大和葛城山(御所市)

 2024年6月27日


午後からの豪雨が予想されるなか、久しぶりに大和葛城山に登る。予報では15時頃から雨なので14時頃には下山したいところ。葛城山ならロープウェイもあるので、天候次第ではロープウェイで下ることもできると思ったのが、なんと整備のため運休しているではないか。



さらに想定外なことに、歩くつもりだった櫛羅の滝コースが崩土のため通行止めになっているではないか。となると、遠回りの北尾根ルートをピストンするしかなく、予定よりも時間を要することになる。



大和葛城山はどの道から登っても結構キツイ登り坂が続くことは知ってはいたものの、記憶をかなり上回る急坂が続く。というより、自身の体力が以前登ったときよりも相当落ちているからに他ならない。すぐ息があがって座り込んでしまう。



歩き始めて1時間ほど、初めて眺望が開けた展望台にやってきた。空模様は怪しいし、山頂がひどく遠く見える。大丈夫かぁ…。雨を控えて気温は随分と低いけれど、湿度は高い。



花こう岩が風化してボロボロになった隘路を進む。すれ違いなどできるようなところではない。もっともそんな心配は無用なほど、他にハイカーの姿もない。



何度も休憩を取りながら、やっとのことで急登を突破。なだらかな林道にまであがってきた。もっともこんな平坦な道が続くはずがない。



北尾根を登り切り、ようやく二上山から金剛山へと続くダイヤモンドトレイル道にやってきた。まだ標高は820mほど。更に140m登らなければならないのだけれど、この先は階段のアップダウンを繰り返す道のはずだ。



階段を嫌って、遠回りにはなるけれど、自然研究路を経由して山頂を目指すことにする。路側にはロープが張られ、ギフチョウなどの貴重な動植物を保護している。柵の内側にはカタクリの草も見える。



ヤマアジサイだろうか。ガクアジサイだろうか。いつまで経っても違いが良く判らないのだけれど、普通のアジサイもいいけれど、周囲から突出することを嫌ってか、控え目で謙虚な花を咲かせるところが何ともゆかしい。



まさかツツジに出会うとは思わなかった。5月には一面ツツジで覆われる大和葛城山は大勢のハイカーで賑わうのだけれど、何千本?もあるなかには、ちょっと季節を間違って花を咲かせるツツジもあるのだろう。



もちろん、普通の紫陽花も満開で見頃を迎えている。でもツツジも紫陽花も主張が強すぎるんだよなぁ…。山中では、ヤマアジサイのように、慎ましやかに咲いている花を応援したくなる。



食堂は11時から空いているはずなんだけどなぁ…。11時を過ぎても開店する気配がない。食堂を期待して昼食を持って来なかったのだが…。下山後、これは休日のみ開店している白樺食堂で、平日も開店している葛城高原ロッジはこの先にあったことを知る。



大和葛城山頂(958m)。これだけ立派な山頂碑がある山も珍しく、YAMAPでも登頂した人の大半がサムネに使っている。傍らのポストは今も現役なんだろうか。投入口は塞がれてはいないけれど、以前は書かれていたはずの集配時刻が消えているのが気になる。



山頂碑を睨むライブカメラがあることに気付いて、大和葛城山のサイトにアクセスしたところ、なんと前の写真を写しているところが記録されていた。10分おきに撮影しているようだが、何とも嬉しいような、恥ずかしいような…。



雲行きが怪しく、麓を見渡す眺望もイマイチだけれど、金剛山の山容はよく見える。ここから見る金剛山はいかにも力強く、逞しい。



しばらく(開くはずのない)食堂の営業開始を待っていたけれど、雨も心配なのでピンク色の花を咲かせるササユリを観察しながら下山開始。非常食のピーナッツと羊羹で腹を満たそうとするけど、これって食い合わせ?と思うほど気持ちが悪くなってきた。



モミジがグラデーションのように色づいてる。ノムラモミジだろうか。それにしては色が鮮やかに思えるし、色づいていないモミジもある。ノムラモミジって感じでは野村紅葉なんだけど、実は野村ではなくて「濃紫」なんだそうだ。



ウツボグサ。濃い紫色の花弁が特徴的。これまた小さく、ひっそりと咲く、山の中で出会えると嬉しくなる花のひとつなんだけど、花弁が完璧に揃った個体に出会ったことがない。一斉に咲くのではなく、少しずつ花を開くのだろうか。



櫛羅の滝コースが通行止めなので、帰路も北尾根コース。往路は自然観察路を通ったけれど、帰路は階段だらけのダイヤモンドトレイル道を進む。



ダイトレから外れて北尾根へ。まだ12時過ぎだというのに、小粒の雨が降り始めた。14時までは大丈夫だと高を括っていたのだけれど…。



本格的な雨雲はまだ南の方にあるけれど、弱い雨雲が葛城山付近を覆っているようだ。大した降りにはならなさそう。レインポンチョなども持ってはきているけれど、できれば使いたくない。



急ぎたいけれど、急げるような道ではない。えげつない段差を持つ狭い下り道の連続なのだ。登る時も苦労させられたけれど、下りの方が厄介だ。



登りの際にも休憩した展望台まで戻ってきた頃には雨は上がってくれた。麓の御所の町もそこそこ見通せるようになってきた。なんとか本降りに遭うことなく下山できそうだ。



登山口に戻ってきてビックリ。登る際にはロープが張られて通行止めになっていた櫛羅の滝コースの通行止め標識が無くなっている。ロープも撤去されている。今日の午前中?に崩土の撤去が終わり、通行止めが解除されたようだ。何ともタイミングが悪い…。



距離7.6㎞、獲得標高784m。所要時間は5時間55分。降雨が心配されるなかでの登山強行だったけれど、結果オーライ。とにかく気温が低かったのが有難かった。多分25度にもなっていなかったのではなかろうか。