【番外】長崎くんち

2014年10月9日(木)


出張で出掛けた長崎で、「長崎くんち」を見物させていただいた。当然のことながら、仕事目的の出張なので、お祭り見物はオマケ。400年近くも続く諏訪神社の祭礼で、7つの町が奉納踊りをするという程度の予備知識しかないまま、8日に長崎入りする。夜、市内有数の繁華街、丸山で会食に招待されたが、そこにも、奉納踊りの行列がやってきた。



これは庭先回りというものらしく、諏訪神社での奉納踊りの合間に、市内のお馴染みのお店などを訪問し、出し物を披露することで、福を分けお祝いするものらしい。訪問を受けたお店では、もちろん、御花と呼ばれるご祝儀をすることになっているらしい。



曳き物や担ぎ物は、門前までしか入れないが、踊りは玄関先で演じてくれる。この夜は、八幡町、麹屋町、興善町が店を訪れてくれた。庭先回りがやってくる度に、2Fの部屋での宴席を中断して、1Fの玄関に下りてこれを迎える。だんだんと「長崎くんち」の雰囲気が判ってきた。



翌9日は、長崎くんちの最終日。朝から諏訪神社の門前に設営された桟敷席に招待していただく。桟敷席は超満員で、好天も相俟って、熱気ムンムンだ。



昨夜庭先回りにやってきた興善町が、昨日より大人数になって踊りを演じている。



多くの町では、まず最初に、傘鉾が登場する。どうやら、これが町のシンボルのようなものらしい。重さは150kgほどもあるらしいが、ひとりで心棒を持って、クルクルと回る。ヨイヤー、という掛け声がアチコチから発せられる。いいぞ!という意味らしい。



会場が盛り上がるのは、やはり担ぎ物(神輿)や曳き物(山車)。それぞれ独特の掛け声で、担ぎ手が息を合わせて神輿を高速で回転させるのも大したものだが、神輿の上で平然と太鼓をたたいている子供にはさらに驚いた。相当練習を重ねてきたことが良く判る。



フィニッシュは、神輿を空高く放り上げる。で、終わるかと思えば、モッテコーイ、との掛け声の大合唱が始まる。アンコールを要求するものだ。期待に応えて、2度も3度も再演してくれる。凄い体力だ。



演武の奉納なんかもある。



曳き物は、船をモチーフにしたものが多い。やはり、見所は高速回転だ。



龍をモチーフにした曳き物も登場。荒々しいパフォーマンスを予想していたら、龍の上で、ウィーンフィルの元首席クラリネット奏者が演奏しはじめた。さすが、長崎は和、中華、蘭の混合文化。何でもアリだ。昨夜の卓袱料理もそうだった。もっとも和華蘭(ワカラン)料理とも言われたりするそうだが・・・。



しかし、後半は、期待どおりに龍が大暴れ。首を振ったり、回ったり、白い煙を吹きだしたりして、会場は大盛り上がりだ。



しかし、残念ながら、ここで時間切れ。仕事に戻らなければならない。長崎くんちの代表的な演目と聞いていた蛇踊りの準備を横目で見つつ、会場を後にする。



各町の出し物の合間に、会場に手拭を放り投げてくれる。ちょうど、野球場でサインボールをスタンドに投げ込むような要領だ。会場では、後ろの人に気遣って帽子を被ることは禁止されているので、ホッカムリに使える手拭は重宝する。幸運にも、銀屋町と西濱町の手拭をゲットできた。



なんだか、最近、遊んでばかりに見える出張が多いけど、チャンと仕事はしているのだ。