ワシントンDC散策

2015年8月5日(水) 現地時間


いよいよ忙中閑歩日記も海外進出だ。9日間の米国滞在中の高カロリー攻撃にどれほど抗えるのかは疑問だが、多少なりとも暇を見つけて歩き回ることにしたい。

成田から12時間余りかけて、ワシントンDCに到着したのは現地時間の正午前。ちょうど眠くなって来た頃だ。ホテルで早々に一休みしたいところだが、ここは頑張ってワシントンDC探索ウォーキングで、時差と機内でのカロリーオーバーの解消を目指すことにする。



なんと海外は8年ぶり、米国は10年以上ぶりとなる。空港の出国審査からタクシーの雰囲気まで、すっかり変わってしまって、ドギマギの連続。ワシントンDCは、30年近く前、滞米中の休暇で1週間ほど過ごしたこともあって比較的土地勘はあるとはいえ、徒歩での距離感は掴めない。何km歩くことになるのか不明だが、首都ワシントンの名所を巡ってみることにする。

ワシントンDCは、50州の枠外にある特別区になるため、グアムとかサモアと同様、議決権のある連邦議会議員がいない。おかしな話とは思っていたが、最近になって、「代表なくして課税なし」と書かれた自動車のナンバープレートなどで、州昇格への運動が強まっていると聞く。




歩行者信号の下に、秒数表示がある。大阪梅田にある有名な信号は、あと何秒で青に変わる(ので、もうしばらく待て)というもので、こちらのものは、あと何秒で赤に変わる(ので、ゆっくり歩け、ありは、急げ)との注意喚起になっている。似て非なるものだ。



国立科学アカデミーの前に、突如見覚えのある風貌の巨大な銅像が現れた。アインシュタイン博士像だ。子供たちが、順々に博士の膝の上に乗り、記念写真を撮っている。博士が手にしているノートには、相対性理論の公式が書かれていた。



ワシントンDCを東西に貫く、ナショナルモール。国会議事堂やスミソニアンの博物館群が豊かな水と緑の中に並んでいる。その西端にあるのがリンカーン記念館。夏のバカンスで世界中から観光客が押しかけているようだ。まさに世界的名所だ。



記念館の奥にある、リンカーン像。



リンカーン記念館から、ナショナルモール全体を望む。中央に聳えるワシントン記念塔までで、モールの3分の1くらいだ。日差しはきつく、30度くらいはありそう。モールの東端まで行って、また戻ってくるのに少々躊躇してしまうが、しっかり水分を取りながら、ゆっくり歩いて行こう。



第二次世界大戦メモリアル。50州のポールが丸い形に設置され、こちら側のゲートがPACIFIC、向こう側のゲートがATLANTICとなっている。ツアーガイドが、何十人ものツアー客を相手に熱心に説明をしている。



ワシントンメモリアルタワー。建国の父、ジョージ・ワシントンの功績を讃える記念塔だ。失礼ながら何の変哲もない、コンクリートタワーにも見えるが、さまざまな思いと工夫が詰まっているようだ。このタワーより高い建物は建ててはならないという規則があると聞いたことがあるが、そんなんだろうか・・・。



アメリカの公園では、珍しくもなんともないリスだが、久しぶりのお目に掛かることができて、とてもハッピーな気分になる。両手を口の前にして、食べ物に噛り付く恰好がとても愛おしい。



数多いスミソニアン博物館のなかでも、一番人気と思える航空宇宙博物館。入場無料だし、涼しそうだし、チョコッと立ち寄ろうかとも思ったけど、セキュリティチェックのための長い行列を見て、退散する。



モールの東端にある国会議事堂。ドーム部などの補修工事が行われているようだ。モールのあちこちで土を掘り返したり、芝生を張りなおしたり、彼方此方に工事が見られたが、何といっても、アメリカの国立公園だけに、少々手間暇をかけてでも、さらに良いものに仕上げていこうとしているのだろう。



帰路はモールの北側の官庁街を通り抜けていく。FBIの本部ビル。以前、このビルの見学ツアーに参加して、ギャングのデスマスクや、実弾射撃訓練の様子などを見せてもらったことがあるが、今もやっているのだろうか。本部前に並ぶパトカーには、FBIの文字。パークポリスとか、ユニバーシティポリスとか、アメリカの警察もさまざまだが、さすがにFBIは別格中の別格と感じる。



ホワイトハウス。フェンスのこちら側には観光客がドッサリ。もっとも、以前と違って、本来のフェンスのさらに外側に2重目の柵を設けたりして、観光客の接近を阻んでいる。



ホワイトハウス前の道も、ポールが立てられたり、警察の守衛所ができたりして、一般車は侵入できなくなっていた。以前は、ホワイトハウスの前も車が走れるばかりか、路肩にはパーキングメーターまであったように記憶している。観光客には少々寂しいことだが、物騒な事件が多いだけに致し方ない。



ワシントンDCの下水マンホール。SEWERと書かれただけの、何の面白みもないデザインだ。



いろいろなマンホールがあるなかで、多少はデザイン的に凝っていると思われるのが、BELL SYSTEMのマンホール。電話ケーブルのためのものだろう。




自転車好きの多さは相変わらずのようだが、自転車のパーキングメーターのための、不思議な構築物も増えた。さっぱり理屈がわからない。自転車のタイヤを外して、付近の交通標識のポールなどにロック駐車しているものも見られるが、これって、タイヤを盗まれないよう、所有者が外して持ちるいているのか、あるいは既にタイヤ盗難にあったあとなのかが分からない。



むろん、他の観光都市と同様、街中のレンタサイクルシステムもさらに充実しているようだ。


いつの間にやら、自転車で台車を引っ張るような乗り物が増えている。他所でも人力車や馬車に乗せて観光案内をする商売がよく見られるが、自転車に台車って、エコというかレトロというか・・・。アメリカ歴史博物館の前には3~4台が客待ちをしていた。



一方で、ナショナルモールを席巻するように、走り回っていたのがセグウェイ。レンタルでもあるのだろうか、あるいは個人所有なのだろうか。何台もが連れ立って、公園内を走り回る姿は、なんとも21世紀的である。



結局11。5kmを3時間半ほど掛けて歩き回ったことになる。



明日からはギッシリ仕事。移動も多く、スケジュールもきつい。次はどの町を散策できるだろうか・・・。