2026年9月5日
神社のベンチに座り込み、今日は止めようかなぁ…なんて考え始める。コロナ禍の際には、封鎖され、代わりにアルコール消毒液が置かれていた手水であらためて手を洗い、多少なりともリフレッシュを図る。
岡本から登山口までの舗装道の坂が結構キツイ。今日は久々の山歩きで弛んだ体に喝を入れるということに加えて、俳句教室に備えて秋の句材を探しにきたのだけれど、早々に白い木槿の花に出会う。かなり良い句材に出会えた。
木槿を長らく観察したりしながら、ようやく八幡谷の登山口。句材も見つかったことだし、やはり帰ろうかな、と思わせるほどに暑く感じる。ホンマに気温20度台なんだろうか。
住宅街から登山道に入るとなかなかの峡谷だ。林間の峡谷沿いの道ともなれば、もう少し涼しくあってもらいたいものなんだけれど暑くて仕方ない。既に正午前。もっと早く出発すれば良かったかなぁ…。
これまで無視して素通りしてきた、谷を渡ったところにある廃社を覗きに行く。ここは金鳥山八幡谷不動社というそうなのだけれど、この地にあったと伝わる古代文明「カタカムナ」に関連するところらしい。カタカムナの文字は、日本語のルーツだとも言われる。
再建に向けて準備中とのことだけれど、どうなんだろうか。地元だけにカタカムナのことを少し詳しく知りたいとの思いは強いけれど、なかなか機会がない。廃社の奥にある滝の傍でまた休憩をする。滝の横には不動明王の摩崖仏がある。今まで気付かなかったなぁ…。
八幡谷も中ほどまで来ると、えっちゃんと呼ばれる本山でお好み屋さんを営む方が20年ほども掛けてコツコツと自作された方のベンチや手摺りが続々と登場する。既に80歳を優に超えておられるけれど、まだまだ山が本業、お好み屋は副業などと仰っている。
これはヤブラン(藪蘭)というらしい。俳句を始めてから、これまで素通りしていた草花に出会うたびに、画像検索をしてその名前や特徴を調べるようになった。これまた秋の季語に使えるようだ。
湧水を引き込んだ手洗い場がある。傍にはブラシなどもあって、おそらく下山の際の靴の汚れなどを洗い落とす人が多いんだろうけれど、今日は有難く手と顔を洗わせていただく。ちょっとはスッキリしたけれど、歩く意欲は全然高まらない…。
まだまだ暑いけれど、秋は間違いなくやってきているようで、登山道のまわりで鳴く蝉も、法師蝉(つくつくぼうし)や蜩(ひぐらし)だ。どちらも秋の季語になっている。ちょっとした山歩きでも、季節感ある句材には事欠かない。
句材には事欠かないから俳句ができるというものでもない。えっちゃんの作ったベンチに長々と座りながら俳句を捻るが、まるで仕上がらないんだけれど、多くの人に声を掛けられるのは嬉しい。皆さん、同じように予想を超える暑さで休憩多めになっているようだ。
キノコも多数目に付くようになった。これはサルノコシカケの仲間だろう。猿茸ともいう。「さるたけ」ではなく「ましらたけ」と読む。夏でも冬でも見かけるキノコなんだけれど、秋の季語になっている。この辺りが、俳句の世界のイマイチ納得しきれない点だ。
七兵衛山って、こんなに遠かったかなぁ…と思いながら、やっとのことで打越峠。山頂はすぐソコなんだけれど、ここで再び長~い休憩。俳句を考えるため、ということよりも、単純に座り込みたくなってきた。
休憩ばかりを繰り返して、随分と長い時間をかけて七兵衛山(462m)に登頂。神戸の街並みや港をよく見渡すことができる。でも、六甲山の半分の高さしかない七兵衛山でこんなに疲れるとは、情けない。
えっちゃんが長年かけて作り上げたベンチは百人ほどもの収容規模がある。なかでも人気なのは「個室」と呼ばれる樹々に囲まれた定員10人ほどの下段のベンチ。誰も来ないことを良いことに、贅沢にも個室を延々と占拠して俳句を捻る。
気が付けば15時。急に肌寒くなってきた。長い休憩のせいか、足腰の疲労も随分と回復。えっちゃんの製作した「万里の長城」と呼ばれる長い手摺りのある道を辿って、横池、風吹岩を経由して帰ろうかと思ったけれど、自重して、ハブ谷から下山する。
ハブ谷にもえっちゃんのベンチは多数。大して人気の無い細い道なのに、こんなにベンチがいるのかぁ、という声は良く聞くけれど、いやはや大したものだ。もっとも多くのベンチはかなり老朽化し、苔むしてきている。
岡本から青木に向けて流れる天井川の上流になるのだろうか。谷川を渡って八幡谷登山道に復帰。往路とは異なり、すっかりと涼しくなり、ブラブラと岡本駅へと戻る。
距離6.2㎞、獲得標高560m。驚くことに所要時間は5時間40分。超スローペースだ。YAMAPの記録によれば、休憩時間が3時間! 半分以上の時間は座り込んでいたことになる。まあ他のハイカーとの会話も楽しめたし、駄句とはいえ3句ほど作れたし、まあ、ヨシとしよう。
