宝ヶ池ウォーキング(京都)

2016年4月29日(祝)


京都市内での所用の前に、手元にある京都市緑化協会が発行した「みどりのウォーキングマップ」を手に、洛北の宝ヶ池周辺をブラブラ歩きする。



京都市営地下鉄烏丸線の終着駅、国際会館から、さあ、ウォーキング開始と思っていたら、広大な宝が池公園に大勢の人を集めての「京都まつりなる」イベントが開催されていて面食らってしまう。良く見ると、某政党の支持者が集まるイベントだった。さらに予報に反して雨も降ってきた。



イベントの喧騒と、そぼ降る雨のせいで、長い間、駅の周囲をブラブラしたり、携帯電話で時間をつぶしたりしていた末に、ようやく出発。国内屈指の国際会議施設、京都国際会館の裏手をゆっくりと歩いていく。



宝ヶ池。元は溜め池として作られたものだそうで、水不足に苦しんでいた付近の住民にとっては宝の池、ということでこの名が付いたとか。



現在の宝ヶ池公園は、都会の近くにありながら、ボート遊びやハイキングなど、緑や水辺と触れ合える市民の憩いの場となっている。



一見、戦国時代の城砦の一部とも思える塀が現れた。鉄砲のための狭間と見えた隙間は、鳥を観察するための除き窓らしい。



ツツジの木が金網に覆われている。鹿は好んでツツジの枝を食べるらしい。



京都まつりの喧騒を避けて、ハイキングマップとは異なる道を適当に進む。徐々に山歩きっぽくなってきた。



尾根道から下を見下ろすと、 火床らしきものを発見。どうやら、五山の送り火のひとつ、「妙法」の「法」の字の上にいるようだ。急坂をへっぴり腰になりながら下って、火床に近づく。3つ並んだ火床は「法」の一画目、サンズイ編の上部となっているようだ。



何度か訪れた東山の右大文字の火床は、コンクリート製だったが、こちらは金属製。昨年の夏のものだろうか、火床には未だ炭が残っていた。



京都市内が眺望できる。そりゃそうだ。「妙法」は、五山の送り火のなかでも観察しやすい。遠くに右大文字も見える。



山を下って、あらためて下りてきた山肌を見上げるが、もはや、どこが「法」の字になっているのか、さっぱり判らなくなる。



山の入り口に下ってくると、そこには入山禁止の大きな立て看板があった。ゲゲッ、入ってはいけない山だったのか・・・。山の上には入山禁止の標識は無かったのだ。ご勘弁願いたい。



せっかくなので、妙法の「妙」の山に向かうことにする。松ヶ崎の町に一旦下りることなく、山道を進む。雨は未だシトシトと降っている。



心霊現象多発地帯などと噂される狐坂の旧道の下にある新宮神社。中ほどで折れてしまったモミの大木が鳥居の横にある。



狐坂を登って、「妙」の字がある松ヶ崎西山の麓までやってきたが、やはり入山禁止の看板が立っている。木々の隙間を抜けて火床まで辿りつけそうにも見えるが、控えておこう。



さらに下って、宝ヶ池球技場から、「妙」を見上げる。妙のオンナ偏の部分だけが確認できる。



断続的に降る雨のなか、トボトボと西に向かう。畑のネギ坊主がとても可愛く、心が和む。



こちらは、紅花詰草(ベニバナツメクサ)。濃い紅色の花が円錐状に集まって咲いている。蝋燭状のイチゴ色ということで、紅花詰草より、ストロベリーキャンドルという名の方がポピュラーになっているようだ。



京都に数ある怪奇スポットのなかでも代表選手級の深泥池にやってきた。宝ヶ池同様に溜め池のようではあるが、10万年以上も前からの土砂堆積で堰き止められたらしい。氷河期の植物の花粉なども発見されているそうだ。



小高い山に囲まれた深泥池は、湿原や浮島など美しい風景が楽しめる。春の昼間に訪れた限りでは、歴史上数々の怪奇事件の舞台となった場所とは思い難い



いつまでも雨は降り止まない。約6kmと、中途半端なウォーキングになったが、地下鉄北山駅から今夕の目的地に向かう。



今日のウォーキングで撮影したお気に入りの一枚。いかにも、建設現場で良く見かけがちなヘルメットを被ったデブっちょのおじさんのようだが、もともとは布袋像のようだ。あまりにヘルメット姿が似合いすぎている。