須磨アルプス【六甲山系】

 2023年10月18日


午後1時と遅いスタートになったけれど、須磨浦公園から旗振山へと登っていく。気温は24度だというけれど、体感的にはかなり暑く感じる。日射しは厳しく、目の前の海がやけに眩しい。



旗振山までは大キライな階段が延々と続く。緩い坂道へと迂回することもできるんだけれど、結局「ちかみち」と表示された急な階段を進んでしまう。



いきなり心拍数は爆上がり。なんとかロープウェイの山上駅までは座り込むことなく登っていきたいと、ゆっくりと進んでいく。



が、ロープウェイ山上駅の真下にある展望台で、堪らず座り込んでしまう。もうひと息だったのに…。正面の木々が邪魔をして、まるで眺望が開けていないことで有名な展望台だ。



ロープウェイ山上駅で、既にかなりの疲労を感じる。日射しが強いせいか期待していたような涼しさは全く感じないのだ。まだ一度も乗ったことがない乗り心地の悪さで知られるカーレータに乗ってみようかな、なんて思いが胸をかすめる。



長らく中に入ったことがない回転展望閣を覗いてみる。2Fは寂れたゲームセンター、3Fがいかにも昭和って感じの、レトロ感溢れる床が回転する展望レストラン。入場するだけで飲食代とは別に100円取られるというのが納得できない。



もっとも屋上からの眺望は素晴らしい。遅いスタートとはいえ、鉢伏山、旗振山、鉄拐山と六甲全山縦走路の序の口とも言える三山だけ登って一の谷に下山するつもりなので時間はたっぷりある。のんびりと雲ひとつ無い秋晴れを楽しむ。



長い休憩の後、登山再開。回転展望閣から少し歩けば鉢伏山。登山地図では標高244mとあるけれど、現地の表記は260m。どうしたことか、結構違いがある。



旗振山(252m)。摂津と播磨の国境ともなり、米相場の変動を旗振りで通信したことで知られる山だ。今も本四公団の無線塔が立っていて通信の拠点になっている。



旗振山を過ぎると、ウバメガシの林の中を進むアップダウンの少ない尾根歩きとなる。備長炭の原料として植樹されたものなのだろうか。



鉄拐山(237m)から一の谷に下山するつもりだったのだけれど、つい高倉山(200m)まで歩いてきてしまった。六甲山系の茶屋としてはおそらく唯一鉄筋造りのおらが茶屋。晴天のせいか、思っていたよりもハイカーが数多く見られるけれど、茶屋は閉まっている。



高倉山から高倉台の住宅地まで激下りの階段。もとは正面の栂尾山まで山が繋がっていたというけれど、すっかり高度経済成長期の住宅開発で寸断されている。高倉山が削られた土はポートアイランドの埋立に使われたという。



高倉台のスーパーで買ったパンを齧りながら、正面に見える栂尾山を見ながら考え込んでしまう。登るのはしんどいなぁ…。ここからバスで帰ろうか…。



考えた挙句、疲れた体に鞭打つように、栂尾山への通称400階段を登っていく。これまでも、この階段を休憩無しに登り切ったことなど無いのだけれど、今日は更にしんどい。すぐ息があがってしまう。



少しずつ西に傾いた太陽が階段を登る背中から照り付ける。約100段おきにベンチが設置されているのだけれど、情けなくも全てのベンチで座り込んでしまう…。



なんと情けない歩行記録なんだ…。コーヒーカップのマークは3分以上動かなかったという記録。階段を登り切る間に4回も休憩しているんだけれど、水平距離で言えば20~30m進むたびに座り込んでいたことになる。



栂尾山(273m)。なんとか登ってきたものの、このまま須磨アルプスに向かうべきか、それとも須磨離宮公園方面へと下山すべきか。何度も歩いた道だけれど、栂尾山でこんなに疲れていたという記憶はない。老化を痛感させられる。



結局、そのまま横尾山(312m)を経て須磨アルプスへと向かう。いつもあまりスマートに歩けない道だけれど、今日は更にへっぴり腰で進んでいく。



馬の背までやってきた。標高300m弱とは思えない岩稜は、何度来てもちょっと興奮してしまう。



岩を攀じ登って進んでいく。日暮れも近くなったせいか、ほとんど人の姿も見えない。あまりノンビリしていられないけれど、焦ってはいけないところだ。



疲れのせいだろうか。あまり力強く歩くことができず、体が安定しないように感じる。これまであまり怖さを感じることもなかったけれど、今日のような日はちょっとヤバイのかもしれない、と気を引き締めて進む。



東山(253m)を経て、六甲全山縦走路を妙法寺駅方面へと下山する。この下り坂も嫌いなんだよなぁ…。激坂が足首や膝に応える…。



あわやナイトハイクになりかけたけど、ヘッドライトを装着することもなく、18時前に妙法寺駅に到着。計画していたより随分長く歩いたとはいえ、ちょっと疲れすぎ。以前はさらに高取山を越えて鵯越駅まで歩いていたものだけど、もう歩く気になれない。



距離6.8㎞、獲得標高600m。所要時間は5時間。老化だからと諦めるのではなく、なんとか体力回復に努めたいものだ。