高取山&湊川隧道【六甲山系】

 2025年11月8日


これまで当選しなかった湊川隧道の通り抜けにようやく参加できることとなった。でもその前に、「神戸の山に出掛けようスタンプラリー」のスタンプ収集のために、高取山にちょっくら登ることにする。南側の参道ではなく、西側の妙法寺側から登ることにする。



六甲全山縦走路にもなっている妙法寺からの登山道は、表参道側と比べるとかなりハード。かつては東西の山々とも繋がっていたものが住宅開発によ孤立・分断された高取山だけど、露出した岩の多い急峻な道は六甲山系の一員なのだとアピールしているようだ。



頂上の高取神社の手前で、スズメバチの巣を駆除している方々に遭遇。既に活動時期は終わっていそうなものだけど、11月になっても登山道に飛び交うスズメバチに困っているようだ。駆除されたスズメバチの巣房がミツバチなどに比べて随分と大きいことに驚かされる。



高取山(328m)。いつものことながら、山頂から見渡す神戸の街並みは美しい。大阪湾の向こうまでも見通せる。でもここに設置されている望遠鏡にある「大和・三輪山を越えて伊勢の神宮」という説明は、まさか…と思っちゃう。お金入れて確かめた訳でもないけど…。



高取神社。境内には高取山の由来として、大洪水の際にタコが山上に絡まっていたからタコ取り山と呼ばれたとか、神功皇后が岩を撫でたら高い山になったとか、滑稽とさえ思えるような説明があるけれど、これまた、まさか…と思ってしまう。



高取神社から下山。多くが舗装された表参道なので、気楽に下り始めたけれど、右膝に痛みを感じる。厄介なことだ。以前整形外科を受診したところ、全然問題ない、と気休めのような痛み止めを処方されたけど、もう一度受診してみるべきだろうか…。



高取山には10ほどもの茶屋がかつてあったと聞くけれど、どんどん減ってきているようだ。月見茶屋は休業中で新オーナーを募集しているようだ。オーナーは居なくとも、猫たちはベンチで寛いでいる。誰かが餌などの世話をしているようだ。



高取山も少しずつ紅葉が進んできている。下りになると急に肌寒く感じられ、登りのときに脱いだジャケットを再び着込む。



昨年3つあった高取山のスタンプポイントが2つに減っている。安井茶屋と中の茶屋ではスタンプをゲットしたものの、清水茶屋は閉店中。スタンプポイントにもなってない。湊川隧道見学まで時間があるので、絶品のおでん(特に厚揚げ!)を食べるつもりだったのに…。



清水茶屋で厚揚げを食べて時間調整をするつもりが、アテが外れ、湊川隧道通り抜けの集合時刻までの時間を持て余す。ゆっくりと下山し、七五三で賑わう長田神社をブラブラと散策し、100円ショップやスーパーなどを見て回る。



1時間近くアチコチで時間を潰して、ようやく湊川隧道の通り抜けだ。年に一度、土木の日の前後に通り抜けイベントが開催されているのだが、今年初めて当選した。土木の日って、11月18日。漢数字の十一と十八が組み合わせると「土木」になるということらしい。



新湊川の川辺をさかのぼっていく。神戸港の土砂堆積や水害を防ぐため、湊川を付け替え、会下山を貫通する隧道建設が進められ、新湊川を開削したのが明治34年。五本松・烏原の両貯水池や兵庫運河とともに明治30年代の神戸は巨大インフラ工事を一気に推し進めている。



隧道の出口。下流側なので吐口と呼ぶらしい。アーチ型の立派な煉瓦造りだけれど、阪神大震災で壊滅したものを再建したもののようだ。



隧道の内部へと入っていく。ドキドキするぞ。ここは阪神大震災の後に従来の湊川隧道の能力増強のために造られた新湊川隧道となる。地下鉄が何本も通せそうな広さだ。



新湊川隧道が完成し、旧の湊川隧道の役割が無くなってしまった訳だけど、コンサートを開いたり、日本酒の保管に使われたり、せっかくの施設を有効に使っていこうとの取り組みがされているようだ。



