嘘八百スタンプラリー(堺)

2018年1月28日(日) ②


九度山での「あさひなぐ」スタンプラリーをコンプリートした帰路、南海高野線の堺東駅で途中下車する。堺を舞台にした映画「嘘八百」のスタンプラリーが開催されているのだ。まずは毎度おなじみの堺市役所の展望フロアへ。ロケ風景写真展など、嘘八百のPRコーナーができている。



堺市役所前にあった観光案内所がいつの間にか閉鎖されている。ビルの老朽化に伴うものらしい。他にも観光案内所があるからいい、ということかもしれないが、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録に向けて、今こそ観光案内を最大強化させる時ではないのかぁ?



堺東駅から西に進むと、歩道橋デッキの上に道先案内表示がある。西高野街道や竹内街道の表記もある。



阪神高速堺線の高架下は土居川公園となっている。というか、阪神高速が、環濠都市だった堺の東側を流れる土居川を埋め立てて出来上がったのだ。高度成長時代らしい失政だが、その結果、堺中心部の水質は最悪状態にになってしまった。



神功皇后の創建と伝わる開口神社。堺では大寺さんと呼ばれる、旧堺市街の中心に位置する歴史ある神社だ。敷地境界の壁に沿って、扇塚、針塚、歌塚やら、堺の幼稚園発祥の地、堺中発祥の地、堺高女発祥の地などなど、様々な石碑類が立っている。



旧堺女学校出身の与謝野晶子に因んで、「晶子恋歌みくじ」なるものが授与されている。与謝野晶子の歌で恋の行方を占ってくれるらしい。



多数の石碑類のなかで、ひときわ目立たないところに、「三好元長戦死の地」の碑がある。堺幕府の立役者でもあり、華々しい戦歴の持ち主でもある元長だけに、もう少し良い扱いにしてもらいたく思う。



旧堺市外のど真ん中にある山之口商店街。大寺さんの門前でもあり、かつては大層賑わっていたところらしいが、今はシャッター商店街化の瀬戸際と見える。与謝野晶子関連のデコレーションでなんとか活気を取り戻そうとしているようだ。



南海阪堺線のチンチン電車。レトロな停留場が続くなかで、千利休と与謝野晶子の記念館「利晶の杜」最寄りの宿院停留所だけが、ちょっとカラフルに模様替えされている。



それにしても、「利晶の杜」という名称には、どうも馴染めない。いかに家が近くとも、時代も分野も異なる2人をくっつけるのはいかがなものか。そもそも利晶って言われても、何のことか判らない。英語表記はSakai Plaza of Rikyu and Akiko。この方がよほど意味が通じる。



利晶の杜の横にある千利休屋敷跡。ボランティアの方が、説明する気マンマンで待ち構えておられるので、逆に入りにくいんだようなぁ・・・。



飯炊き名人が営むことで有名な昼飯屋、銀シャリ亭。一度食べてみたいものだと思っているのだが、開店中にここを通りかかったことがない。惜しくも今日も閉店直後のようで、明かりは点いているが、本日品切れの札が掲げられていた。



九度山に行ったばかりということで、堺を代表する名刹、南宗寺に立ち寄る。大阪夏の陣で家康は討死したという伝承があって、ここ南宗寺には徳川家康の墓がある。もっとも家康を仕留めたのは、真田幸村ではなく、後藤又兵衛だったはずだ。



南宗寺は、三好長慶が父元長の菩提を弔うために建立したお寺。堺の繁栄は、三好一族抜きには語れないはずだ。応仁の乱の後、織田信長が登場するまでは、三好政権(後に松永弾正政権)といっても過言ではないはず。堺市では「千利休を大河に」なんてアピールしているけど、三好長慶の方がいいんじゃないのかなぁ・・・。



環濠の南側、阪神高速建設で土居川の一部が埋め立てられ、水の流れがなくなってドブ川化していたところだが、最近では、河口となる堺港付近から海水を汲み上げて、上流で吐出させるという苦肉の策で水の流れを回復している。



仁徳天皇陵の外濠。ここの水は流れがあるようには見えないが、水質は悪く無さそうだ。どういう仕掛けになっているのだろうか。



仁徳天皇陵の参拝所にも、黄色のジャンパーを来たボランティアの方が多く控えておられる。まったくご苦労なことだし、立派なことだとは思うのだが、どうも苦手だ・・・。それよりも、英語や中国語などの案内が全く見られないことが気になる。



前方後円墳の形に埴輪を並べている。埴輪の表情がとてもいい。



最後のスタンプポイントが、堺市立博物館。堺がスタンプラリーを高い頻度で開催していることは評価しているけれど、大概のスタンプラリーでは、堺市役所、博物館、利晶の杜・・・といつも同じスタンプポイントになっていることが残念だ。



嘘、八、百、の3つのスタンプをゲットして、無事コンプリート。ご褒美は、嘘八百のシールセット。



仁徳天皇陵とJR百舌鳥駅の間に、堺市が運営する小さなお土産ショップができていたが、いかにも仮設。店の人に聞くと、間もなく閉鎖されるという。繰り返しになるが、国内の推薦決定は通過点で、これから世界遺産本登録に向けて大切なんじゃないだろうか。何を考えているのかなぁ・・・。



古墳群というけれど、仁徳、履中、反正などの大型古墳の整備は良いけど、小さな古墳の扱いはマダマダという気がする。確かに以前と比べれば、案内板などもできて、整備されてきたと言えるけど、世界遺産レベルの整備とは言えそうにない。



JR阪和線沿いにある鏡塚古墳。石碑はあるものの、スーパーの駐車場の緑地としか見えない。地域全体で古墳群を大切に守り育てている、と外部の審査員が評価してくれるのか、心配だ。



