寅ウォークスタンプラリー(信貴山)

2015年2月22日(日)


昨年、開催日を間違えて参加できなかった信貴山の寅まつりに、満を持して出掛ける。目当ては信貴山朝護孫子寺境内の塔頭などを巡るスタンプラリー「寅ウォーク」だ。



昨年は、奈良県の信貴山下駅から、朝護孫子寺を経由して八尾の恩智駅まで歩いた。そこで今年は逆コースを行こうと、近鉄大阪線に乗り込む。天気予報では午前中は大丈夫のはずが、スマホで確認すると、雨雲がすぐそこまでやってきているため、予定を変更して、信貴線との乗換駅になる河内山本駅で下車。本数の少ない信貴線を長々と待つ間に雨が降ってきた。



信貴山に向かって雨雲が押し寄せている。これでは、とても登山できる状況になさそうだ。ここまで手軽にリアルタイムの天気の様子を知ることができるとは、便利な世の中になったものだ。



河内山本駅で20分ほども待たされて、やっとのことで信貴山口駅に到着。ケーブルに乗り換えようと思っていると、何とここでも30分待ち。しかも運賃は550円。た、高い・・・。行くの止めよっかな、歩いて登ろっかな、などと思いつつ、一旦駅舎を出て考え込んでしまう。



昨年、高安山周辺で、イノブタ注意の看板に出会って驚いたが、この辺りにも出没しているようだ。かつて飼育されていたものが野生化したもののようだが、一時は大ブームだったイノブタも、最近は聞いたことがない。



で、結局ケーブルカーに乗ることにする。虎の絵をあしらった可愛いケーブルカーだ。年に1度の寅まつりが信貴山で開催されているにも関わらず、乗客は数人。運行を維持するためには550円という料金も仕方あるまい。



小雨が降るなかとはいえ、ケーブルカーからの景色はなかなかのもの。晴れた日ならば、大阪平野が一望できるだろう。小雨のなか、この山を上るつもりだったが、止めて良かった・・・。



信貴山口から一駅、高安山までやってきた。ケーブルを下りると「電車が走ってました」の看板が目を惹く。戦前まで、ここから信貴山門までの2.1kmの間を、信貴山急行電鉄という平坦線が走っていたそうだ。雨は止まないし、ここでも歩くことは諦めて、信貴山門までバスで向かう。



やっとのことで信貴山朝護孫子寺に到着。名物の大寅が出迎えてくれる。時間はかかるし、お金はかかるし、大変な思いで辿り着いたのだが、どうしたことか、雨は小止みになっていた。



ハイキングのつもりが、ここまでちっとも歩いていない。無事虎ウォークのスタンプラリーカードを手に入れ、境内を歩きまわることにしよう。スタンプポイントは10ヶ所。「10ヶ所回るのは大変ですから8ヶ所回れば記念品を貰えるようになっています」と説明されるが、バカにするなよ、こちとら百選練磨のスタンプラリーストだぜ、と全ポイント制覇を目指して歩き始める。



まずは、成福院、玉蔵院、と二つの塔頭でスタンプをあっさりゲット。こりゃぁ小一時間もあればコンプリートできそう、と次に向かったのが空鉢護法堂。簡単なイラストマップしか手元にないので、多宝塔のすぐ先と考えて、坂を上り始める。



なんじゃこりゃ。延々と坂道は続く。手摺が付いているのが救いだが、ついには息が上がって、途中で腰を下ろしてしまう。



20分ほども登り続けて、ようやく到着。なんのことはない、信貴山の山頂まで登ったことになる。さすがに景色は素晴らしい。



信貴山頂といえば、空鉢護法堂より、松永弾正が信長に反抗して50日も立て籠もった信貴山城の方が遥かに興味深い。遺構はよく残っているとのことだが、目に入るのは石碑と案内板と何本かの幟だけだ。松永弾正が自爆した際に道連れにしたと伝えられる、名器、平蜘蛛の茶釜の欠片でも落ちてないかなぁ・・・。



這う這うの体で信貴山登山を終え、再び境内に戻るが、ここでようやく、スタンプポイントのひとつ、奥之院が、2km以上も離れているという事実を知る。降雨を恐れながら、往復1時間以上も掛けて歩くのは辛いが、敢然と立ち向かうことにする。それにしても、アップダウンはあるけど総じて下り坂。来た道を戻るには嫌いだが、下った道を上って戻るのはさらに辛い・・・。



30分ほど歩いてやっと奥之院に到着。奥ノ院とはいっても、朝護孫子寺よりかなり山裾の開けたところにある。



奥之院から再び30分歩いて、朝護孫子寺の境内に戻る。寅まつりということで、各所でかなり気合の入った祈祷などが執り行われているが、それを横目に、虎空蔵堂、本堂、三宝堂、千手院、と境内のスタンプポイントを一気に踏破する。



大寅の近くにある開山堂、そして最後に、赤い鳥居が延々と並んでいる劔鎧護法堂でスタンプをゲットして、コンプリート。信貴山の御加護のお蔭か、3時間近くの歩行中、全く雨に逢わずに済んだ。



無事10ヶ所全てのスタンプポイントを制覇。劔鎧護法堂のスタンプだけが赤いのは、鳥居の色に合わせているのかなぁ・・・。



信貴山観光案内所「iセンター」で、スタンプ制覇の参加賞としてエコスポンジを貰う。さらに抽選でBMIメジャーなるメタボ測定グッズを当てる。う~ん、いい加減痩せなさい、という信貴山のお告げかも。10ヶ所完歩には更にご褒美がある。なんと信貴山下駅の入場券・・・。



寅で有名なお寺とはいえ、昨年訪れた際より、さらに寅グッズが増している。寅ダルマといった以前は見かけなかったものも登場し、張り子の虎も2万円の高級品が売られていた。



狛犬ならぬ金銀の狛寅。昨年は銀寅の写真をアップしたので、今年は金寅。



何だか良く判らないが、檻に入った虎の石像がある。虎の祟りを恐れての檻なのか、それとも観光客に無闇に触れさせないための柵なのかは不明だ。



なでとら。撫でると良いことがあるそうだ。



寅まつりということで、境内で愛嬌を振りまいていた、信貴山のマスコットキャラクター「しぎとら」。う~ん、鼻が青いのはどうしてなのか判らないが、ここまで迫力の無い虎も珍しい。



赤門前の絵馬堂では、張り子の虎をたくさん並べて、納め寅供養なるものが執り行われていた。



帰路に立ち寄ったJR王子駅のショッピングセンターのポスターにも虎。今日一日で、虎をいったい何百匹、いや何千匹、目にしたことか・・・。少々食傷気味だ。



それにしても、寅ウォークは、思いのほか手強かった。昨日のゴルフ疲れもあったものの、これに恩智駅~信貴山下駅のハイキングを組み合わせるという当初計画は、今の体力では少々無謀だったように思える。