ロンドン散策

2017年5月14日(日)


約半月の海外出張のなか、ロンドンにやってきた。体はキツイけど、素晴らしい好天。ホテルに荷物を預け、時間と体力の許す限りで、約15年振りのロンドンを歩き回る。何かイベントでもあるのだろうか、ハイドパークの傍で、ダークスーツに勲章を胸にいくつも付けて、シルクハットに蝙蝠傘という、絵に描いたような英国紳士の団体と遭遇する。



ロンドン市内には、ハイドパークを始め、自然豊かな大規模な公園がいくつもある。バッキンガム宮殿に隣接するグリーンパークもそのひとつ。暖かい日射しのなか、ピクニックや日光浴を楽しんでいる。



バッキンガム宮殿前の広場は大変な賑わい。世界中の人たちが観光に訪れているようだ。



バッキンガム宮殿からセントジェームズパークの中を通り、英国中枢機関が集中しているウェストミンスター方面に向かって歩く。路上にはダイアナ妃メモリアルウォークと書かれた銘板が嵌め込まれている。後に調べてみると、ダイアナ妃に所縁のあるエリアを巡る11kmのウォーキングコースが設定されているようだ。



セントジェームズパーク。これまた広大な公園のなかに、古いイングランドの風景が残されている。



公園には池も多く、鴨や白鳥などがノンビリと羽を休めている。リスもあちらこちらに現れる。警戒心もあまりないようで、これほど容易にリスの写真を撮ったのは初めてのことだ。



スペインの無敵艦隊を破った海戦を記念して造られたトラファルガー広場。ロンドン有数の観光地であるとともに、動物虐待に反対する集会なども行われていて、大勢の人が集まっている。2人の騎馬警官が周囲をパトロールしている。



ホースガーズ。乗馬した騎兵が門衛をしている。大勢の観光客に囲まれつつも、馬も衛兵もピクリとも動かない。蹴ったり噛みついたりするかもしれない、との注意書があるが、大胆にも馬に触れながら記念写真を撮る人達が後を絶たない。



地下鉄のウェストミンスターストリート駅の標識の向こうに、ウェストミンスター寺院が聳える。以前訪れた際には、大規模で威風あるゴシック建築と、内部の荘厳な雰囲気に圧倒されたが、日曜日はミサが行われているはずなので素通りする。



国会議事堂に使用されているウェストミンスター宮殿。テムズ川の畔にビッグベンが聳え立つ、ロンドンを代表する風景だ。それにしてもテムズ川って、どうしてこうも茶色いんだろうか。



テムズ川を渡って、ミレニアム記念で作られたロンドンアイ方面に向かう。人力車も多数停車し、ビッグベンより、ロンドンアイにカメラを向ける人の方が多いように感じる。今やロンドンの主役の座は交代したのかもしれない。



どこに行っても観光客が多く、ロンドンが大ビジネス街であるとともに大観光地であることを痛感する。しかし、偶然見つけたナイチンゲール記念館のように、あまり観光客の姿が見られない穴場スポットも多くありそうだ。



二階建てのバスや、車高の高いブラックキャブが決して広くはない道路を行き交う。ニューヨークもそうだが、日本の首都高速や阪神高速のような都市高速道路が無いだけに、道路は総じて混雑がひどい。



ロンドンを代表するターミナル駅のひとつ、ウォータールー駅に立ち寄る。欧州の大概の駅では切符は車内で検札するため、ホームまで進入できたのものだが、いつの間にやら、自動改札が導入されている。鉄道ターミナル駅は、海外での一人歩きで、トイレや食事など、とても重宝する。



ロンドンは、コミュニティレンタサイクルが広く普及しているところ。町のあちらこちらに駐輪施設が設置されている。それにしても、どうして、サドルが極端に高いもの、極端に低いものばかりあるのだろうか。



テムズ川に沿った遊歩道を北に進む。右の建物は国立劇場。稀に見る晴天のせいか、観光客も地元の人も、のんびりとウォーキングを楽しんでいる。



テムズ川には砂浜のようなものもあって、何やら砂のアートを作っている人たちがいる。写真はいいけどカンパしてね、と書かれたボードの横に置かれているバケツめがけて。堤防の上から皆がコインを投げ入れている。



シャボン玉のパフォーマンスに興じる子供たち。かつてはテムズ川の東南部は、あまり雰囲気のいい感じではなかったが、いつの間にやら様変わりしている。



路上ミュージシャンも多数。なかなか路上ではお目に掛かれそうにないハープ奏者まで見られる。



2000年に造られた、テムズ川を渡る歩道橋。通称ミレニアムブリッジ。正面にはセントポール大聖堂が見える。しかし未だ体力も十分残っているので、橋を途中でUターンして、さらにロンドンブリッジまで歩くことにする。



かつては木造中心だったと言われるロンドンだが、17世紀の大火災で町の大半が焼失したそうだ。以降、木造建築が禁止され、石造りの建造物ばかりになった訳だが、路地の狭さは、当時と変わらないようだ。



ロンドンブリッジ。「ロンドン橋落ちた」の民謡が流れている。ローマ帝国がイングランドを支配した際に造られた、もとはロンドン市内でテムズ川に架かる橋だったそうだが、その後何度となく崩壊・流失を繰り返したが、今や頑強なコンクリート橋になっている。当然のこととはいえ、何だかガッカリ感もある。



ロンドンブリッジから、ロンドン塔に付随した跳ね橋・タワーブリッジが見える。その手前には軽巡洋艦ベルファスト号が停泊している。随分以前に退役し、今は博物館のようになっているらしい。



タワーブリッジの横にあるロンドン塔にやってきた。塔というより、城の方が相応しく感じる。ロンドンを外敵から守るための要塞として11世紀に建造されたものだ。内部を見学したいとも思ったが、あまり時間もないので、外周から観察するに留めた。



セントポール大聖堂。日曜だが、多くの観光客が訪れている。ロンドンを代表する大寺院だが、ここも素通り。ロンドンだけにドンドン歩ける、なんて思いながら、ここまで元気に歩いてきたが、時間もなく、米国、英国と長期にわたる出張疲れが出てきたようだ。



大英博物館。広大な博物館の中を見て回る元気はないが、入館無料でもあり、トイレ休憩と、軽い食事を取るべく入館。英国が海外から分捕ってきたものを展示しているだけに、入場料を取る訳にはいかない、とも聞くが、実のところどうなんだろうか。



大英博物館を出ると、それまでの晴天が嘘のような降雨。傘もないまま、ピカデリーサーカスを通って、ハイドパーク近くのホテルに戻る。

歩行距離21km、休憩込みで6時間ほどのウォーキングだったが、ロンドン市内のかなりの名所を見て回ることができた。もっとも、その大半は素通りだが・・・。



(おまけ)
後日、現地の方に連れて行ってもらったストーンヘンジ。今から4000~5000年も前に造られたものらしい。この巨岩は、300kmも離れたウェールズ地方から陸送してきたらしく、これまた驚異的としか言いようがない。



バースにあるローマ人が造ったという温泉浴場。BATHの語源ともなったところだ。暖かいローマから、寒いイングランドまで侵入してきたローマ人にとって、温泉は何よりの慰めになったように感じる。



う~ん、仕事で来ているのだが、帰国後こうして書いていると、呑気な観光旅行にしか見えないのが、ちょっと寂しい・・・。