東海道ウォーク みちくさコンパス2015(湖南)

2015年11月23日(祝) ①


昨日・今日と、湖南市で開催されている「東海道みちくさコンパス」に出掛ける。昨年は呑気な街道歩きのつもりで三雲駅から遅い時間に出発したところ、三雲城跡など思わぬ山歩きがあったりして、スタンプポイントの半分ほどで時間切れ・体力切れとなってしまった。今年は朝10時前、と最近にしては、まあまあ早い時刻に石部駅からスタートする。



まだ朝10時というのに空腹を感じていたところに現れたのが、いかにも街道らしい田楽茶屋。ところが、今日は通常営業ではなく、イベント参加者への「おもてなし処」になっている。握りたての大きなお握り2個と味噌汁でたったの200円。昨年は500円のイベント参加費を払うと、おもてなしポイントで使える金券を300円分(だったかな?)貰ったが、今年は金券はなし。その代わり格安で食事などを振る舞う仕組みになったようだ。



歩き始めて10分で、まずは食事、という超お気楽モードで始まったが、さあ、ここからがウォーキング本番。最初のスタンプポイント真明寺に到着。さあ、30あるスタンプポイントのいくつを回れるのだろうか。全制覇を目指して乗り込んできたものの、満腹感のため既に萎えかかっている。



このイベントは、旧東海道付近の史跡や自然だけではなく、地元に所縁のある名産品やアートの紹介にも力を入れている。石部宿驛では能面の製作を実演していた。よくまあ檜の角材が、精巧で薄っぺらい能面に変身するものだ。



受付で貰ったマップに従って湖南三山のひとつ長寿寺に向かうには、片道40分の同じ道を往復しなければならない。そこで遠回りにで判りにくそうだが、別な道を進むものの、行き止まりで、進退窮まってしまう。ご親切にもご自宅の庭を通していただき、裏道に抜けさせてもらったりしながら無事長寿寺に向かっていく。公園の遊具には石部宿のマスコット「いしべえくん」がいる。


長寿寺。モミジの名所とは紹介されていないが、築後800年にもなる国宝の本堂と紅葉が美しく調和している。もとは、ここに三重塔があったらしいが、織田信長が安土に移設してしまったそうだ。



長寿寺、常楽寺、善水寺の湖南三山は、いずれも湖南市内。半年前に開催された湖南市ぐるっとスタンプラリーで、善水寺は訪問したが、常楽寺だけは未訪問。長寿寺からさほどの距離もないのだが、みちくさコンパスではスタンプポイントになっていない。



長寿寺から再び旧東海道付近に下りてきた。スタンプひとつで参拝込みで1時間半もかかった。遠隔のスタンプポイントに向けて運行されているシャトルバスは完全無視で、ひたすら歩く。



旧東海道でいくつかのポイントを巡り、再び山手にあるポイント「うつくし松」に向かう。マップには記載されていないが、偶然発見下「歴史の小径」という、うつくし松に向かう林道を進む。



歴史の小径などというネーミングから、整備された長閑な散策道を想像していたのが大間違い。荒れ果てた林道だった。もっとも、この手の道が大好きなんだから、嬉しい誤算だ。



うつくし松が群生している天然記念林に到着。主幹がなく、何本もの枝が地表近くから放射状に生えているのが特徴だ。



再び、旧東海道へ。この2日間、数百mほどが自動車通行止めで歩行者天国になっている。



歩行者天国区間の東西には関所が設けられている。忍者姿の若者などもいて、なんだか、ヤヤコシイイベントに巻き込まれるのでは、と恐る恐る関所に入る。



関所で、「サスケの挑戦状」なるサブイベントに参加することを勧められる。歩行者天国区間を対象にしたクイズラリーだ。猿飛佐助がこの近くの三雲城の出身の甲賀忍者であることから、サブイベントの主役に抜擢されているようだ。



サスケの挑戦状なる4つのクイズの答は、旧東海道を歩いていれば見つかることになっている。当然のことながら全問正解で、東の関所でご褒美の缶バッジも貰う。



地元の農作物や、手作りのお菓子などを売っているところも多い。それにしても驚くべきは、このイベントへのボランティア動員数だ。地域をあげてのイベントとはいえ、ポイントごとに少ないところで2人、多いところでは20人くらいのスタッフが詰めている。総動員数は200~300人ほどにもなるのではなかろうか・・・。地域外からの来訪者より、よほど多いような気がしてならない。



全てのスタンプポイントを制覇して、三雲駅まで歩くことを目論んでいたが、一昨日のハイキング、昨日のゴルフの疲れが溜まっているうえに、空模様も怪しく、いつ雨がパラついてきてもおかしくなさそう。この辺りが引き上げ時だ。旧東海道に別れを告げ、甲西駅に向かう。



来年のNHK大河ドラマは真田幸村が主役。既に紀州九度山、信州上田、それに大阪などで、大河便乗の観光誘致が盛んだが、猿飛佐助など脇役のゆかりの地もこの機会を逃すはずがない。甲西駅前には派手な看板や幟が見られた。



首からブラさげる木札に押されたスタンプは20個。昨年の16個に比べれば少々多いものの、歩行距離はあまり変わらない。昨年は三雲~甲西、今年は石部~甲西を中心に歩いたので、一応2年かけて、全ポイントを制覇したことになる。ご褒美の記念品は昨年同様、地元のお酒だが、今年は猿飛佐助バージョンだ。



昨年も感じたことだが、地域の人たちが大勢で楽しく盛り上がって、とても気持ちのいいイベントだ。甲西駅前に「私達は歴史と自然を尊び 心のふれ合いを第一として より良い郷土づくりにはげみましょう」と大書された石碑がある。まさにこのイベントは、この言葉を実践したもののように感じた。



歩行距離はおよそ17km。歩数は26000歩、所要時間は約5時間。



大勢の観光客を呼び込むことばかりがイベントの目的ではないと思うが、もう少し上手くPRしていれば、さらに他府県からの参加者も増えたんじゃなかろうかと感じる。