奈良散策(3社沿線クイズ&スタンプラリー①)

2017年12月16日(土)


今年も阪神・近鉄・山陽3社沿線クイズ&スタンプラリー(沿線散歩2017)の季節がやってきた。コース設定などに不満が多く、特に近鉄に対してはこのブログでも散々非難を繰り返しているけれど、イベント枯れの冬季におけるウォーキングの動機付けとして、もう10年以上も10コース完歩を続けている。



今年の1コースめは奈良。クイズを見て愕然とする。「奈良公園にいる動物は」だとぉ?何年か前にも同じクイズだったぞ。ちゃんとウォーキングをして、その場所に行かなければ答が判らないようなものでなければ意味がない。阪神・山陽のこのイベントに参画して何年にもなるが、近鉄は、イベントの趣旨を理解しているのかぁ?



それはさておき、今日は知人の奈良案内のついでにスタンプラリー。JR奈良駅からスタートする。スタンプラリーで設定されているコースに比べて、相当歩き回ることになりそうだ。JR奈良駅の前には、「平城宮大極殿跡まで酉乾是より二十丁」と現代人にはおよそ通用しそうにない石碑が立っている。



駅前の観光案内所は「しかまろくん」一色。「せんとくん」は全く見当たらない。しかまろくんが奈良市観光協会、せんとくんが奈良県、と母体は異なるとはいうものの、奈良市内では、最近しかまろくんを目にすることが圧倒的に多くなった。



JR奈良駅から近鉄奈良駅に向かう途中にある念佛寺。大坂冬の陣で徳川家康が京都木津に滞在中に真田幸村に急襲され、この寺に逃げ込んだという伝承があるらしい。木津からここまでは随分距離があり過ぎるようにも思うのだが・・・。



京都同様、奈良でもレンタル和服と思われる装いの観光客が見られる。随分寒いのに、何か羽織るものでもないのだろうか。

頑強そうな人力車の車夫でさえ、空車(VACANT)の札を吊り下げて、随分寒そうに客待ちをしている。
スタンプラリーで紹介されているコースから外れて東大寺にやってきた。南大門のあたりは、世界中からの観光客と、鹿せんべいに群がる鹿たちで大混乱だ。 
南大門の金剛力士像。阿形と吽形が対になっているが、こちらは吽形像。源平合戦で焼失した東大寺を鎌倉時代に再建した際に、運慶・快慶らが製作したものだ。それから何百年も経つが、半端ない目力と筋骨隆々とした体格は今も迫力満点だ。
いつもは塀の隙間から覗いているだけの大仏殿に、何十年ぶりに入る。間近に見る大仏殿は、さすがに大きい。


久しぶりに大仏様にご対面。周囲の海外観光客や、修学旅行生から、感嘆の声があがる。



東大寺ミュージアムには、実際の大仏と同じサイズの手のひらのレプリカが展示されている。手のひらの上に乗って記念写真でも撮れそうな感じだが、レプリカでさえ畏れ多いのか誰もそんなことをしていない。



二月堂に続く道にある土塀。何かで引っ掻いたような落書きでビッシリと覆われている・・・。悲しいし、情けない・・・。



若草山の登山口にも鹿が多数見られる。この辺りまで来ると観光客も少なく、人の数より、鹿の数の方が多いように思える。


土産物屋さんのドアの前で、剥製のように動かない鹿もいたりする。まあ、鹿がたくさんいるので土産物屋さんも繁盛しているのだろうから、こんな程度で目くじらを立てるようなこともないようだ。



春日大社の参道に立ち並ぶ石灯籠の隙間からこちらを見つめる鹿の撮影に成功。奈良の観光パンフレットでは定番のショットだけに、結構嬉しい。

広大な春日大社の境内の奥にある本殿に続く南門。もっとも、実のところ、春日大社の境内は広すぎて、どこからどこまでなのか見当が付かない。もし春日山原生林も春日山の境内だとすれば、ここは未だ境内の入口付近ということになる。
本殿を取り囲む回廊。柱や梁の鮮やかな朱色、窓(というのだろうか)の深みのある緑色が、春日大社の神聖さと荘厳さを更に高めている。自然と背筋が伸びるような思いさえする。


春日大社のさらなる見どころは、延々と立ち並ぶ古い石灯籠なんだけど、その列の隙間にガチャガチャが設置されている。いくらなんでも、ここにガチャガチャを置くことは無いんじゃないかぁ・・・。

それぞれの石灯籠には寄進者の名が刻まれている。江戸時代の豪商のものもあれば、結構最近のものも見られる。今は閉店してしまった「奈良そごう」の石灯籠なんかもあって、企業の栄枯盛衰を感じさせてくれる。
この日は、春日大社若宮おん祭の御渡り式の前日。平安時代から1年も欠くことなく続いているという、日本を代表する伝統的な祭礼といえよう。既に準備は万端整っているようだ。 
御渡り式の行列のために整備された道も、今日は鹿たちの喧嘩の場となっている。角を切られているにもかかわらず、角部を突き合わせて力比べをしている 。
東大寺、春日大社を巡って、ようやくスタンプラリーのコースに戻ってきた。既に夕闇が迫っている。道路にはドライバーに鹿注意を呼び掛ける標識が多数見られる。
古い街並みを保存・整備している「ならまち」に到着したときには、すっかり日も暮れようとしていた。もっとも、今回のスタンプラリーのコースはわずか4km。チャチャッと回れてしまう。
奈良では「ならたんGO!GO!スタンプラリー」なるデジタルスタンプラリーが開催中。県内に広くスタンプポイントは分布しているので、集めるのは相当大変そうだ。行きがけの駄賃よろしく、ならまちと春日大社のスタンプをゲット。しかし迂闊にも東大寺ではスタンプを取り損ねてしまった。



土産物屋さんで、外国人向けの印鑑が売られている。何百もの姓を漢字に置き換えている訳だが、TOMが「富夢」などはいいものの、ALEXは「彼久寿」と読みが違うし、EMILYは「恵美利伊」と、意味なく4文字になっているなど、気になる漢字が多い。
近鉄奈良駅で、ゴールのスタンプをいただく。このイベントには10年以上も連続で参加しているが、今年もこの小さな駅スタンプを10個集める戦いが始まった。