蓬莱山ハイキング

 2017年6月3日(土)


比較的涼しく好天、とのことなので、以前から登りたかった蓬莱山にチャレンジする。標高1174mは、金剛山を上回り、この何十年かでの最高峰となるが、大丈夫かぁ?先週も六甲山で結構バテバテだったんだけど・・・。朝9時に湖西線の蓬莱駅を出発する。



琵琶湖西岸にそそり立つ比良山系に、始めてトライすることになる。かなり斜度は急のようだが、標高1100mを越えるようには見えない。2つの登山道のうち、何となく、滝や池もあって楽しそうな、小女郎峠経由の道を進む。



駅から、小さな住宅街を越えると、すぐに田園風景が広がる。まだまだ序の口だというのに、そこそこの上り坂が続く。写真では大した高度には見えないが、この時点で溜まらず最初の休憩を取る始末・・・。大丈夫かぁ・・・?



しばらくは舗装された林道を進むが、まるで平坦なところは無く、ただただ登っていく。後ろから迫ってくる団体に追いつかれまいと頑張って登り続ける。



自分の体力以上のペースで歩いていたが、舗装道が途切れてしばらくの標高500mほどの薬師の滝の辺りで、もうバテバテ。団体さんには先を進んでもらって、10分以上座り込んでしまう。



いつもは渓流に沿って進んでいくのは気持ちがいいものなんだけど、大きな石がゴロゴロとしている渓流歩きが続き、徐々に足が上がらなくなってくる。



ネットで調べたところ、初心者向け、と書かれているものが多かったが、登りはキツイし、足元は石だらけで歩きにくいし、渓流を渡るのも危なっかしいし・・・。自分は初心者以下だ、と思い知らされる。



標高900mほどのところに2~3ヶ月ほどは放置されているような自転車を発見。ここまで自転車で上ってくるなんて、およそ考えられない。上から下りてきたとも信じられない・・・。



渓流は途切れ、周囲は藪だらけになってきたが、石ころゴロゴロの細くて急峻な登山道は相変わらず。



駅を出発して3時間弱。ようやく青天が頭上に広がり、頂上が近いことを教えてくれるが、道はますます狭い。人がひとり、ようやく入り込めるような深い溝を、息も絶え絶え、進んでいく。



ついに小女郎峠に到着。ここで標高は既に1100mだ。琵琶湖南部が手に取るように見渡せる。日射しは強いが、風が心地よく吹いている。眼下の絶景をしばらく眺めていると、さすがに少し寒くなって一枚上着を羽織る。



せっかくなので、少し寄り道をして小女郎ヶ池にも立ち寄ってみる。標高1000m以上の高地に、満々と水を湛えた池があることに驚いてしまう。



さあ、いよいよ蓬莱山の山頂に向けて、歩いていく。これまで登ってきた風景とは様変わりの優しい山容だ。



東側には、京都の山々が深く広がっている。おそらくは古代から変わりのない、山また山の風景だ。



蓬莱山山頂。高原状に広がる山頂部のせいだろうか、意外なまでに山頂で写真を撮る人は少ない。まあ、山頂にいる大半はロープウェイでやってきたと思われる人たちで、琵琶湖の写真ばかりを撮っている。



冬にはスキー場になる琵琶湖バレイ。蓬莱山から打見山にかけての広い芝生の緩斜面に人工降雪機が設置されている。その向こうには、雄大な北琵琶湖が広がっている。



夏の琵琶湖バレイも大賑わい。無難な遊具もたくさん設置されているが、スカイウォーカーやらジップラインなど、恐ろし気なアクティビティにキャーキャー騒いでいる家族連れやカップルばかりが目立ち、山登り風の格好をした人はごく少数だ。



ロープウェイでヒョイとやってきたのではなく、麓から4時間も歩いてここまでやってきたことを誇りたいところだが、琵琶湖テラスのようなお洒落空間に、汗まみれ、泥まみれでいることには肩身が狭く感じてしまう。



さあ、下山だ。キタダカ道を経て、湖西線の志賀駅を目指す。登りと比べると間違いなく楽のはずなんだが、斜面も急になると、下りの方が危なっかしく、それに足腰に負担がかかってしまう。



通過するロープウェイの写真を撮影していると、乗車中の何人かが、手を振ったり、ピースサインで応じてくれる。



琵琶湖に面して鳥居と賽銭箱が置かれているが、祠のようなものは見られない。琵琶湖そのものがご神体ということのようだ。



下りも、「溝道」に悩まされる。身体の横幅くらいしかない下り坂の溝の中を、ズルズルと滑るように下りていく。



クロトノハゲ。この道の重要な道標なんだけど、クロトノハゲとは、どういう意味なんだろうか。ハゲとは禿山のことなんだろうか。



これも、数少ない道標のひとつ、天狗杉だ。ひときわ、古くて太く高い杉が、枝打ちもされないままに道の脇に立っている。



JR志賀駅に到着するも、電車の時間まで少し間があったので、湖岸までやってきた。対岸の山々もしっかりと見える。ちょっと日射しがきつかったが、比較的涼しく、そして何よりも晴れていたのが良かった。



今日の歩行軌跡。約16km。平面的に見ると、山歩きの厳しさがさっぱり伝わらない・・・。



先週歩いた六甲山(右)の標高軌跡と、高度、距離のスケールを合わせて、並べてみると、蓬莱山の斜度のキツさは一目瞭然だ。六甲山でさえ、斜度がきつくてバテバテになるだけに、頑張って蓬莱山を制覇できたことに満足感は高い。


おまけ) 湖西線を走っていた「忍電車」。忍者のイラストが電車の内外に施されている。本来は草津線を走っているもののようだ。