二上山(香芝市・葛城市)

 2026年3月6日


右膝の具合を確かめるべく、二上山に登ることにする。少々膝が痛くなっても大丈夫そうな難易度の低い山なんだけど、久々の山歩きだけに、穏やかな山容に似合わないしんどい道が続くはずだ。



まずは雄岳への登山口にある謎めいた神社にお参り。マップには「葛木倭文坐天羽雷命神社」とあるが、「かつらきしとりにいますあめのはいかづちのみことじんじゃ」と読むらしい。が、本殿の扁額には「倭文神社」、「掃守神社」、「二上神社」と3つが併記されている。



登山口にある獣柵。別に珍しくもない金網型の柵に人形や鈴などがいくつも括り付けられている。ちょっぴりニューヨークのブルックリン橋を彷彿とさせる。もっともかつて大量の南京錠が括り付けられていたものが、今ではほぼ完全撤去されている。罰金100ドルだ。



まずは静かな林道。まあこんな道が続くはずもないけれど、登り始めて即急登という山に比べれば有難い。曇ってはいるけれど、意外に暖かい。



しばらくは緩やかな林道で足慣らしが済んだ頃、勾配のついた木段の道へと変わっていく。さあ、この辺りからが本番だ。



山頂までのほぼ中間地点にあるベンチ。以前この道を歩いた記憶で、ベンチが現れるまでは休憩無しで楽に歩けると思っていたけれど、今日はいっぱいいっぱい。偶然居合わせた地元のハイカーと雑談したりして、長い休憩を取る。



ベンチを越えると再び森の中へ。久しぶりの山歩きが気持ちいい。膝の具合もさほど悪くはないようだ。



頂上に近づくにつれて勾配は厳しくなってくる。地元の有志が作ってくれたものだろうか。手作りの素朴な手摺りが結構有難い。


大津皇子の陵墓。謀反の疑いをかけられ若くして自殺したという。そんなことで、このような山のてっぺんに陵墓があるのだろうか。天武天皇の皇子、母親は叔父・天智天皇の娘で、義母の持統天皇も天智天皇の娘、さらに妃も天智天皇の娘。頭が混乱してしまう系図だ。



二上山雄岳の山頂(517m)。この山頂看板は相当な年代物だ。風雪のため折れたり倒れたりしているところも見たけれど、修理を重ねて頑固なまでに文字も掠れた古い看板を使い続けている。



山頂看板に画鋲で貼り付けられている吉永小百合のブロマイド写真。60年ほどは前のもので、どなたかが大切に保管されてきたものに違いない。なぜここに張り付けられているのか…。様々なストーリーを勝手に空想してしまう。



雄岳から一旦下り、馬の背を経て雌岳へ。山茶花(たぶん)が満開だ。山茶花と牡丹の見分け方は未だに自信がない。



梅(たぶん)も満開。梅と桜と桃の見分け方も未だに覚束ない。さらに杏の花もややこしい。



大阪平野方面の眺望。手前の山は「近つ飛鳥風土記の丘」。ニュータウン開発で破壊されそうだった100基以上の古墳が密集する山林を府が買い取り整備した史跡公園だ。あまりに広すぎて未だに全体像がつかめていない。



雌岳の山頂(474m)にある日時計。あいにくの曇天だけれど、辛うじて日の影が見て取れる。



馬の背に戻り、祐泉寺への道を下っていく。最初は結構な急坂だけれど、それを過ぎると歩きやすい道が続くはずだ。



林の中の階段を一気に下っていく。頂上以外はほとんど眺望が無いのがちょっと残念な山だ。



杉の倒木が多い。下草は刈られているようだけど、枝打ちはされずほぼ放置されているように見える。集落からごく近い杉林だけれど、それでももはや林業は成立しないのだろうか。



山道を下ってきたところにある鳥谷口古墳。素人目には判りにくいけれど、これは方墳らしい。長い年月を経て墳丘が崩れたのだろうか。かなりの規模に見えるけど、実はこちらが大津皇子の墳墓だという説もあるらしい。



鳥谷口古墳の傍にある大池。おそらく溜池なんだろうけど、何十羽もの鴨が飛来している。あらためて見ると様々な毛色があり、様々な顔つきがある。大きな錦鯉も放たれているけど、お互い全く気にもしないようで、のんびりと泳いでいる。



池の畔では何匹もの猫がこれまたのんびりと寛いでいる。鴨や鯉がすぐ横にいるというのに、これまた全く意に介する様子もなく、猫たちだけの世界を楽しんでいる。暖かさもあって、池の畔に長らく座り込んで、鴨や猫から「のんびり」のお裾分けを戴く。



傘堂。一本の柱で瓦葺の屋根を支えている。軒下には阿弥陀仏が納められているようで、元は梵鐘が吊られていたそうだ。いかにも不安定な造りに思えるけれど、350年以上もこの姿で建ち続けていることは驚きだ。かなり緻密に設計され、入念に建てられたものだと判る。



養魚池には、よく見られる鳥除けネット。よく見ると一羽の鷺がネットをどこからか潜りぬけて池に降り立っている。おそらく餌の魚には困らないのだろうけど、この鷺はこの池を脱出できるのだろうか。それとも食べ放題のこの池に居座るのだろうか。とても気になる。



二上山の麓にある道の駅「ふたかみパーク當麻」に立ち寄る。レストランのメニューを見ると気になるものが…。二上山カレーだ。昼ごはんは山頂でしっかり食べているのに…。見た目も楽しいけれど、二上山に見立てた二つの三角おにぎりと、相掛けのカレーが美味い。



距離6㎞、登り獲得標高500m、所要時間4時間。うち休憩時間が1時間20分と、のんびりした山歩き。膝はあまり痛まなかったけど、久しぶりの山歩きのためか、意外にも疲れて久しぶりに筋肉痛になりそうだ。