2013年4月29日(祝)
11時半からの野球の応援に、滋賀県大津市の皇子山球場まで出掛けるのだが、その前にひと歩き、ということで、なんと、京都の出町柳から大文字山を越えて、大津に向かうことにした。
朝8時までに出町柳に着けば大丈夫、と考えていたのに、寝坊して出町柳到着が予定の1時間遅れ。仕方なく、出町柳からバスを使ったが、銀閣寺道から大文字山越えを含む約10キロの道程を歩き始めた頃には、既に9時を過ぎていた。大丈夫かぁ?
哲学の道に、昨春歩いた京都一周トレイルの標識がある。京都一周トレイルでは、鹿ケ谷を下りてきたので、大文字山の手前まで行ったものの登頂はしていない。3年振りくらいの大文字山登山になるが、この道のしんどさは、よく覚えている。
当然のことながら銀閣寺は素通り。学生時代には、この付近に下宿もしていたし、卒業後も何度も近くまで来ているのに、これまで入ったのは、たったの1回しかない・・・。いつでも来れる、と考えてしまうのだ。ところが、なぜか山に関しては、登れる時に登っておこう、と考えがちだ。
晴天の休日なので、大文字に向かう人は、とても多い。ここで、ペースを上げたら、後が辛いことをよく知っているはずなのに、健脚者につられて、自分の体力以上のペースで歩いてしまう。
千人塚。応仁の乱の際のものと思われる無数の人骨が発見された場所だという。大文字の火床は、すぐそこだと判っているのだが、このあたりで、既に息があがって進む気にならない。しかし、一番キツイのが、この後に控えているのだ。
送り火のための火床にやってきた。「大」の字の「ノ」の部分に沿って、延々と階段を登る。キツイ。しんどい。歩き始めて30分ほどで、もう体力の限界のすぐ手前まで来てしまっている。こんなことで、皇子山まで辿りつくのだろうか・・・。
途中で何度も息を整えながら、ようやく、火床の中央(「大」の字の「一」と「ノ」と「ヽ」が交差するところ)までやってきた。登って来た階段の向こうに、京都の街が一望できる。
「大」の字の一番上の火床。字に力強さを持たせるため、他のものの倍の大きさがある。8月16日には、ここで薪が赤々とした炎をあげるのだ。そういえば、かつて、某国立大の学生数十人が、冬に懐中電灯で、か細い「大」の字を京都の街に向かって放ち、騒ぎになる事件があった。
火床を大文字山の頂上と勘違いしている人も多いようだが、頂上までは、さらにゴツゴツした道を登りつづけなければならない。
歩き始めて、約1時間ほどで、大文字山の頂上までやってきた。三角点を撮影したが、ピンボケだった。皇子山までの道程の四分の一程度しか来ていないのに、かなり疲れた。試合開始まで1時間半しかないのに、山道をあと8キロも歩かなければならない・・・。
大文字山の頂上からは、京都の中心部だけではなく、山科方面にも展望が開けている。休憩もそこそこにして、皇子山に向けて歩き始める。この後は、初めての道を行くことになるが、大した登りは無いと聞いている。
誰の仕業か判らないが、木に彫られた道案内。蹴上・山科・三井寺への方向を示している。木が可哀想だとは思うが、絶対見落としそうにもない、有益な標識であることには違いない。
他の標識といえば、木の根っこのところに、ごく小さなものがあるだけ。道の分岐はさほど多くは無いが、このあたりで間違うと、とんでもないことになる。しかし、景観を大切にするためか、標識は必要最小限しか設置しない主義のようだ。
大文字山から東に向かう道は、至って快適。木立のなかをフラット、あるいは軽い下りの道が続いている。山登りの疲れも癒えて、どんどん進む。
道脇に突然現れた「雨社大神」。雨乞いの神様のようだが、道中の安全祈願のため、お参りしておく。
大文字山までの人の多さが嘘のように、人気は少なく、杉木立のなかを、気持ちよく歩いていける。道は徐々に広くなり、舗装道になり、滋賀県境を超える頃には、ガードレールが設置された道になっていく。
道脇に洞窟を発見。恐る恐る中を見に行ったが、特に何も無かった。雨宿りには格好の場所だ。
この場所には、相応しくない「大阪国際空港長」の文字。どうやら、山上に航空機の誘導設備のようなものが、設置されているようだ。
かなり開けたところまでやってきた。山中に開発された比叡平のニュータウンの南側にいるようだ。比叡山が良く見える。
両側にフェアウェイやグリーンが拡がる道を進む。元からあった道を取り囲む形で開発されたのだろうが、勝手にゴルフ場に入り込んでいるようで、落ち着かないぞ。一昨日のゴルフは散々だったけど、ホールアウト間際になって、忘れていたチェックポイントを思い出した。3年以上のブランクはあるが、そろそろ、まともなゴルフができるようにならなければと思う。
事前に調べたところでは、ゴルフ場のクラブハウスの横を突っ切る道もあるようだが、さすがに遠慮してしまう。遠回りにだが、柳川という琵琶湖に流れ込む小川に沿って、山を下りていく。
いよいよ琵琶湖が見えてきた。このあたりで、ようやく「圏内」になった携帯電話で確かめると、前の試合が延びていて、次の試合開始は遅れそうだ。よし、間に合うぞ。
見事、試合開始の20分前に、皇子山球場に到着。よく頑張った、と自分で自分を褒めてやりたい。聞いて驚け、見て笑え。球場広しといえども、京都から大文字山を越えるという強行軍で応援に駆け付けたツワモノは、他にはいないだろう。比叡おろしとも呼ばれる強風が気になる球場だが、山を征服してきた今、怖いものは何も無い!(はずが、結局、試合は完封負け・・・)
まとめ
歩行距離 約10km
所用時間 185分 (3時間5分)
歩数 17200歩 (しっかり14100歩)