派な屋内ゲートボール場になっていて、年配の方が集まっておられる。話を聞くと、「以前は、アーモンドなんかを作ってたんだけどねぇ・・・」とのこと。「でも、ゲートボールには絶好の施設ですね」と言うと、「ゲートボールじゃなくてグラウンドゴルフ!」とのこと。いまいち違いが判らない・・・。



主柱が一本という「傘堂」。その先にある、當麻山口神社が第3クイズポイント。40分余りで、「二上山登山コース」のクイズは終了。肝心の二上山の山頂にはクイズポイントが無いのだ。スタンプラリーならまだしも、クイズラリーなんだから、山頂にもクイズが欲しいものだ。



クイズラリー的には必要はないんだけど、二上山登山は「とれっくるかつらぎ」最大の醍醐味のはず。体は嫌がっているけれど、頑張って行こう。それにしても、山ガールが多い。他愛も無いお喋りは止まず、記念写真ばかり撮っているが、装備も足腰も本格的だ。



山ガールに負けまいと、せっせと登っていたが、それも山の中腹まで。二上山からの源流水を飲んで、顔を洗って、座り込んで、10分以上の大休憩。



なぜか写真でみると、いい感じの緩やかな登りに見えるんだけど、実際は、かなりキツイ坂道だ。一回の休憩では足りず、道端にベンチがあるのをいいことに、その後も休んでばかり。



ひぃひぃ言いながらも、標高474mの二上山(雌岳)に到着。良い天気なので、多数のハイカーが弁当を広げている。



雌岳から一旦「馬の背」に下りて、続いて、前方に見える雄岳を目指す。



道端の案内板に、かつて火山であった二上山は「サヌカイト(讃岐石)」の産地として有名で、このあたりの石器は、ほとんど二上山のサヌカイトが材料になっていた、と書かれていた。そういや、そんなことを、先日橿原市の博物館で勉強した。

で、サヌカイトって、どの石だ?と、雄岳に登りながら探していたのだけれど、よく判らない。たぶん、これじゃぁないか、と、何となく石器っぽくなりそうな石を写真に撮ったけれど、帰宅して調べると全然違った・・・。もっと黒くて固いものだった。



二上山の雄岳に到着。標高517m。ここまで来るのに結構疲れたのに、案内板が倒れてしまっているのが寂しい。



天武天皇の皇子でありながら、謀略により謀反の疑いを受けて死を賜ったと伝わる大津皇子の墓。雄岳から、少し下りたところにある。



下山は楽チン、と気を抜いていたのが大間違い。大津皇子の墓から、しばらく下りると、道が二股になっている。左側が、二上神社口駅に向かうメインルートとは判っていたが、これは以前来た道。このあと、二上神社口駅と当麻寺駅の中間にある「道の駅」から、次の「北部歴史コース」をやっつけるつもりだったので、その方面への近道と思って、右の道を選択。

ところが、これがとんでも無い急坂。道端の木に掴まりながら、すべり落ちるように、下山する。これって、4年前の滑落事故と同じシチュエーションだ、と思い出し、ゾッとするが、坂がキツ過ぎて、元には戻れそうにない。20分ほどと思うが、恐怖の連続の下り道だった。やっとのことで、視界が広がった平坦な道に出た。ホントに地図にない山道を歩くのは、これで終わりにしよう。



で、どこをどう歩いたのか、下りてきたのは、登りの際にも通過した鳥谷口古墳。これこそが大津皇子の墓、という説もあるらしい。



近道どころか、大きく距離と時間、体力と精神力をロスしたのだが、何故か平地に戻ると、ケロリと元気になってしまう。あらためて北部歴史コースのクイズポイントになっている「道の駅ふたかみパーク當麻」に向かう。北部歴史コースは、自転車推奨コースなんだけど、当然歩く。

