烏原貯水池~高取山【六甲山系】

2024年11月7日


六甲山系の茶屋を巡る「神戸の山にでかけようスタンプラリー」の2日目は、兵庫区の石井橋からスタート。石井ダム、烏原貯水池から繋がる石井川に沿って山へと向かっていく。



住宅街は続くが、坂の勾配は相当なもの。どうしてここまで厳しい上り坂の上に居を構えることになったのか。坂の無い海っぺりで生まれ育った者には理解しきれないけれど、神戸の街に住むことにはそれだけの魅力があるということだろう。



住宅地の北端にある天王茶屋。ちょうど菊水山の真南になるけれど、登山者向けと言うより、都会の喧騒から逃れて静寂のなかで食事を楽しむための施設のようだ。古くからの茶屋に見えるけれど、古民家を利用してつい3年ほど前に開業したところのようだ。



烏原貯水池。明治時代に造られた人造湖だけれど、建造後120年も経てば、すっかり自然に溶け込んでいる。今では親水公園として、周囲3㎞ほどの遊歩道を散歩したりジョギングしたりする人も多い。



久しぶりに貯水池の南岸の道を歩いてみるけれど、こんな道だったっけ…。木々に遮られてフェンスの向こう側の貯水池がまるで見えない。



少しだけ親水公園のようなところがあり、貯水池を間近に見ることができるところがある。右奥の芝生のようにさえ見える黄緑色が水面だ。なんでこんなに淡い緑色をしているのだろうか。



菊水山への登山道を横目に見ながら鵯越駅へ。小さな駅だけれど、六甲山全山縦走の通り道でもあり菊水山への登り口になるこの駅への訪問頻度は高いはずなのに、知らぬうちに「天才武将源義経所縁の地」なる看板が掲げられていた。



次に目指すは茶屋が集中する高取山。六甲全山縦走では最も容易に登れる山のひとつなんだけれど、鵯越方向から見ると、なかなかの圧を感じさせる山だ。



鵯越駅と高取山登山口の間の住宅街を抜ける道が六甲全山縦走でも最も判り辛く、退屈になる道だけれど、いつもにも増して「六甲全縦」の標識が多く感じる。それもそのはず、この週末は六甲全縦の大会が予定されている。



今更気付いたのだけれど、Google Mapで鵯越駅から高取山の丸山登山口までの複雑な道を経路案内をさせると、六甲全山縦走路を正確に指示してくれる。六甲全縦する人は誰し最短ルートで歩こうとするのだから、最短ルートが縦走路に自然となってしまったのだろう。



前回の山歩きで右膝の痛みは感じなくなったはずなのに、高取山への登りで違和感が生じてきた。登りの際に右膝に力が入りにくい。今までおかしな階段だと思っていたけれど、右手摺り寄りの一部に半端な中間段が痛む右膝にはとても有難いことを知る。



これまで丸山登山口への下りばかりで、登りで初めて使ったけれど、意外に坂がきつく、疲れた…。ラジオ体操などができる大きな広場や、輪投の設備がある安井茶屋で表参道に合流する。



安井茶屋に続いて月見茶屋。安井茶屋と同様に参道の両脇が利用されている。昨年この茶屋は閉店したはずだけれど、地元の登山会(ツキワ登山会)が運営を引き継いで再開されたようだ。



もともと月見茶屋はツキワ登山会の溜まり場のようなところだったように思う。建物にはツキワ登山会のマーク?がある。なかなかカッコいい。



高取山に登っている途中にはあまり気にならなかったけれど、参道に入ってブラブラ歩きモードになった途端に肌寒く感じるようになってきた。茶屋にあった気温計を見ると、なんと10度。午後2時だと言うのに…。いつの間にこんなに冷え込む季節になってしまったのか。



高取神社へと向かう急な階段。最近はこの階段をひと息で登ることが難しくなってきた。途中で立ち止まるのはカッコ悪い、と考えてしまう見栄っ張りの性格のため、ゆっくりでいいので立ち止まらないことを最優先に登るように心がけている。



