コロンバス(オハイオ州)散策

2018年3月7日(水)


オハイオ州のコロンバスを訪問する。MLBやNFLのチームが無いせいか、オハイオ州のなかでも、シンシナティやクリーブランドに比べて知名度が低いように思えるが、人口はオハイオ州1位、全米でも20位台の大都市だ。でも、コロンバスって、何があるんだろう・・・?



仕事を終えた翌日、空港内のホテルに荷物を預け、フライトまでの空き時間を利用したコロンバス探索に出掛けることにする。 星条旗の両脇に、珍しい凧型?のオハイオ州旗とコロンバス市旗が翻っている。



まず、空港を抜けるまでが大変。歩行者のことを全く考慮していない道が、滑走路に沿って延々と続いている。そもそも、ここを歩いていいんだろうか、と心配になってくる。



歩道は無いし、交差点には横断歩道も信号も無い。ビュンビュン走る車が途切れるのを待ち、ダッシュで道を渡らなければならない。



1時間近くも歩いて、ようやく空港エリアから脱出したが、相変わらず殺風景な雰囲気が続く。ダウンタウンまでは12kmほど。3時間も歩けば行着くはずなんだけど、大丈夫なんだろうか・・・。



水さえ持たず歩いてきたが、自販機も食料品店にも出会わない。ようやく出てきたのは、80年代の映画にでも出てきそうなバー。



厄介なことに、酷い吹雪になってきた。昨日は快晴でポカポカ陽気だったのが嘘のようだ。気温も10度以上下がっているようだ。



歩き始めて2時間ほどで、ようやく郊外の町らしくなってきた。道にも歩道があるのが嬉しい。



鉄道の高架を、タンクローリーなどを長々と連結した貨車が通過していく。橋桁にはNorfolk & Western Railwayと書かれているが、40年ほど前に合併して、今はNorfolk Southern Railwayだ。かつてバージニア州からシカゴやセントルイスまでをカバーしていた歴史ある大鉄道会社に愛着と誇りを持ち続けているのかと思う。



フランクリン植物園。コロンバス名所のひとつのようだ。温室に放たれている蝶がキレイらしい。かつて橿原市の昆虫館で温室内を舞う無数の蝶を見て感動したこともあって、立ち寄ろうかとも思ったが、時間が無い・・・。



日本庭園「らしき」ものも見られる。が、灯籠の形は、日本のものとはちょっと違うように思える。



バス停には停留所名が無い。ここは2478番バス停だ。10番のバスが来るようだ。10番がどこに行くのか、何時に来るのかなどの情報は何も無い・・・。



ネコヤナギだろうか。日本のものと同じように、フワフワした白い毛を密生させた花穂が現れている。コロンバスの春も間近ということだろう。



予定どおり3時間近く歩いて、ようやくダウンタウンに入る。美術館などより、ハンバーガーのWENDY'Sの1号店跡に記念碑が建てられているのが面白く感じられる。



ダウンタウンの中心部はさほど大きなものではない。20~30階建のビルが何本も立っているが、その多くは金融関連の会社のものだ。ここまで来て、急に晴天になった。天気の移り変わりの激しさには驚かされる。



ザ・20世紀という感じのネオン広告を屋上に載せたビルが見られる。新聞社の看板だ。地震の心配はないのだろうが、強風で飛ばないのか、とても不思議だ。



オハイオ州議事堂。これまで見た州議事堂は、ニューヨーク州(アルバニー)と、テキサス州(オースチン)、ジョージア州(アトランタ)くらいだが、どこも観光名所になっている。ここにも多数の観光客が訪れていた。



議事堂の裏庭には、州の印章(SEAL)がある。WITH GOD ALL THINGS ARE POSSIBLE、神に不可能は無い、とある。聖書の一文のようだが、キリスト教に疎い者にとっては、何故この文章がSEALに用いられているのかがピンとこない。



コロンブス像。コロンバスの町名はコロンブスに由来している。「冒険精神は人類の歴史を変える力を持っている」と碑の説明にある。コロンバスも、歴史を変える町になろう、ということなんだろう。それにしても、同じスペルなのに、コロンバスとコロンブスと、異なる表記を日本では用いているのが不思議だ。最近ではリンカーンもリンカンと表記する歴史教科書が増えてきたりで、混乱させられる。



海も無いコロンバスだが、コロンブスに因んでか、マンホールのデザインにも船が描かれている。



コロンバスシアター。An American in Paris(パリのアメリカ人)が上演中だった。                                                     



ダウンタウンの西側を流れるサイオト川。ここからオハイオ川を経て、ミシシッピ川に流れ込む。橋の上から見渡すダウンタウンはなかなかいい感じだ。



橋の欄干に前脚を載せて、川面を見つめる鹿の像がある。この地に伝わる民話か童話に因むものなのかもしれない。とても気になるが、何の説明板もない。川の向こうの建物が、全米でも随一とコロンバスが誇る科学・産業教育施設(Center of Science & Industry)だ。



Center of Science & Industryのなかは、社会見学と思しき子供たちで大賑わい。この近くに工場を持つホンダが、自動車関連の立派な展示を受け持っていた。



本日の歩行軌跡(15km)。空港からダウンタウンまでの片道ウォーキングで時間切れ。



大したものは無かろうと期待は低かったが、歩いてい見るといろいろと面白いものに出会うものだ。ダウンタウンをしばらくウロウロした後、UBERで空港まで戻る。