宇治十帖スタンプラリー (2016)

2016年10月23日(日) ②


もう10年ほども、欠かさず参加している宇治十帖スタンプラリーに今年も出掛ける。ウォーキングとしてもよく出来たコースで、主催者のホスピタリティも群を抜いている。個人的には、キング・オブ・スタンプラリーと高く評価しているイベントだ。



朝9時25分頃にJR宇治駅に到着。既に宇治駅前のスタンプポイントには9時半のイベント開始を待つ長蛇の列ができている。参加者が毎年増えているようで、おそらく多くの人たちは毎年このイベントを楽しみにしているリピータだろう。



昨年に続いて、今年も逆回りをする。四国八十八ヶ所でいうところの「逆打ち」だ。も昨年は中途半端な逆打ちだったが、今年は忠実にコースを逆行することとする。 まずは天ヶ瀬に向かう道沿いにある縣神社に向かう。朝も早いうえに、逆打ちなので境内の人は少なく、ワンちゃんがノンビリ拝殿の前を散歩している。



宇治川左岸を遡り、もみじ谷を登って白山神社を目指す。正規の自動車道ではなく、もみじ谷を登っている時点で忠実な逆打ちとは言えないが、渓流に沿った深い緑に囲まれたこの自然道は大のお気に入りなので外せない。



もみじの木が数多く、 頭上も紅葉の葉で覆われている。晩秋ともなると、山全体が赤く染まるのではないかと思われるが、実のところ、紅葉シーズンにはここに来たことがない・・・。今年は特に暑かったせいか、未だ紅葉の兆しさえ感じられない。



白山神社への長い階段。スタンプポイントは階段の下にあるので、順行コースで疲れの溜まった終盤にやってくると、ここでUターンすることもあるんだけど、今日は未だ序盤。元気一杯で階段を上って参拝する。



自動車道で川べりの道に戻り、 再び上流を目指す。かつては車を気にしながら歩いていたこの道も歩道が整備されて随分歩きやすくなった。川側に張り出すように歩道が増設されているが、護岸から生えている木は切ることなく歩道が設置されている。ここまで自然に気を遣うとは、なかなか出来ないことだ。



天ヶ瀬の吊り橋。 何度来てもワクワクする。剛健さを伴うレトロ感、そして微妙な揺れ加減がたまらない。以前は、さらに天ヶ瀬ダムまで歩いていたのだけど、長らく工事のためコースが短縮されている。



吊り橋で宇治川の右岸に渡り、今度は下流に向かって歩き出す。スタンプポイントになっている興聖寺の参道にある石塔が気になる。岩の上に立っているんだけど、いかにも危なっかしい。でも、この形で何百年も経っているのだから、きっと絶妙のバランスが保たれているのだろう。



興聖寺の山門前にある茶筅塚。茶どころ宇治ならではのものだ。



このコースの最高峰、仏徳山に登る。前から下ってくる人が圧倒的多数なので、道を譲ることばかり。もっとも、それがいい感じの息継ぎになって、全く息もあがることなく、頂上まで登りきることができた。



いつものことながら、弁当広場となっている仏徳山のスタンプポイント。風も涼しく、宇治市街や宇治川を見下ろす景色もすばらしい。空には雲が多いが、ウォーキングにはもってこいの日和だ。



仏徳山からは、宇治の平等院もしっかりと見ることができる。入場料を支払わなければ見ることができない鳳凰堂なども遠目ながらも見えるので、ちょっと得した気分になる。



仏徳山を下ってしまうと、後はほぼ平地の街歩きが残るだけ。世界遺産をえらくアピールしえいる宇治上神社や、兎の手水がユニークな宇治神社などを巡り、スタンプの数を着々と増やしていく。



恵心院。恵心僧都がここで説法をしていたそうだ。恵心僧都といえば、先週比叡山で恵心院を訪問したばかり。ここは空海開基の真言宗の寺院だが、天台宗を代表する僧のひとりである恵心僧都がこの寺を再興したという。う~ん、ややこしいぞ。



恵心院の門前にある福寿園の宇治工房。当然といえば当然なんだけど、設置されている自販機は、見事に伊右衛門ばかり。物珍しいのか、写真を撮る人が多数見られた。



そのうちに行こう、と毎年思っている源氏物語ミュージアムは今年も素通り。エントランスで美しい紫色の実をビッシリとつけている「ムラサキシキブ」を撮影するだけで次のスタンプポイント三室戸寺に向かう。



三室戸寺から厳島神社、と勝手知ったる道を進み、スタンプラリーも終盤に入った。厳島神社の奥には、茶畑が広がっている。



宇治といえば、茶団子や抹茶ソフトクリームを販売する店が多く、緑色の団子やソフトクリームの大きな模型を店頭に据えている光景がアチコチに見られるが、いよいよ抹茶パフェの模型も現れた。製作に苦労したのではなかろうか。



お茶と関連したことかどうかは不明だが、電力の鉄塔の多くも緑色をしている。



京阪宇治駅の傍にある、源氏物語第五十帖「東屋」の観音像。良いお顔の観音様だが、傍らの賽銭箱には封印がされて、「賽銭をしても泥棒が持っていくので、賽銭を入れないように」という、何やら寂しい注意書きが貼られていた。



京阪宇治駅。京阪の駅なのに、JRが駅舎の真ん中を突き抜けている。JRの線路が先にあったところに、限られた立地条件のもとで京阪の駅が作られたのだろうが、不思議な光景だ。



宇治橋や平等院のスタンプポイントを次々と回り、21のスタンプを全制覇。昨年と比べて代官所前が、スタンプポイントとしては姿を消している。キング・オブ・スタンプラリーといえど、何故かスタンプポイントは少しずつ減っているようだ。ゴールの中の島では、例年と異なり鵜飼の船が未だ営業中だった。



ゴールポイントでは、宇治茶娘がお出迎えをしてくれた。お茶屋の娘の格好をしているが、宇治の宣伝大使「ちはや姫」が変装しているようだ。



 今年も美しいスタンプがズラリと勢ぞろいした。程よい距離を歩いて、美しいスタンプが揃うと、何とも言えない達成感がある。



完歩の抽選で、橋姫賞をゲット。なんと、毎年スルーしている源氏物語ミュージアムの招待券だ。昨年は早蕨賞で、黄檗寺の招待券も貰った。長い間、末等の絵葉書しか貰えなかったのだが、最近は結構運気が上がっている。



飲食店や土産物屋で賑やかな平等院の参道を通ってJR宇治駅に向かう。昨年までは目にしなかった、抹茶ラーメン、抹茶餃子、抹茶ビール、抹茶たこ焼き・・・などなど、不思議なメニューが随分と増えているようだ。もっとも、あまり美味そうには見えない・・・。



本日の歩行軌跡。コース全長は13.5kmだが、17kmほど歩いたという記録になっている。まあ、アチコチの寄り道やらもあったので、こんなものだろう。



今年も期待を裏切ることのない、良いイベントだった。主催者やボランティアの方々に深く敬意を表したい。