高取山山頂(328m)にある高取神社。阪神間に多く見られる神功皇后に所縁のある神社のひとつだ。



最近では、絶景神社として紹介されることが多い。確かにここから見渡す神戸の街と海は素晴らしい。ただいつも感じることだけれど、電線が邪魔なんだよなぁ…。



表参道を再び下って、高取山の中腹にある中の茶屋へ。店先にある説明板によれば、全盛期には高取山の参道に10もの茶屋が並んでいたという。



高取神社ばかりでなく、山域には様々な社祠が多く、山全体が信仰の対象になっていたようで多くの参拝者がこの道を行き来していたのだろう。今では、茶屋の役割も少し変わって毎日登山を始めとする近隣のコミュニケーションの場となっている。卓球場などもある。



詳細は判らないけれど、由緒ありげな鳥居、祠、石碑などが山の至るところに見られる。10もの茶屋が賑わっていたというからには、おそらくは遠方からの参拝者も数多かったに違いない。



最後は清水茶屋。2階にテラス席などもあるちょっと洒落た茶屋だ。ここのおでんは美味しいらしい。ひょっとして開いていないかと期待していたけれど、基本的に朝しか開業していないようだ。



本日は天王茶屋、安井茶屋、月見茶屋、中の茶屋、清水茶屋の5つ。大漁だ。残るスタンプは5つ。でも高所や遠隔地が多く、場所もバラバラだ。地道にひとつずつゲットしていく以外ない。



下山して長田神社にチラっとお参りして高速長田駅から帰路につく。茶屋のスタンプを集めるのはいいけれど、頻繁に六甲山系を歩きまわっているというのに、実は茶屋経験は六甲山最高峰近くの一軒茶屋しかない。他の茶屋にも入店してみたいものだ。



距離9㎞、獲得標高480m、所要時間3時間40分。少し膝が痛むような気がする。さほど無理したつもりもないのだけれど、不安だ…。





布引~市ヶ原~大師道【六甲山系】

 2024年11月3日


長らくの右膝の痛みを感じなくなった。まだ油断できないようにも思うけれど、天気も良く、六甲山系にある茶屋14ケ所を巡るスタンプラリーを始めてみることにする。全てを歩いて回るには5日ほどは掛かりそうな骨のあるイベントだ。



スタンプラリー主催者である新幹線新神戸駅に最近開設された「トレイルステーション神戸」で台紙をゲットして出発。登山情報の提供や登山用品の貸し出しなどをしてくれるらしい。パンプスなど気楽に登山をし始める人が多いことを見かねたのだろうか。



日本一大きな登山案内標識(知らんけど)がある新幹線高架下を北に抜けていく。スタンプラリーの対象茶屋の中では比較的行きやすい布引の滝の前にある「おんたき茶屋」を目指す。



とはいえ、布引の滝までは、馬鹿にならない階段が長く続く。膝の確認には丁度いいところだと思ったのだ。幸い膝は捩じると少し違和感があるものの、特に問題は無さそう。しかし息切れは以前より増したように感じる。



昨日の大雨のせいだろう。布引の滝は通常よりも相当水量が多い。膝も快調だし、滝は豪快だし、天気も良くて、久しぶりの山歩きがとても楽しい。



日曜日に混み合う六甲を登ることなど、長らく無かったのだけれど、新神戸駅からずっと驚くほど人が多い。スタンプポイントのおんたき茶屋も満員状態だ。平日ならガラガラなんだけどねぇ…。



膝の具合次第では、布引の滝で引き返すつもりだったけど、調子も良く、次の茶屋がある市ケ原を目指して登っていく。祖谷のかずら橋を真似たような「猿のかずら橋」だけれど、張り替え中なのか、かずらが無くて只の鉄橋になっている…



