博多でウォーキング

2018年3月24日(土)


福岡市に出掛けた機会に、博多のウォーキングを楽しむこととする。荷物を博多駅のコインロッカーに預け、地下鉄で藤崎駅へ。この地をスタートポイントに選んだ理由は「元寇の防塁」と「サザエさん通り」があること。早速、駅前にある早良区役所にサザエさんの記念撮影コーナーを発見し、テンションがあがる。



これがサザエさん通り。原作者の長谷川町子が少女時代を過ごしたこの地の海岸を散歩しながら、「サザエさん」の登場人物(サザエ、カツオ、ワカメなど)の名前を発案したそうだ。正面に聳えるのが高さ234mの福岡タワーだ。



福岡タワーは正三角形の鏡張り構造。基本的に電波塔だということだが、真下から見上げると結構太い塔に見える。



百道の海岸には、サザエさんたちの像とともに、長谷川町子が、この地に生まれ、その後お父さんを亡くし、14歳で上京するまでの話が漫画風に描かれている。驚いたことに、その翌年15歳で漫画家としてのデビューを果たしている。



シーサイドももち海浜公園。美しい人工砂浜が広がる。ここまで来て、サザエさんに気を取られて元寇の防塁跡を見損ねたことに気付くが、先に進む。



福岡ヤフオクドーム。壁が茶色で、意外にも落ち着きのある外観だ。もっともドームのデッキには、様々なモニュメントやらオブジェが立ち並んでいる。



ドームを取り囲むように著名人の「手形」がある。本人の手から型を取り、握手ができるようになっている。マイケルジャクソンやら勝新太郎やら故人が多く、見ようによっては、ちょっと恐ろしげなモニュメントと思っていたのだが、そのなかに同じ誕生日の大原麗子の華奢な右手を発見。握手できてちょっと嬉しい。



王貞治ベースボールミュージアム。おそらく展示の大半は巨人時代のものだろうが、そんなことは関係ない。今や王貞治は福岡の宝になっている。



ヤフオクドームの裏手から入ったものだから、全景を撮影するのが最後になってしまった。



ヤフオクドームから10分ほど歩いて唐人町へ。大陸からの船がやってきたところのようだ。実はこの地は、ヤクルト創業の地なんだそうで、記念碑がどこかにあるらしいが、事前調査を怠ったため発見できなかった・・・。



大濠公園。福岡城の外濠ともなっていたという巨大な池があり、真ん中を突っ切るように橋が架けられている。今では水鳥が集うなかでボート遊びに興じることができる都会のオアシスになっている。



大濠公園の東南、福岡市美術館の傍に、この地に生まれた元総理大臣、廣田弘毅の像がある。極東軍事裁判では、文官で唯一極刑に処せられた。何ともやるせない気持ちになってしまう。



福岡城跡。五十万石超の黒田氏の居城だったが、今は天守閣もなく、ちょっとさびしい。復元しようにも図面も絵もなく、そもそも天守閣は初めから無かったという説さえあるようだ。



天守閣はともかく、立派な石垣は残されていて、まさに桜が満開。大勢の人が桜の前で写真を撮るごく僅かな隙にシャッターを押す。人が入り込んでいない奇跡的なショットが撮れた。



天守台まで登る。石垣に囲まれて天守台にあった建物の礎石が見られる。この礎石の上にあったのは、どのような建物だったのだろうか。



天守台の上から大濠公園を振り返る。大きな池が立派な外濠になっていることが良く判る。



かつて西鉄ライオンズが本拠地とした平和台球場跡。西鉄がこの地を去り西武となって埼玉県所沢に移転してから既に40年近くが経つ。、



平和台球場のあたりには、ライオンズ移転後の発掘調査により、平安時代の外交・貿易の拠点となった鴻臚館があったことが判明した。このあたりは、福岡城跡であり、かつ鴻臚館跡、と二重史跡になっている。



大名警察官連絡所。大名火消は聞いたことがあるが、大名警察とは・・・。どうやら、福岡城にほど近いこのあたりは大名町というところのようで、大名級の重臣の屋敷が並んでいたそうだ。



西鉄天神駅。開幕を間近に控え、ソフトバンクホークス一色になっている。西鉄には、たぶん未だ乗ったことがないが、いつか乗ってみたいものだ。



福岡市の中心、天神には大きなビルが林立している。そんななかで、ここでも桜が満開を迎えている。



那賀川を渡って中州に入る。この那珂川の西が武士の町・福岡、東が商人の町・博多だという。市名を決めるにあたって、福岡市が博多市を上回ること僅か1票だったという。その代りといってはなんだが、JR駅名は博多駅だ。何とも複雑で微妙な関係だ。



中州の繁華街でも桜が満開になっていた。



博多の総鎮守と呼ばれる櫛田神社。博多祇園山笠などの祭事でも有名なところだ。境内には飾り山が展示されている。



境内にある「櫛田の銀杏」と呼ばれる樹齢約1000年の銀杏も立派だが、目を引いたのは弘安の役の際、元の軍船が碇として用いたと伝わる長さ2mあまりの石。ここまで来て、ようやく元寇の遺物に巡り合えた。



ふるさと館。3棟の古い町屋を転用して、博多商人の町に関する資料館や土産物屋になっている。館内では博多織の実演なども行われていた。



博多千年門。博多の寺社地区のウェルカムゲートとして最近建設されたものなんだそうだ。唐から戻った空海が最初に開山したという東長寺にある福岡大仏なども興味があったが、時間の関係で今回はパス。



あちこち歩いて、予定時間をかなりオーバーして博多駅に戻ってきた。



歩行軌跡。約16km。



さすがに大都市福岡。半日で歩き回り切れるはずもないが、事前調査不足のため、いくつもの見どころを見逃してしまった。いずれ再訪したいところだ。