信楽高原鐵道運行再開記念スタンプラリー

2014年12月23日(祝)


天気も体調もいいので、ちょっと長目の距離を歩こう、と、最近、信楽高原鐵道の運行が再開された信楽方面に出掛けることにする。記念のスタンプラリーもやっているのだが、事前のネット検索では、人気が高く台紙が払底している、との情報もあるだけに、少々不安だ。



最近、金勝山登山、旧東海道歩き、と続けて乗車しているJR草津線で貴生川駅へ。事前の目論見では、ここで台紙とスタンプを貰う予定だったのだが、JRの改札でも、近江鉄道の改札でも見当たらない。どちらも1人しかいない駅員が乗客対応に追われていて、話しかけることさえできない。仕方ない、スタンプラリーのことはさておき、貴生川から信楽まで歩くことにしよう。



信楽高原鉄道は、昨年夏の台風で、貴生川駅にほど近い、杣川の鉄橋が壊れ、15ヶ月かけてやっと運行再開されたばかりだ。新しく付け替えられた杣川鉄橋を見ながら、ここから約15kmの鉄道に沿って終着駅の信楽まで歩く。



貴生川から近江平野の田園地帯を西に西にと鉄道は進む。平坦な地面に土盛りをし、その上にレールを敷いた構造になっている。鉄道の大部分は国道307号線に沿っているが、この手の国道を歩くのは超危険なのだ。特にこのあたりは別名、近江グリーンロードと呼ばれる快速道路で歩道なんて無い。そこでなるべく旧道を探して歩くことにする。



牛飼という古い集落にやってきた。勝手な想像だが、江戸時代、来日した朝鮮からの使節団をもてなすため、いくつか特別に肉牛を飼育させたところがあったと聞くが、東海道の水口宿も近いだけに、ここもそうした土地なのかもしれない。鐘楼と鐘のサイズが合っていないが、古い村落の大きな鐘が戦時中供出させられたという話もありがちな話だ。



山道覚悟で、国道を避けて歩いてきたが、スマホのマップにも表示されるような道なのに、通行禁止になっている。ウォーキングには快適な道が続いているように見えるが、フェンスが貼られて車両は勿論、歩行者さえ進入できない。



結局再び国道に向けて逆戻り。悲しい気持ちを慰めてくれるかように、2両編成の信楽高原鉄道がやってきた。



一旦国道に戻ったものの、再び山道に入る。国道と鉄道は山を避けて南に大きく迂回しているが、その山を突っ切る道だ。ところが、この道にも進入禁止バリケードが現れた。幸い歩行者用に開けてくれていると思われる隙間があったので、そのまま突破する。「全面通行止」という表示は、一般に歩行者にも適用されるだろうか・・・。



もともとは、車も走れそうな整備された道だったのだろうが、荒れ放題だ。もっとも歩くには何の問題も無い。大した山でもなさそうだが、カーブも多いため、最短距離を歩いているのかどうかは疑わしい。



山道を歩くこと2~3km、再び鉄道や国道と合流する。信楽高原鉄道は珍しい路線で、総距離15kmに中間駅は4つあるが、始点の貴生川駅から10km近くは駅が無い。ずっと山間部なのだ。踏切の周りにも、まったく人の気配がしない。



結局、怖れていた国道歩きになってしまう。歩道などあるはずもなく、路肩も狭い。信号も交差点も無いため車のスピードは総じて速く、大型車も多い。自転車や原付さえ見かけない、こんな快速国道の道端をトボトボ歩くのもおっかないし、運転している人にも迷惑かもしれないが、他に道が見当たらないのだ。



雑木林の向こうを、信楽高原鐵道が走る。上手く撮れば、なかなかいい構図の写真になりそうなところだ。



国道307号の上を市が楽高原鐵道の鉄橋、そして、さらにその上を第二名神高速が走っている。



国鉄が民営化され、信楽線が3セク化されて間もない1991年、ここで単線での超満員列車同士の正面衝突という悲惨な事故が発生した。死者42名、負傷者600人以上という。レールの脇には、記念碑と慰霊塔が建てられている。そして偶然なのか必然なのか、新名神の信楽IC入口が真ん前に出来ていた。



ようやく、最初の中間駅。紫香楽宮跡に到着。ちょうど列車もやってきたところだ。聖武天皇が離宮として造営した紫香楽宮と言われる甲賀寺跡が近いが、先を急ぐ。



人里離れた長い山道を歩いてやってきた信楽地区は、まさに隠れ里。小学校の校門前にはルールを守ろうと呼びかけている甲賀忍者と思しき人形が据えられている。膝から下が土に埋まっているのが気になるが、忍者なんだからきっと平気なんだろう。土遁の術かもしれない・・・。



無人駅ながらも、スタンプポイントにもなっている雲井駅。ここに台紙があると期待していたのだが、無かった・・・。仕方なく、他の紙に押印だけして空しく引き返す。



山に囲まれた隠れ里のようだが、それでも結構な田畑が広がっている。長い歴史の過程で、少しずつ開墾していったものなんだろう。



勅旨駅。何とも高貴で由緒ありそうな地名だ。しかし自転車置き場があるだけで、駅舎と呼ぶようなものはない。写真で見た限りはバス停のような雰囲気だ。単純往復を繰り返している信楽高原鉄道だが、夕方も近くなって2両編成から1両編成に変っている。



信楽の街中に近づくにつれて、お馴染みの陶器屋さんが国道沿いにいくつも登場する。信楽焼は元は場所柄、茶器が多く、昭和初~中期には火鉢が代表的製品だったらしい。狸が全国的に知られるようになったのは、昭和天皇が行幸された際に、タヌキの置物に日の丸を持たせて沿道にズラリと設置したことが新聞などに紹介されて以降なんだそうだ。



町に掛かる橋桁にも、陶器が据えられているなど、まさに焼物の町だ。



おそらく信楽焼の窯なのだろう。火事と思われそうなほどの煙が棚引いている。



信楽駅に到着。信楽焼は固いため大物の製作に向いた焼物らしい。町の中でも何体も見掛けたが、駅前にも巨大狸が置かれている。クリスマス前のためサンタの衣装を施されているが、どうも赤い掛け布団としか見えない・・・。



信楽鉄道の車体にもタヌキのイラストが多数。意外にも新しい車体だ。車内にはクリスマスの飾りがあったりする。もっと寒々しいローカル列車を予想していたが、嬉しい意味で裏切られた。



信楽駅には辛うじてスタンプ台紙が残っていたものの、疲れも溜まって、今さら貴生川駅で途中下車する気にもならず、規定のスタンプ4つを押すことはできなかった。しかも雲井駅のスタンプは他の紙に押したものを切り貼りしたものだ。



残念ながらスタンプラリーは達成できなかったが、久々の信楽は楽しかった。それにしても、電車や車では行きやすいが、歩いて行くのは実に厄介なところだ。

 

まとめ

 
歩行距離    16.9km
所要時間    250分 (4時間10分)
歩数       25100歩