水辺で土を掘っているイノシシ。何年か前までは六甲山系に入るとかなりの確率でイノシシに出会ったものだけれど、最近はまるで出会うことがなくなった。久しぶりだというのに、土の中にいるミミズや虫を探すことに懸命なのか、こちらを振り返ってもくれない。



五本松かくれ滝。昨日の大雨で布引ダムも満水なのだろう。これまで見たことが無いほどの水量で、まるで隠れていない。



布引貯水池。う~ん、満水状態なんだろうか。普段水位のことなど気にしてないせいか、今日の水位が高いのか低いのかも判らない…。



カワウだろうか。大雨の時にはきっとイノシシもカワウも餌をとることさえできなかったのだろうか。空もすっかり晴れて空腹を満たすべく獲物を探しているようだ。



市ヶ原手前にある紅葉の茶屋。基本的に土日しか空いていないので、開店しているところを見るのは初めてかもしれない。



以前はあけぼの茶屋があったところ。今ではすっかり更地になってしまった。最近ハイカーは多くなっていると思うけれど、平日やシーズンオフは閑散としているので、茶屋の経営はどこでも厳しいようで毎年のようにどこかの茶屋の閉鎖を聞くように感じる。



市ヶ原の櫻茶屋。トイレも近く六甲山縦走路上にあるため、六甲山系では最も賑わいそうな茶屋のひとつだけれど、それでも土日しか空いていない。スタンプは店頭に設置されているので、最近のスタンプラリーにありがちな、何か買わないとバツが悪いということもない。



市ヶ原。バーベキューする人多数。メチャクチャ煙たい。平日の六甲山歩きでは見られないほどの人の多さに驚かされる。



六甲縦走路を逆方向に歩いて太龍寺。膝の具合も良く、想定していた最大のスタンプ数3つも獲得できたので、気分もいい。帰路は人の多そうな大師道ではなく、堂徳山から市章山を経て諏訪山方面に下山することにしよう。



予想どおり堂徳山に向かう道は人も少なく、のんびりと山歩きを堪能できる。ただ周囲にはモミジが多いものの紅葉はマダマダ先のようだ。なんて、呑気に歩いていると、実は大師道にスタンプポイントとなっている茶屋があることに気付く。



堂徳山に向かって南下していたところを、西に大きく迂回して大師道にある猩々池までやってきた。江戸時代に築かれたという溜め池だという。



大師道。再度谷川に沿った整備された道なんだけれど、石がゴロゴロしていて、見たほどには歩きやすくないのだ。しかもここに来て、疲れが噴き出してきた。



整備されているのだけれど、随分と廃屋が目立つ。中には元々は茶屋だったところもあるように思える。下りだというのに、どうも気分が滅入ってきた…。



市街地まであと少しというところで目指していた稲荷茶屋が現れた。普通のお宅のような建物だし、市街地にも近いので、これまで印象に残っていなかった茶屋だけれど、バーベキュー場があったり、Free-WiFiもあったり、若い人に人気のありそうな茶屋だ。



ダラダラと山を下って諏訪山へ。再来週末に投票を控えた県知事選挙の看板が立っている。ただでも乱立だというのに、どこやらの政党が10人ほども候補を立てるとかの話があって、なんと24人分もの看板が容易されている。もっとも実際には4枚しか貼られていない。



県庁近くにある相楽園。神戸が誇る広大な日本庭園だ。以前は65歳以上の兵庫県在住者は無料だったというのに、最近神戸市在住者以外には適用されなくなった。王子動物園とか須磨離宮公園も同様だ。知事選挙の争点にしてもらいたいけど、誰も問題提起していない…。



4スタンプゲット。望外の成果だ。最近流行りのスマホを使ったデジタルスタンプでなく、リアルスタンプなのが良い。店での買い物をしないとスタンプを押せないような商売気も無いし、30分ほどで容易にクリアできる安直なものでもない。久々の骨太スタンプラリーだ。



