八幡山&長命寺(ヤマノススメスタンプラリー)

2015年6月6日(土)


近江八幡にやってきた。山登りの面白さにどんどん魅せられていく中高生女子を描いたヤマノススメというアニメに因んだスタンプラリーが開催中だ。テーマがテーマだけに、スタンプポイントは全て山の上。滋賀県の伊吹山、賤ヶ岳、そして八幡山だ。今日はこのなかでも標高283mと最も楽チンな八幡山に登ることにする。ついでに、長い階段で有名な長命寺にも参詣しよう。



近江八幡駅から、バスに乗って、かつて豊臣秀次が整備した近江八幡の旧市街の中心にやってきた。駅から2~3kmほどしかないが、山登りに備えて体力温存だ。バス停の前に建つお洒落な洋風建築が白雲館。明治初期、近江商人がお金を出し合って作った学校の校舎だ。



日牟禮八幡宮。八幡山の深い緑を背景にした門や社殿は重厚で風格も半端ないが、伝承によれば創建はなんと紀元131年! いくらなんでも、それはなかろう、と思うが、近江商人の信仰を集めた当地随一の古社であることは間違いない。




日牟禮神社の奥にある、八幡山の頂上に繋がるロープウェイ乗り場を横目に登山口に向かう。



さあ、八幡山への登山開始だ。深い緑の奥へ、なだらかな道が続いている。



が、次第に道は険しさを増す。涼しい風が吹く、この季節としては絶好ともいえる登山日和だが、汗が吹き出し、息があがってしまう。



登山口から20分強かかって、ロープウェイの山上駅に到着。大した距離でもないし、さほどの時間が掛かった訳でもないが、想像以上に疲れた。この山上駅がスタンプポイントになっている。ヤマノススメとはいうものの、ロープウェイでやってくれば高々5分ほどで来れるはずだ。展望台の売店には、様々なヤマノススメグッズが売られていた。



展望台からは、想像以上に広く、そして密集した近江八幡の市街地の先にある湖沼の、さらに向こうには、安土城址がくっきりと見える。



秀吉の甥、関白ともなった豊臣秀次の居城があった八幡山城の本丸跡は、村雨御所瑞龍寺というお寺になっている。秀吉の勘気を蒙り、秀次は切腹させられたが、その際、秀次の幼子から妻妾、家臣に至るまでが皆殺しにされ、近江八幡城も破却されたという。天下統一後、朝鮮出兵や秀頼誕生の頃には、秀吉の性格は歪みきり、暴政が続いた。老害と言いたいところだが、当時の秀吉は、50歳を過ぎた頃で、今の自分よりずっと若い・・・。



当時の八幡山城のものかは不明だが、瑞龍寺の周囲には、古い石垣が多く残っている。



八幡山城の北の丸跡にやってきた。この後向かうことになる長命寺山が、琵琶湖に突き出している。



西の丸址。どういう経緯かは全く不明だが、八幡山は「恋人の聖地」なんだそうだ。展望台などには、史跡にはおよそ不似合なモニュメントがいくつも見られる。歴史的背景があるならともかく、「私たちは、ここを恋人の聖地と宣言しました」といった意味の英文の旗を立ち並べているだけとはナンセンス極まりない。腹立たしさを通り越してアホらしい。「私たち」って誰なんだ?



八幡山登山を済ませ、次なる目的地、長命寺にやってきた。長い階段があることは判っていたが、ここまで長いとは・・・。しかも一段一段の段差がとても大きく、腿のあたりが引き攣ってくる。



何度も息を整え登っていくが、ゴールが近づく気配がまるでない。途中、何か出てきた、と思ったら、摩訶不思議な形をした鳥居だった。お寺に鳥居?と訝しく思いもしたが、それも束の間。鳥居の先にさらに延々と続く石段から受けたショックが大きすぎた。



一体どこまで続くのか。間違いなく八幡山登山よりキツイ。帰宅後調べてみると、石段は808段。金毘羅山は1368段(本宮までなら785段)とのことだが、これほど段差が無かったように思う。



西国31番札所、長命寺にようやく辿りついた。檜皮葺の立派な建物が建ち並ぶ。標高は250mほどで、八幡山よりやや低いが、階段を上り続けるだけに、こちらの方が足に堪える。登りに要した時間も、八幡山より10分ほど長かった。



木々の間からではあるが、さすがに琵琶湖を臨む景色は素晴らしい。



帰路は遠回りになるが、足腰に負担のかかりそうな石段での下山を避けて、自動車道をテクテクと歩く。開いて間も無いと思われるシダの葉の緑が眩しい。



長命寺の麓からは、バスに乗って、近江八幡の中心部に戻ってきた。近江八幡といえば、水郷の町としても有名。何艘もの船が堀割を遊覧している。堀端にはアヤメ(あるいはショウブ)が美しく咲いている。



さらに近江八幡の名物として有名なのが瓦。瓦ミュージアムとか、瓦せんべいなんてのもあるが、目を惹くのは瓦を使ったモニュメント。



さらなる名物は丁稚ようかん。羊羹屋さんの前に置かれた飛び出し坊やは、丁稚ようかんを手にしている。さらに赤こんにゃく、麩、近江牛、鮎、そして和菓子のタネヤに、洋菓子のクラブハリエ、と美味そうなものが犇めいている町だ。



 近江兄弟社の発祥も、近江八幡。昔はメンソレータムと呼ばれていたはずだが、いつの間にか、メンタームと名称を変えている。どういう訳なんだろうか・・・?



そして、近江商人発祥の地。今も古い街並みが残っている。一言で近江商人といっても、大規模店を都会に出店させた八幡系、小規模フランチャイズ店を数多く拡げた日野系、などに分れるようだ。




この町の町名表示板は、他の町でよく見かけるものと比べて、幅が太い。古くからあると思われる木製のものも数多く見られるが、近年設置されたと思われる金属製のプレートも、同じく太い幅になっている。



本日の収穫は、八幡山の展望台売店でゲットした、ヤマノススメのスタンプひとつ。町には来週末に開催されるトライアスロンのポスターと並んで、ヤマノススメのポスターが多く見られる。山登りに精を出す少女たちの服装は、かなり本格的なんだけど、どういう訳か、どのイラストを見ても、帽子を被っていない。気になるぞ。登山に帽子は必須アイテムではなかろうか。



八幡山はクリアしたものの、標高が1377mもある伊吹山はかなりの難敵。賤ヶ岳は何度も登っているので、イマイチ気が乗らない・・・。期間は11月まであるとはいえ、残りのスタンプ制覇はどうなるものやら・・・。