冬の赤目四十八滝

2018年2月18日(日) ②


名張でひと歩きした後、赤目四十八滝に向かう。AKB48が世に出てきた際に、AKAME48との類似性を感じたものだが、テレビなどでも誰もそれに触れる人を見かけなかった。赤目四十八滝がそれほどマイナーとは思えないのだが・・・。



近鉄赤目口に到着。滝に向かうバスに乗るための行列を収容する長~い待合がある。しかし冬はオフシーズンなのか、バスの本数も少なく、他にバスを待つ人はいない・・・。


 バスに乗ること10分ほどで赤目滝に到着。驚いたことに川が凍結している。ということは、この上流にある滝も凍っているのかぁ?それとも氷の下を川の水は流れているのだろうか。気温は高いが、昨日の三峰山登山の装備があるので、多少凍っていようが、雪が積もっていようが、大丈夫のはずだ。



  冬季のせいだろうか、ビジターセンターでは滝巡りより、忍者体験の方をウリにしているようだ。赤目滝は伊賀忍者が修行したところと伝わるが、体験用に用意された色とりどりの忍者衣装を見れば、かつての忍者たちはビックリするだろう。



トイレのサインも忍者。



滝の入口は「日本サンショウウオセンター」になっている。入場料が400円。滝や道を整備するための費用だと思えば、高いものではない。



 サンショウウオの見学は後回しにして、早速滝道に入る。入口には赤目牛の石像がある。地名の由来となった赤い目をした牛だ。



赤目五瀑と呼ばれるメジャーな滝が5つある。そのひとつ不動滝がまず現れる。なかなかの迫力だ。滝の周囲が凍っている。昨日の三峰山登山、そして早朝の名張散策で、結構疲れているはずなんだけど、滝のパワーが体に染み込んでいるのか、元気いっぱいだ。



明治の中ごろまでは、この不動滝の奥には立入が許されていなかったそうだ。今は川に沿ってしっかりとした遊歩道が出来上がっていて、両岸ともに見上げるほどの渓谷の中を歩いて行くことができる。



実は赤目四十八滝にやってきた主目的は赤目五瀑ではなく、マイナーな大日滝を見に行くことなのだ。情報によると、この冬の寒さで完全氷瀑となっているらしい。もっとも大日滝に行くのは容易ではなく、川を渡渉して、ロープが張られた急坂を100m近くよじ登っていかなければならない。



喘ぎ喘ぎ坂をよじ登っていき、ついに大日滝にご対面。わずかに水が流れているところもあるが、高さ30mの完全氷瀑といっていいだろう。見事なものだ。



遠目に全体を見ても見事だが、近寄って部分的に見ても美しい。瞬時に凍結したわけではなかろうが、そう見えてしまうほど、あるところでは流れるように、またあるところでは撥ねるように、水の動きそのままに氷結している。



大日滝だけでもう十分満足したのだが、帰りのバスまで時間があるし、体力的にも余裕があるので、さらに上流を目指して歩いていく。千手滝だ。水の流れが、岩にぶつかりながら、何本もの水流に分かれて落水していく。



3月から11月の間、「赤目滝ではスタンプラリーが開催されていたようだ。期間外なのだが、スタンプ置き場は常設のしっかりしたものがあり、台紙もスタンプもある。何ももらえないことは判っているが、スタンプがあると滝を巡るモチベーションアップに繋がるものだ。



滝を巡る、というのは、あまり適当な言い方ではない。ひとつの川に何十もの滝が直列に連なっているわけだから、川の上流に向かってどんどんんと坂を登っていかなければならない。階段も整備されていて危険は無いのだが、鉄の手摺がやけに冷たい。



柱状摂理というのだろうか。川の両岸には四角い岩が積み重なるように立っている。



布曳滝。千手滝とは対照的に、一条の布を掛けたような細い滝だ。



同じ川なんだから、どの滝も水量は基本的に変わらないはずで、滝の幅は細いだけに水流は速い。これほどの水流のジェットスライダーはどこのプールにもあるまい。



百畳岩。川にゴロゴロと岩がある。岩に半ば閉ざされた水域は氷結していて、子供たちがスケートのマネなどして遊んでいる。冬季オリンピックに触発されたのかもしれない。



よく見ると川の両岸の巨大な岩は、地表から浮いているところが見られる。ということは、隆起してきたのではなく、上から落ちてきたのだろうか。川の中にある岩もそうなのかもしれない。



道端にある、滝とまでは言えない水流も見事に凍って氷柱となっている。容易に割れそうに見えるのだが、とても固くて分厚くて、叩こうが蹴ろうがビクともしない。



 ところによっては、道を塞ぐように水流が凍結している。上流に進むにつれて、道も凍結しているところが増えてきた。



荷担滝。「にない」の滝と読むらしい。パンフレットには渓谷髄一の景観と紹介されている。周囲には三脚を立てて撮影するカメラマンが何人もいた。



この程度の落差の滝でも名前がついている。階段滝だ。そもそも赤目四十八滝というが、48あるのではないようだ。48は「たくさん」との意味らしい。その点AKB48にも通じるところがある。



琵琶滝。赤目五瀑最後の滝だ。さらに進むと岩窟滝というのがあるようだが、道の氷結がひどくなってきたし、帰りのバスのこともあり、ここでUターンする。


来た道をそのまま歩いて帰りバス停へ。さすがに帰路は基本的に下り坂なので楽ちんだ。滅多に乗ることのない三重交通バスで再び赤目口駅に戻る。



滝まいりスタンプラリー。5つ目のスタンプは、滝入口付近の売店でもらえるようだが、この季節、売店はほとんど店仕舞いしている。



本日の歩行軌跡。全く同じ道を行って帰ってきたのに、微妙に線がずれている。渓谷のなかということでGPSが届きにくかったのかもしれない。



人も適度に少なく、ヒンヤリ感は厳しいものの、そのおかげで爽快に歩けた。氷瀑も見事で言うこと無し。他の滝にもいっぱい元気をもらえた。冬の赤目四十八滝、お勧めのスポットだ。

昨日の三峰山登山に続いて、今日は名張で10km、赤目で10km、計20km歩いて、さすがに疲れたけれど、心地よい疲れだ。先週の三峰山登山翌日は疲労でフラフラだったのに、今週末はよくやったと自画自賛してしまう。