最後は結構疲れてしまったけど、膝の違和感はほとんど感じることもなく、無事元町駅でゴール。距離9km、登り獲得標高479m、所要時間は3時間30分。
 





雨山(熊取町)

 2024年10月9日


いろいろと多忙なうえに、、右膝の具合がおかしい。平地を歩いている分には問題ないのだけれど、階段などの登り時に軽い痛みを感じるのだ。すっかりご無沙汰状態になっていたけれど、軽~い登り道だと記憶している熊取町の雨山で膝の具合を確かめてみることとする。



いつの間にか猛暑も過ぎ去り、随分と山歩きには有難い気候になってきたものだ。山頂は見えないけれど、六甲山系には見られないなだらかな山並みだ。



登山口は阪和自動車道の真下にある。駐車場から1㎞ほど平地を歩いてここまでやってきたけれど、膝は大丈夫。ただ意外に暑く日射しが強いのが気になる。



しばらく階段とは言えないほどの緩やかな道が続く。しかしこの僅かな登り勾配で右膝の違和感を早くも感じてしまう。



木立に囲まれた涼やかでノンビリとした登山道なのだけれど、常に右膝の違和感と暑さを感じながら進んでいく。



ここの丁石はカウントダウン方式。頂上へと進むにつれて数字が小さくなっていく。色々な考え方があるのだろうけれど、関西では圧倒的にカウントアップ方式が多いように感じる。



道は徐々に険しくなり(といっても、ごくフツーの登山道)、息が切れてくる。膝も相変わらずおかしいし、身体全体が老化しているのではと感じずにはいられない。



頂上手前にある展望台。標高は200mくらい。関空に離着陸する飛行機をボンヤリと眺めながら長い休憩をとる。



山頂に向かっての最後の上り坂。空が抜けるように青い。



山頂の手前に鳥居。古来雨乞いのための儀式が執り行われたという雨山の山頂には雨山神社が鎮座しているはずだ。



10年ぶりくらいに登ってきたけれど、山頂の休憩所がとてもキレイにリニューアルされているようだ。以前は南北朝~戦国時代にこの地にあった雨山城の再建を訴える大きなポスターが貼り出されていたと記憶しているけれど、今日は見られない。諦めちゃったのかぁ?



登頂記念のスタンプもあるけれど、ちょっと劣化しているせいかキレイに押せない…。「闇龗神(クラオカミ)」とは、雨山神社に祀られている雨乞いの神様のようだ。



山頂(312m)に鎮座している雨宮神社はヤマモモの大木に隠れるような小さな祠。でもとても清掃が行き届いていて地域の方々が丁寧にお護りしていることが判る。



膝の具合は良くないけれど、ピストンは面白くないので、永楽ダムを経て下山することにしよう。以前も歩いたはずの道だけれど、全く記憶に残っていない。まあ膝の調子が悪くとも下りなら大丈夫だろう…。



と呑気に考えて下山したものの、結構ザレザレの道が多く、苦労させられる。10年前には未だ元気でこの程度の道は記憶にも残らなかったのだろうけれど、今ではかなり鬱陶しくさえ感じられる。



どうやら泉佐野市との市境となっている尾根を進んでいるようだ。下りだと思っていたけれど、結構アップダウンもあって、意外に疲れさせられるし、ザレザレ道やシダの生い茂る道も多くて、だんだん楽しくなくなってきたぞ…。



永楽ダム。今では地域の貴重な水瓶として、水不足への備えの役割を雨山から引き継いでいる。



疲れたこともあって、一周2㎞と言われる永楽ダム湖を周回することは断念。最短で下山できそうな西ハイキングコースで帰路につく。



距離4㎞、獲得標高300m。お気楽な山歩きのはずだけれど、2時間50分(うち休憩1時間)も掛かった。同年代の多くが膝の痛みに悩んでいるのを見てきたけれど、いよいよ来たか~という感じ。コンドロイチンでも飲めばいいのか、整形外科に行くべきなのか…。