古代のナラ不思議(宇陀)

2014年12月7日(日)


ゴルフからの帰り道、奈良県宇陀市に立ち寄る。「古代のナラ不思議」というイベントが宇陀を含む奈良県内7ヶ所で開催中なのだ。最近アチコチで開催されている「リアル宝探し」には少々食傷気味だし、七不思議と奈良不思議との掛け合わせは薄っぺらいダジャレに感じるが、我が国を代表する史跡や文化財がテンコ盛りの奈良だけに、そこら辺の宝探しとは格が違うはずだ。



まずは、近鉄榛原駅の前にある宇陀市観光案内所で、「宝の地図」を入手。う~ん、5秒で宝の隠し場所を示す答が判ってしまったぞ・・・。他の市の宝の地図も同時に入手できたが、同じイベント企画会社が開催している他のイベントと比較しても、かなり簡単のようだ。



なかなか立派な市役所だ。いわゆる「平成の大合併」で、大宇陀・榛原・菟田野・室生の4町村が合併して出来た宇陀市は、奈良県の北東部に位置して、三重県にも接する。あまり馴染みの無いところだけに、直接宝の隠し場所に向かうのではなく、少し散策してみよう。



伊勢と奈良を結ぶ交通の要地だった宇陀は、柿本人麻呂の歌にも登場する土地で、特に江戸時代初期には織田信雄が支配する城下町だったらしく、今もその佇まいが残る。稀代の英雄、織田信長の血脈を受け継いで江戸時代にも大名であり続けたのは、皮肉なことに、信長の子のなかで最も暗愚と言われた信雄の子孫だけだ。



大宇陀の中心部に、古い街並みが残る。古い街並みはかなり大きな地域になっていて、半日くらいは歩いて楽しめるくらいの規模になっている。町の景観を維持させるための街づくり活動も盛んのようだ。交通の便の悪いところだが、注目を集める日も近いんじゃないかなぁ。



歴史のありそうな、菓子屋さん、酒屋さん、薬屋さんなどが軒を連ねている。二階建ての、白壁、格子窓、梲、と定番ともいえる商家が並ぶ旧街道風景が、町のあちらこちらで見られる。



以前NHK大河ドラマのオープニングシーンで使われたことで、すっかり有名になったという、しだれ桜の大木「又兵衛桜」。後藤又兵衛が大坂夏の陣の後も生き延びて、僧になってこの地に棲みついたという伝説があるらしい。遠くの山々は昨日到来した大寒波で、すっかり雪化粧だ。



神武天皇の道案内をしたと伝わる八咫烏の像。新宮から吉野を経由して、橿原に入ったということなので、この辺りも通ったのかもしれない。神格化された存在だったのが、日本サッカー代表のマスコットになったせいか、最近では、お茶目な像もよく見かけるようになった。



少し寄り道して、大宇陀付近を見て回った後、宝の地図に記載されていた宝箱を、いとも簡単に発見。宝箱の中にキーワードが入っていた。



橿原・天理・桜井・御所・宇陀・明日香・奈良の7市町に渡る壮大な宝探しイベントだが、ひとつのエリアの解読に掛かる時間は、移動時間を含めても、せいぜい数十分。もう少しひとつの地域を深掘りするような取り組みの方が面白いのではなかろうか、と思う・・・。