観光案内標識の柱には、大津皇子への思いを詠んだ、姉、大来皇女の和歌が記されている。



北部歴史コースの第1クイズポイント、道の駅ふたかみパーク當麻に到着。ようやく昼食にありついた。店の中の人の数に比べて、かなり車が多いように思う。おそらく、ここに車を停めて、二上山に登山している人が多いのではないだろうか。



第2クイズポイントは、石光寺。満開の桜が素晴らしい。



ふた瘤ラクダのような形の二上山。左が雌岳、右が雄岳だ。



石光寺から南へ。あらためて當麻寺の近くを通りすぎて、竹内街道までやってきた。白壁と瓦屋根が、街道の風情を残している。もっとも、この道は7世紀に整備された、初めての官制道路とのことだが、1400年も前の風景を想像することは難しい。



松尾芭蕉が、この地を訪ねて、いくつもの名句を詠んだことを記念して建立されたという「綿弓塚」。第3クイズポイントだ。



二上山登山コースと、北部歴史コースのクイズポイントを制覇したが、葛城市北部の残りのクイズポイントも今日中に制覇すべく、さらに南に向かう。当然のことではあるが、古墳の多い地域だ。田んぼのなかにポツンと芝塚古墳という円墳が残っている。



平林古墳は、長さ55mもある前方後円墳。古墳の上部や周りには、桜の木が何十本も植えられている。こんなに美しい桜に囲まれて、被葬者もきっと喜んでおられるだろう。



見事な満開。モコモコ感がいい。


南阪奈道路を渡る。交通量は、やはり少ない・・・。



一昨年のスタンプラリーでも、ポイントになっていた棚機神社。とにかく判りにくい。ガードレールの隙間から下りて行った先に、ごく小さな鳥居と祠がある。



なんで、ここがポイントになるの?と以前訪ねた際には思ったけれど、いつの間にやら、説明板が設置されていた。この地で若者と恋に落ちた、機織の技術を持った娘が、都に行くことを許してもらえるよう、一生懸命機織りをしたが、無理をしすぎて亡くなったというお話が書かれている。棚機って、「たなばた」と読むそうで、七夕伝説にも繋がる言い伝えのようだ。



葛城市の兵家地区に、堤防でもなければ、道路でもない、コンクリートの高架構築物を発見。どうやら高架&密閉型の水路のようだ。近くのニュータウンの造成工事の一環だろうか?



兵家から、東に進み、孝女「伊麻」の碑にやってきた。継母に疎まれた伊麻が、幼くして奉公に出されるなど苦労を重ねつつも、父親に孝行の限りを尽くしたということだ。以前この碑に来た時は、全然興味が無かったのだが、綿弓塚で、松尾芭蕉がこの地にやってきたのは、伊麻に会うため、と知り、俄然興味を持って、説明文も熟読した。



このあたりのベンチは、ウナギの絵が描かれた壺型だが、これも伊麻のエピソードに因むもの。父親の病気に効くというウナギを四方八方探したが、見つからず、困り果てていたら、どうしたことか、台所の壺からウナギがとび跳ねたそうだ。伊麻の孝行心が天に通じたということだろう。



本日最後のクイズポイント、長尾神社にやってきた。竹内街道や初瀬街道などが交わる要所にある古くからの神社だ。石灯籠の前には、何故か蛙の石像がある。



神社正面に向かって右の蛙は一匹だけなのに、左の蛙は、別の蛙を背負っている。

中将姫、棚機神社の娘、孝女伊麻、と、葛城の歴史を彩る3人の女性のエピソードに、「継母」、「織物」、そして、「精勤」、「孝行」といった共通点が見られるところが興味深い。おそらく、この地では、そのような子弟教育を代々続けてきたのではないだろうか。付近の小学校には孝女伊麻の銅像があるというし、この蛙にも、同様の教育的な意味があるように思えてならない。



今日はこれでお終い。磐城駅から帰宅。



まとめ


歩行距離    17kmくらい
所用時間    451分 (7時間31分) 昼食やら休憩やらを含む
歩数       30800歩 (しっかり 23500歩)