伏見五福めぐり(2018)

2018年1月2日(火) ①


明けましておめでとうございます。今年も歩き初めは恒例の伏見五福めぐり。今回で9年連続の参加となる。



毎回、スタート地点や参拝順序を変えて変化を付けているが、今回はJR藤森駅から。隣の稲荷駅では伏見稲荷に初詣に向かう乗客の大部分を吐き出したのに対して、JR藤森駅は至って静穏だ。



藤森神社の石の鳥居が出迎えてくれる。この鳥居には、もともと後水尾天皇宸筆の額が掛かっていたものを、この前を通るたびに下馬するのは面倒だと、近藤勇が外させたんだそうだ。もっとも、戊辰戦争が終わってそのままになっているということは、多くの人が面倒だと思っていたんじゃないだろうか・・・。




朝9時前に到着したせいか、初詣客を迎える準備が完了していないところも見られる。白い神馬もセッティングの真最中。ニンジンなどを運び込んでいる。



初詣客で長蛇の列が並んでいると思われた本殿だが、9時前の人出は未だ少ない。お正月にこんなにゆっくりと藤森神社で参拝できたのは初めてだ。早起きは三文の得だと実感する。



京阪墨染駅の西側にある墨染寺。5本の線が引かれた筋塀と呼ばれる築地塀がある。最近知ったことなんだけど、定規筋の線の数は皇室との関係の深さを表すそうで、5本が最高らしい。しかし、どうしたことか5本以外にはなかなかお目に掛かれない。最高位以外は、誇らしく筋塀を設けることをしないのかもしれない・・・。



いつものように、伏見インクラインや橦木町遊廓跡などを見ながら、両替町通を南下する。15丁目まである細長い両替町は、ひょっとして日本で1番大きな丁目を持つ町ではなかろうかとも思っていたのだが、札幌には42丁目というのがあるようだ。



両替町通を呑気にどんどん歩いていたため、つい行き過ぎてしまうという失態を犯しながら辿り着いた2つめの御朱印ポイント、大黒寺。やはり5本の筋塀だ。



大黒寺の近くにある伏見区役所には、京都マラソンの大きな横断幕が掲げられている。京の字が走る大会ロゴがなかなかうまいデザインだと感心する。



区役所の西向かいにある上下水道局のビルの前には、京都の水道水をアピールするための水飲みスポットが設置されている。アチコチで湧き出す名水を楽しめる伏見の真ん中に設置するとは、かなり自信があるのだろう。



「歩行者空間の明確化」ってなんだろう・・・。歩道の設置、とは違うようだが、伏見の街をより歩きやすくしてもらえるのなら4ヶ月も掛かる工事でも大歓迎だ。



想像するに、このような感じになるのだろうか・・・。酒蔵や土産物屋が並ぶ、大手筋商店街の南側は、緩やかな歩車分離が出来上がっている。



朝が早いせいもあるが、伏見の観光スポットの多くは1月3日か4日までは休業しているようで、まったく観光客の姿は見当たらない。もっとも、五福めぐりの色紙を抱えて歩いている人は、結構目に付く。



十石舟も完全にオフ状態。賑やかな伏見もいいけど、身体の芯まで冷たい空気がしみ込んでくるような正月の伏見歩きが、一番気持ちいい。



京阪中書島駅に近いため、五福めぐりではスタートポイントかゴールポイントになることが多い長建寺だが、今年は3つめの御朱印を頂戴する。



あまり歩いたことが無い、京阪・近鉄の東側を北上し、御香宮神社に向かっていると、「常盤就補處」という石碑に出会う。源義朝の側室で、義経の母、常盤御前が平家に捕らわれたところのようだ。常盤御前って色々な物語があったり、関ヶ原にお墓なんかもあったり、どうも実体が掴めない・・・。



伏見奉行所の跡。奉行所のイメージを演出するため、黒い板塀が設けられているが、板塀は短く、すぐ裏手には集合住宅が並んでいる。



御香宮神社。通常の混雑程度は藤森神社と同じくらいなんだけど、10時をかなり過ぎたせいか、初詣客の行列は結構長いものになっていた。



 最後は、先日立ち寄った明治天皇陵に近い乃木神社。



勝負の神様ということで、「勝ちま栗」などという、駄洒落感満載の縁起物(おそらく焼き栗)が大量に販売されている。この時期は特に受験応援グッズとして購入される人が多いようだ。



御朱印が無事揃いJR桃山駅に向かう。伏見には豊臣秀吉が大名たちの屋敷を集めたことに由来して、大名家の姓や官職が多くの町の名前として残っているが、そのなかで最難解と思われるのが、桃山町泰長老。泰長老とは、文禄の役で明からの国書を読み上げた、秀吉の外交僧、西笑承兌のことなんだそうだ。



その桃山町泰長老に、これまで気に留めていなかった陵墓があるのだが、あらためて見ると光明天皇陵とある。足利尊氏に担ぎ出された北朝の天皇ではないか。南朝を正統として、歴代天皇には含まれないと思っていたが、宮内庁が天皇陵として管理している。



今年の色紙。毎年同じ著名なイラストレーターの作だが、ますますポップな感じになってきた。もっと古風な絵柄の方が有難みがあるようにも思うのだが、これも時代の流れってやつかもしれない。



コンプリートのご褒美として犬の土鈴を頂戴する。全ての干支の土鈴を揃えるためにも、あと3年は何としても続けたいものだ。



 歩行軌跡。約8km。2時間ほどのウォーキングを完了したのが11時。



まだ時間もあるので、芦屋まで移動して、芦屋六社巡りにも行くことにしよう。(②に続く)