東向日~河原町(くるり的阪急京都線スタンプラリー)

2016年9月17日(土)


「くるり的阪急京都線沿線再発見スタンプラリー」という長~い名前のイベントが開催されている。くるり、とは、京都出身の3人組の人気音楽バンドとのことだが、恥ずかしながら、オジサンには初耳だ。毎度のこととはいえ、スタンプラリーのテーマとはお構いなく、歩くモチベーションになりそうなイベントなら、ドンドン参加するのだ。



スタンプポイントは、阪急京都線の大山崎、長岡京、東向日、桂、西院、大宮、烏丸、河原町の8駅の近くにある店舗。全区間20kmと、挑戦しがいのあるウォーキング距離になる。大山崎には初めて降り立つが、京風に設えられたトイレや待合室がとてもいい感じの駅だ。



嫌な予感が当たってしまう。最初のスタンプポイントになっている、大山崎駅前のカフェの店頭にはスタンプが見当たらない。店内にありそうなんだけど、席が空くのを待っている人が何人もいる。しばらく様子を伺っていたが、スタンプだけ押させてください、とも言いだせる雰囲気でもなく、最初のスタンプを諦めてしまう。



出鼻を挫かれてしまったが、次の長岡京駅のスタンプポイントは駅前の阪急そば。蕎麦を食べる食欲もないので、長岡京も諦めて、3駅目の東向日駅まで電車移動する。ここは阪急駅構内のコンビニがスタンプポイント。店頭にスタンプがしっかり置かれていた。



東向日駅前のショッピングセンター。床に竹の絵が描かれているのだが、これがトリックアートになっているらしい。試しに写真を撮ってみると、確かに立体的に見える。



大山崎駅スタートのつもりが、実質的に東向日駅スタートになったため、歩行距離は随分短くなってしまったが、阪急京都線に沿ってひたすら河原町を目指す。10年ほど前に開設された洛西口駅だが、随分昔に物集女駅というのが、この付近にあったそうだ。



陸上自衛隊の桂駐屯地。明日が創立62周年記念行事で、付近の住民の見学なども受け入れるようだ。ここは、兵站など後方支援を担当する部隊が駐屯しているようだ。派手さは無いが、とても大切な任務だ。



スタンプポイントの桂駅が近づいてきた。結構汗ばむ。最近かなり涼しくなってきたが、気温計は31度を表示している。



桂駅構内のコンビニでスタンプを無事ゲットし、次は西院駅に向かう。京の六地蔵のひとつ桂地蔵の前を通る。餓鬼・畜生・人間など六道を輪廻する人々を救済するため、六体セットで作られた地蔵を、平清盛が京に入る6つの街道にひとつずつ設置したんだそうだ。



桂川を渡る。愛宕山がくっきりと見える。台風の影響で、午後からは小雨が降るとの予報だったが、幸い未だ雨の気配はない。



右京警察署が設置している「とびだし注意」の標識。描かれているのは、京都府警のマスコット「ポリスまろん」だ。平安時代の検非違使をモチーフにしたものらしい。



西院駅の手前で、阪急京都線がいよいよ地下に潜る。東京地下鉄の銀座線に次いで、国内2番目の地下鉄になるらしい。



トンネルの入口には「天人併其功」と書かれた額がある。「天の加護と人々の努力が共にあってこそ完成することができた」といった意味だろうか。額の下には、鷲と思しき古い石像も設置されている。完成当時のものであれば、90年近くの間、トンネルを出入りする車両を見守っていることになる。



もっとも、鉄道が高槻から西院まで延伸した当初は地上を走っていたそうだ。今もその名残が西院の駅の手前にある。



西院のスタンプポイントはTSUTAYA。「くるり」の特設コーナーが、店の入り口付近の一等地に開設されていた。



西院から大宮に向けて、阪急京都線と京福電鉄嵐電が平行して走っている。京福の高架もかなりの年代ものだ。



壬生の新選組の壬生の屯所跡(八木邸)に立ち寄る。「誠」の旗が町中にはためいている。



大宮のスタンプポイントは音楽スタジオ。どうやら「くるり」の聖地巡礼という意味合いもあるようだ。勝手の判らない場所なので、どうやって入るのか心配もしたが、音楽スタジオが入っているビルの入口付近に、スタンプ台が設置されていた。



ゴールは近い。大宮から高辻通を東に向かっていると、「道元禅師示寂の地」に出くわす。示寂とは亡くなったということらしい。福井県の永平寺の印象が強いが、京都との関わりが強いようだ。以前久世橋付近で道元誕生の地を発見したが、示寂の地も京都だ。



烏丸駅のスタンプポイントは、四条と五条との間にある高辻通にある日本画用絵具専門店。先日の祇園祭では山鉾「保昌山」があったところだ。休業日ではあるが、店先にスタンプ台が設置されていた。



仏光寺通にある小学校の玄関付近に、洛央水琴窟「天水琴」と書かれた井戸のようなものがある。何のことかと観察していると、たまたま通りかかった小学校の関係者らしきオジサンが丁寧に説明してくれた。雨水排水を甕に落とし込み、音でも楽しめるようにした江戸時代の庭師の秘伝を再現したのなんだそうだ。耳を当てると、軽やかで涼し気な音が楽しめた。



シルバーゾーンと書かれた標識がいくつか見られる。特に老人専用の道ということもなさそうだし、休憩ベンチがある訳でもない。高齢者に十分配慮した車の運転を呼び掛けるもののようだ。



河原町駅改札付近の売店が最後のスタンプポイント。どこのスタンプポイントでも、何人もの人がスタンプ台に並んでいた。「くるり」って、かなりの人気があるバンドのようだ。これまで知らなかったことが、ちょっと恥ずかしい。



スタンプは、くるりの楽曲のタイトルを、電車のプレート風にデザインしたもの。なかなか可愛い。インクのノリもいい感じだ。



結局、8駅中6駅に終わってしまったが、阪急電車のクリアファイルをいただく。長岡京の阪急そばでは、蕎麦を食べずともスタンプを押せたのではないかとも思えるし、大山崎のカフェでも思い切って店のドアを開けてみればよかったのかもと少し後悔してしまう。



歩行距離は14km弱。西京極駅付近を除くと、当然のことながら、阪急京都線をなぞるように歩いている。