JR阪和線沿いにある注意看板。「Google間違い」とある。Googleの道案内で狭い道に迷い込んで立ち往生する車が多いようだ。確かに大きな車では厳しい道だ。いずれ車幅などによって案内ルートが変わるような改善がなされるだろうが、まだしばらく先のことかもしれない。



南海とJRが交差する三国ヶ丘駅まで歩いて本日はお終い。歩行距離は約7km。



九度山、堺と、軽いウォーキング2つで、合計距離12~13km。

あさひなぐ×九度山町 冬合宿スタンプラリー

2018年1月28日(日) ①


久しぶりに九度山に出掛ける。毎年のように真田幸村関連イベントなどで訪問していたのだが、NHK大河「真田丸」で大勢の観光客が押し寄せていると聞くと、この1~2年、逆に足が遠のいてしまった。今回は、真田ではなく、漫画の「あさひなぐ」をテーマにしたスタンプラリーだ。



南海高野線で出掛けるが、昨秋の台風で不通になった高野下~極楽橋の間は、未だに運転が再開されていない。橋本駅で乗り換えた、「あさひなぐ」のヘッドマークを装着した列車も、九度山のひとつ向こうの高野下止まりだ。



九度山駅。しばらく来ないうちに、さらに真田六文銭の垂れ幕などで賑やかさが増し、山間部の田舎駅とは思えない装いだ。



駅舎のなかに、早速スタンプポイントがある。「あさひなぐ」なんて聞いたこともなかったけど、薙刀部で頑張る女子高生たちのお話なんだそうだ。スタンプラリーを通じての観察でしかないが、最近のアニメは、野球やサッカーではなくて、マイナー部活の方がむしろ人気を博しているように感じる。



真田の道と名づけられた町の中心を貫く道の実態は、閑散とした田舎の商店街。飲食店はほとんど見られなかったのだが、真田丸ブームのおかげか、たこ焼き屋が新しくできていた。ちょっと強引だが、たこ焼きで六文銭を描いている。



静かな町ではあるが、おそらく真田丸ブームに沸いたこの2年ほどの間に、いろいろな変化があったようだ。以前から各家に飾りつけられていた兜の折り紙だけではなく、提灯が吊り下げられている。



真田の抜け穴の周囲が随分すっきりと整理され、真幸地主大神という聞きなれない神様が祀られている。以前には無かったように思うが、それにしても何の説明も見られない。「真幸」って、真田昌幸・真田幸村父子を合体・短縮した造語にも感じる。



お店なのか工房なのかは不明だが、真田紐の看板が掲げられている。これも最近のことだと思う。



町中アチコチに見られる「九度山は真田のこころ生きる郷」というキャッチコピーも、この2年ほどの間に誕生したものに違いない。



数年前の九度山は、真田十勇士を前面にプッシュしていたものだが、真田丸で十勇士が取り扱われなかったせいか、露出が減っているように思える。それでも、新たな九度山柿のPRキャラクターに取り上げられたようだ。



最大の変化は、真田庵の近くに開館した九度山・真田ミュージアム。結構立派な造りだ。



館内には、真田昌幸・幸村の九度山での幽閉生活だけではなく、信州・上州での戦いや、大坂冬の陣・夏の陣までもがカバーされた展示がある。NHK大河の草刈正雄や堺雅人の等身大パネルも飾られている。



九度山文化スポーツセンター。ここが「あさひなぐ」の九度山冬合宿の舞台らしい。慈尊院に行く道に面しているため、何度も通過しているところだが、今回は堂々のスタンプポイントだ。



慈尊院に続く400mの道が、「あさひなぐ」ファンにとっては聖地化しているようだ。九度山冬合宿で主人公たちがダッシュを繰り返したところらしい。静かで狭い道だけに、ちょっと迷惑なような気もするが・・・。



慈尊院。弘法大師が女人禁制の高野山から、月に9度もこの地に母親に会いに下りてきたと言われることから、九度山との地名が付いたと伝わる。土塀の門から見える多宝塔や丹生官省符神社を経て高野山丁石道に続く石段の風景がとても気に入っている。



手水鉢の水は凍っている。寒いこともあるが、古刹ならではの緊張感が漂っている。



やや場違いの感もあるが、境内の庭にもスタンプポイントと登場人物のパネルが設置されている。



女人高野とも呼ばれるところだけに、子宝、安産、授乳、乳癌平癒など願って「乳房型絵馬」の奉納祈願で有名なところだ。



最近では、この乳房型絵馬が既成品として社務所でも販売されている。立体絵馬と称したもので、2000円とは少々お高めだ。2つの乳房は、自分で絵馬に貼りつけるようになっているようだ。



慈尊院の築地塀。度重なる風雨や地震などに耐えた随分と年季が入った立派なものだ。いつものことながら見入ってしまう。



紀の川。空はドンヨリと暗く、山々も霞んでいる。パラパラと雪も舞いだした。



真田の道に「対面石」というものがある。ここの説明板を呼んでビックリ。九度山とは、弘法大師がお母さんに会うために月に九度、山を下りてきたことに由来する、というのは明治以降の作り話で、実は信仰する和泉槙尾山までこの地を通って月に九度お参りしていたことに由来するある。いずれにしても月に九度も通えるものかと疑いたくもなる・・・。



九度山町内で5ヶ所のスタンプを押印して、無事スタンプラリーは完了。



九度山の道の駅と、南海なんば駅のそれぞれで、コンプリートのクリアホルダーを頂戴する。



歩行距離は5km余り。わざわざ、和歌山県までやてきたにしては、ちょっと軽すぎる。



ということで、もうひとつ、堺で開催されているイベント「嘘八百スタンプラリー」にも立ち寄ることにする。(②に続く)