2014年9月27日(土)
和歌山県の九度山町に出掛ける。例年、手を替え品を替えながら、真田幸村関連イベントを開催しているため、これまで何度も訪問した九度山だが、再来年のNHK大河の主人公が幸村に決まったこともあり、今回のスタンプラリーは一層気合が入っているのではないかと楽しみだ。
南海高野線の九度山駅に降り立つ。この先、高野山までの数駅には、ほとんど集落らしい集落が無いため、高野山の手前の最後の町とも言える。山小屋風の三角屋根の白い駅舎はお洒落なだけではなく、九度山の「度」の字が旧字体?になっているところが、歴史も感じさせる。
九度山駅で最初のスタンプを押印し、駅前からの「真田の道」と呼ばれる旧道を行く。典型的な鄙びた田舎のメインストリートだ。かつては賑やかだったと思える道だが、銀行や郵便局はあっても、飲食店は見当たらず、「百貨店」で日用雑貨から土産物までを取り扱っている。
もっとも、町のアチコチには六文銭のデザインが施され、静かな道を歩いていても、テンションは上がってくる。道の両脇には、美しい花々が植えられた六文銭が描かれたプランターが設置され、心を和ませてくれる。地元のご婦人方が協力して手入れしておられるらしい。
スタンプラリーのゾーンを超えて、女人高野と呼ばれる慈尊院にやってきた。以前は、慈尊院や紙遊苑もスタンプポイントになっていたが、コンプリートに要する時間は2/3ほどになっている。お手軽になったのは良いが、九度山に来て、慈尊院を訪ねないのは勿体ないと思う。
手作りの乳房の絵馬が多く見られる。多くが乳癌平癒を祈るものだ。有吉佐和子の小説「紀ノ川」でも、慈尊院と、これらの絵馬の話が登場するらしい。司洋子や南田洋子が映画のロケをしたとか、高島礼子も来た、三原じゅんこも来る・・・と、ご住職が熱心に説明してくれた。
慈尊院から丹生官省神社に向かう長い階段。この階段こそが、先日途中リタイアしてしまった高野山町石道の起点になる。慈尊院も丹生官省神社も町石道スタンプラリーのポイントにもなっているのだが、迂闊なことに冊子を持って来るのを忘れた。
勝利寺に向かう石段も、勾配が急で長い。
勝利寺の境内に隣接して設置されている紙遊苑。この地に和紙づくりを伝えたのは弘法大師なのだそうだ。製紙のための材料や道具が様々に展示され、紙漉きの体験もできるらしいが、こうぞを煮るところから始めるのだとすれば、大変なことだ。
かなりの晴天で、少し汗ばむ。慈尊院の赤い塔、黒い瓦と土色の塀、そして青空と、白い雲と、緑の木々のコントラストが美しい。
未だ緑色の柿が多いなかで、しっかりと熟した柿も見られる。深い緑色の分厚い葉の間から見える柿色もまた、美しい日本の原風景だ。
早くも、干し柿づくりも始まっているようだ。柿一つずつが皮をむかれて、丁寧に吊るされている。半生タイプのあんぽ柿なのかもしれない。
紀ノ川の河原に突き出すかたちで、車の駐車場が作られている。 他に駐車場にできるスペースがあるようにも見えるのだが、結構大掛かりな構築物だ。
旧市街と慈尊院エリアの間を流れる壬生川の横に、大きな公園があったのだが、いつの間にやら「道の駅」が出来上がっていた。幹線道路沿いの「道の駅」と異なり、車だけではなく、観光でやってきた歩行者も対象にした、九度山の観光拠点となることを目指しているようだ。
館内には、九度山や高野山、そして真田幸村などに関するパネルやグッズなどが数多く展示されている。
駐車場の脇には、真田十勇士の顔出しパネルが、ずらりと並んでいる。真田幸村も含めて、全部で11もの顔出しパネルが整列しているのは、ちょっとした壮観だ。
スタンプラリーコンプリートのためにも、十勇士と幸村のスタンプ、計11コの押印が必要なのだが、スタンプポイントが確保できなかったのか、いくつかのスタンプポイントでは2つのスタンプが設置されている。他にも見どころが多いので、何とか11カ所確保できなかったものかと思う。
2016年のNHK大河ドラマが決まったという、幟や旗がアチコチに見られる。道の駅も出来上がった。しかし、あと1年余りで、さらに様々なものが作られるに違いない。幸村が主人公なら、その舞台の2割くらいは九度山になるのではないだろうか。
真田昌幸・幸村父子が配流・蟄居させられた善名称院、通称「真田庵」にやってきた。以前は、ここで観光客相手のグッズなどを多く販売していたのだが、道の駅ができたせいだろうか。良い意味で静かになったように思う。
境内のアチコチには、六文銭が見られる。
屋根瓦にも六文銭。
祠の石版にも六文銭。
真田庵周辺で、スタンプをコンプリートしたが、記念品を貰うために、再び道の駅に戻らなければならない。要領の悪い歩き方をしてしまったが、こんなことは、いつものことだ。
道の駅の売店は、スーパーのようになっている。果物、調味料、海産物、菓子など、九度山だけでなく、和歌山の名産品がズラリと並べられていて、とても楽しい。
コンプリートしたスタンプ台紙。幸村と真田十勇士のイラスト画が綺麗に並んだ。2年ほど前に、真田十勇士のイラストが一新されたのだけれど、あんまり強そうに見えないんだよねぇ。まあ、最近は、こうしたゆるキャラ風の方が受けるのかもしれないが・・・。
スタンプラリーコンプリートの御褒美は、地元特産の「幸村茶」。麦茶に柿の葉をブレンドしたものらしい。貰ったものは常温だったので、道の駅の自販機で1本(160円)購入。一口飲むと麦茶だが、確かに柿の葉のような香りが口に残る。
過ごしやすい天気になってきたが、まだまだ暑い。わずか5キロほどのウォーキングで、結構汗もかいた。明日のゴルフも暑さとの戦いになりそうだ。