須磨歴史紀行スタンプラリー

2014年10月11日(土)


例年開催されていながら、参加を見送ってきた須磨歴史紀行スタンプラリーに出掛ける。史跡が集中する沿岸部だけではなく、名谷など須磨区全体にスタンプポイントが散在しているため、どうも気乗りしなかったのだが、回れるところだけ回ろう、と楽な気持ちで今年初めて挑戦する。



スタートは、山陽電車の月見山駅。ここから、まずは須磨離宮公園を目指す。



月見山から須磨離宮公園までの道は分岐が多く、本来とても判りにくいのだが、近年街づくりプロジェクトの活動により、離宮公園までの道路面にバラの絵や写真を描いた「バラの小径」が完成したお蔭で、迷わず歩けるようになった。さらに、道路に面したお宅には、様々なバラの植木鉢が設置されている。



須磨歴史紀行スタンプラリーにこれまで参加しなかった、もう一つの理由は、スタンプポイントに有料施設が多いこと。今日は、いつもは素通りする須磨離宮公園にも入場料を払って入園するつもりでやってきたのだが、どうしたことか「本日無料」。なんてラッキーなんだ。



須磨離宮公園は、深い緑やバラ園、そして数々の史跡もあるが、やはり宮殿風のレストハウスと勢いよく水を吹きあげる噴水が最大の見どころだろう。



須磨離宮公園で最初のスタンプをゲットした後、須磨寺近くにある寿楼臨水亭というホテルへ。スタンプポイントになってはいるものの、宿泊も買い物もせずにスタンプだけ貰うことには躊躇してしまうが、優しい従業員さんが、スタンプ帳を持っている姿を見つけて、にこやかにホテルフロントに設置されたスタンプ台まで案内してくれた。



寿楼臨水亭の傍にある堂谷池の畔では、蒲の穂がたくさん見られた。久しぶりに蒲の穂を見たような気がする。



次なるスタンプポイント、須磨寺へ。源平の武者の像や、一の谷の戦いに纏わる品物の展示が見どころだが、これらとは別に、とてもユニークな造形物が多いところだ。目玉や頭がくるくる回る蛙の像や、2体の童子が抱え上げている常香炉など、なかなか他では見られない。



見ざる、聞かざる、言わざる、の三猿は良く見るが、須磨寺には五猿の像がある。三猿に加えて、怒らざる、と、見てござる・・・。どうも、しっくりこないが、さらにユニークなことに、これらのお猿さんに触れると手や顔が動く仕掛けになっている。



敦盛の首塚。須磨浦公園の駅前に敦盛塚があるが、あれは胴塚なんだろうか。さほど距離も離れていないことだし、首塚と胴塚を一緒にしてあげることはできないものだろうか・・・。



須磨寺の参道入り口にある須磨霊泉。美味しい水のようで、遠方から汲みに来る人も多いようだ。しかし、維持のためのコストも大変なようで、寄付を求める看板も見られた。



須磨寺の門前に続く道は、「智慧の道」と名付けられている。須磨寺の弘法大師と、この道の先にある綱敷天満宮の菅原道真という、智慧・学問の両巨頭のダブル効果がある道のようだ。



商店街のお店もスタンプポイントなんだけど、売上に直接結びつけようとする気配もなく、店先にスタンプ台が設置されている。商魂たくましいスタンプラリーの多さには、辟易しているが、須磨歴史紀行は、そのようなギラギラした商売気を感じさせない品格を感じさせる。買い物をスタンプ押印の条件にしなくとも、その地に行けば、言われなくとも、色々なものを買っちゃうものだ。



源氏物語の光源氏の住居跡とパンフレットに紹介されている源光寺。と言われても、納得できないんだよねぇ。フィクションである光源氏の住居跡とは、どういうことなのだろう・・・。



源光寺、須磨浦商店街、とスタンプポイントを制覇して、須磨海岸にやってきた。10月になり気温もかなり下がったうえに超大型台風も近づいているが、沢山の人がウィンドサーフィンなどを楽しんでいた。



須磨海岸にある赤灯台。和田岬にあった明治17年製のものを移設してきたものだそうだ。松林の中で、朱色が映える。



智慧の道で須磨寺と繋がっている綱敷天満宮にやってきた。土地柄だろうか、波乗り祈願なるものが見られる。厳しい世間を乗り切っていくための祈願、と説明されているが、明らかにサーファーの神様たらんとしているように感じる。



茄子の腰掛けもある。茄子料理が大好きなだけに気になるぞ。どうやら、茄子と成すをひっかけたものらしい。



綱敷神社の傍で見られた市道の不法占拠。「使用されている方は至急下記までご連絡ください」との神戸市のお知らせ文が貼られているが、名乗りでてくるとは思えない。いろいろと手順を踏む必要があるのかもしれないが、サッサと強制撤去できないものだろうか。



国民宿舎、シーパル須磨のスタンプ。注目すべきはスタンプ台。神戸の市章と、神戸市役所の文字が入った特製だ。かなり古そうなものだが、特製を作る意味があるのだろうか。



須磨水族館。当然のことながら有料施設なんだけど、チケット販売機の手前にスタンプ台が設置されていた。須磨歴史紀行は、基本的に全て無料でスタンプを押印できる仕組みになっているようだ。とても気に入った。



最後のスタンプは、若宮商店街。水族館の傍だけに、ラッコやイルカをあしらった街燈が並んでいる。



JRの須磨海浜公園駅の中も、水の生き物のイラストで溢れかえっている。



予定どおりとはいえ、須磨離宮や須磨海岸を歩きまわるに留まり、全17のスタンプポイントのうち、制覇したのは10のみ。「須磨印判旅歩須磨寺来訪之証」などという、大仰な篆書体の角印は押印の満足感を高めてくれる。プレゼント応募になスタンプ5つで良いのだが、全て集めることができれば、かなりの達成感が得られそうだ。