さあ、いよいよ湊川隧道の中を通り抜ける。新トンネルに比べると小ぶりではあるけれど、何百万もの煉瓦を組み合わせて造られたアーチ型のトンネルは完成から120年以上経った今でも十分に頑強そうであり、むしろ荘厳な雰囲気を漂わせている。



通り抜けのために適所に照明が配置されているものの内部は薄暗い。下部には水が溜まっていて、カーブ状の路面を注意深く歩く必要があり、片足だけが疲れてくる。もっといい写真を撮れそうなところなんだけど、スマホカメラの詳細の設定方法が判らないのが残念だ。



トンネル内を歩いたのは、おそらく1㎞弱だと思うけれど、多数の人込みのなか、偏った路面を歩くのは結構疲れるものだ。ようやく出口の明かりが見えてきたが、そうなるとむしろトンネルを出るのが惜しくなってきて、壁面の展示をゆっくりと読みこんでしまう。



会下山公園の端にある隧道の出口。会下山の真下を通過したはずなのに、YAMAPでは登頂認定されていなかった。



記念品として戴いたのが、近隣の商店街のお買物券とトンネルカード。マンホールカードとかダムカードとか、近年様々なものが発行されているのは知ってはいたけれど、トンネルカードは初めてだ。カードブームといえ、ちょっと多すぎやしないか?



隧道の通り抜けを終え、烏原貯水池の手前にある天王茶屋にスタンプを取りに行く。登山コース上になく、他のスタンプポイントからも離れているだけに、この機会に取りに行くしかない。昨年に続いて2度目の訪問だけど、住宅街とはいえ、ここの上り坂は半端ではない。



天王茶屋。酵素玄米など健康的なメニューが並び、リーズナブルな価格なんだけれど、他の茶屋と違って内部が窺えず、敷居が高く感じる。



本日3つめのスタンプゲット。でもまだ達成率45%。モチベーションが上がらないまま始めたスタンプラリーだったけど、もはややるしかない。



石井町バス停への道。来た道とは違う道で、と考えて選んだ道が、なかなか怖ろしい道。痛む膝を庇いながら、とんでもなく急な階段をビクビクしながら下っていく。



距離9.2㎞、獲得標高380m、所要時間4時間40分。





布引滝~再度公園~大師道 【六甲山系】

2025年11月6日


昨年大好評を博し、台紙も記念品も早々に払底してしまった「神戸の山にでかけようスタンプラリー」が今年も開催中。昨年とほぼ同じスタンプポイントのため、コンプリートに向けてのモチベーションはあまり盛り上がらないけど、まあちょっと歩いてみよう。



スタンプポイントは20ケ所。コンプリートのためには何日もかかるけど、今年はもうひとつのゴールがある。茶屋5ヶ所で各500円以上の飲食をすれば、抽選会に参加できるらしい。それくらいなら一日でコンプリートできそう…と思いながら、スタート地点の新神戸駅へ。



まずは新神戸駅構内にあるトレイルステーション神戸へ。六甲山の情報提供ばかりか、どれほどの利用者がいるのかわからないけど、靴やリュックなどのレンタルもしている。ここで台紙をゲットし、ひとつ目のスタンプをゲット。



新神戸駅を出て10分ほども歩けば、布引の滝(雌滝)。小ぶりとはいえ、新幹線駅からすぐと思えば大した光景だ。ジェンダー平等の思想が進んで、雄滝・雌滝、男坂・女坂といった名称は無くなるのでは?と恐れていたけど、今のところ、そのような動きは聞かない。



雌滝から雄滝へは急な階段を登っていかねばならない。ピークハントを含まない今日のコースでは最大の難所と言ってもいいかもしれない。案の定、すぐに息が切れてくる。



雄滝。空も晴れて、水量もいい感じだ。平日とはいえ、結構な数の人がここまで登ってくるけれど、その半数くらいは外国の方だ。阿蘇でもそうだったけど、特に欧州の方が目立つ。



布引の滝の近くにある「おんたき茶屋」。なんといきなり閉店している。木曜日が定休日だったのだ。取り敢えずスタンプはゲットしたものの、スタンプ台紙は既に払底していた。今年もかなりの人気のようだ。



布引滝の北にあるお堂が少し気になって寄り道したところ、凄い数のヤマガラがいて、人を怖れる様子もない。あまり知られていない野鳥スポットの発見に興奮し、より良い写真を撮り、出来れば餌付けしたいものだと粘ったけど、逆に警戒されて近づいてこなくなった。



振り返れば、神戸の街並みがとても美しく広がっている。まだ標高150mほどでしかないけれど、布引の滝と併せて、短時間でかなりの充実感を味わえる。



布引ダムとも呼ばれる五本松貯水池へと向かう。ダムの水量が多いときにだけ現れる「隠し滝」が今日は盛んに水を放流している。



いつの間にか樹々の色づき、秋らしくなってきた。山歩きには最高のシーズンなんだけど、遠出するにはクマが気になるし、それに右膝の調子がやはり良くない。この秋は六甲山あたりをウロウロするしかないのだろうか。



五本松貯水地。神戸の水瓶と呼ぶべき存在だ。イギリス人の技術者に助けられて125年前に完成したという。日本の大都市でこれほど近くに、これほど大きな貯水池を有しているところは、他にあるのだろうか。



五本松貯水池からさらに登って市ケ原にやってきた。摩耶山と高雄山や再度山の鞍部となるところで、ハイカーが行き交う六甲山の要所となるため、いくつもの茶屋があったところだけど、今では2軒になってしまった。こちらは紅葉茶屋。



紅葉茶屋に続き、日曜日しか開業していない桜茶屋でもスタンプゲット。外国人のハイカーもスタンプを集めているようだ。



小さな木橋で川を渡る。上流に向かえばトゥエンティクロス、下流は布引滝を経て生田川へと続く。



大龍寺。道鏡の天皇即位を阻止した和気清麻呂が建立したと伝わる。その後、空海も参詣したという。その後、空海が再び参詣したので、この辺りの山は再度山と呼ばれるようになったと聞く。



再度公園。修法ヶ原池の周りのモミジはかなり紅葉が進んでいる。池の畔には今年新たにスタンプポイントとなったRe-encounterというカフェがある。他のスタンプが湯呑の絵柄なのに対して、ここのスタンプはコーヒーカップになっている。



大師道を下山。名前から想像するに、空海が大龍寺に参詣した道なのだろう。簡易舗装されたところも多く、比較的歩きやすい道だと思っていたけど、結構段差の深い下り坂もあって、右膝がさらに痛くなってきた。



猩々池の近くに最近できた「ふたたびキャビン」。ハイカーの休憩用に造られたものらしいけど、トイレが無いのが残念。この種のキャビンは、ここと衝原湖の2ヶ所にあるんだけど、どうしてその2ヶ所なんだろうか。それほどハイカーの数が多くはないところなのだ。



とはいえ、早朝にはかなりの登山者がいるのかもしれない。毎日登山発祥の地なのだ。道のアチコチには箒や塵取りが設置され、有志の方々が道の清掃に勤しんでおられるようで、頭が下がることだ。



が、この道の問題は、あまりに多い廃屋。有志による清掃活動で対応できるものではない。10年も20年も放置されたままと思える廃屋(もはや家屋の姿さえとどめていないものも多い)を何とか撤去できないものだろうか。



大龍寺に向かう参道にもなっている大師道。お地蔵様が彫られた丁石が立っている。ゴールに向かって一丁、二丁…と数字が増えるところと、逆にゴールの寺院に向けてロケットの発射の如くカウントダウンしているところもあって興味深い。ここはカウントダウン型だ。



本日最後のスタンプポイント、稲荷茶屋。茶屋と道を挟んで、バーベキュー場があり、パターゴルフや釣りも楽しめるようになっている。



諏訪山に下山。今日の収穫はスタンプ6つ。全20個のうちの3割だけど、これが最も簡単にスタンプを集めることができるコース。スタンプコンプリートのためには、更に数日は厄介な山道を歩かねばならない。さてどうしたものか…。



距離9.4㎞、獲得標高640m、所要時間4時間。