2016年10月16日(日)
比叡山スタンプラリーに出掛ける。5つのスタンプを歩いて集めているヤツもそうそういないだろう、と自己満足的に毎年続けてきた。毎年比叡山の玄関口、坂本から登るのだが、今年は趣向を変えて雄琴から歩き始める。
スタンプポイントにもなっている雄琴温泉公園では、ちょうど100km歩行大会のゴールになっている。昨日9時前に長浜を600人が出発し、12時間余りで100人ほどがゴールしたようだが、例外なく疲労困憊状態。そりゃそうだろう、不眠不休で100kmを12時間、ということは、半分以上は走っているはずだ。
最近入手したスマホアプリ。カメラをかざすと、山の名前が現れる。もっとも代表的な山しか入力されていないようで、また見えるはずの無い、ポンポン山や愛宕山まで表示される。
道中、コンビニが見当たらず、食料もなく、飲料も僅かしかない。せめて飲料だけでもと、ニュータウンの坂を下り、自販機往復に1km以上をロスしつ、飯室谷不動堂に到着する。浄刹結界址の石柱がある。かつては、ここからは女人禁制だったということだ。
4年ぶりの飯室堂ルート。前回は随分疲れたという記憶がある。今年はゆっくりと休憩することを肝に銘じて登る。幸い気温は低いが、前回驚かせてくれた、ボロボロの休憩小屋も有難く使わせていただく。
飯室堂ルートで上り、横川、西塔、東塔と歩き、無道坂ルートで下る。今年は千日峰回行を意識したコースを考えている。飯室堂ルートは、登りばかりが続くルートにウンザリしがちだが、時間をかけてゆっくり進む。時間はたっぷりあるのだ。
結局、あまり疲れることもなく、水もほとんど飲むことなく、横川付近までやってきた。
スローペースと気温によるもので、4年前から体力アップしたとは到底思えない。今年は恵心僧都入寂1000年ということで、恵心院には5色の布が飾られている。
横川中堂の近くに、比叡山との縁が深い高浜虚子の供養碑がある。近くには虚子の句碑も建てられている。「清浄な月を見にけり峰の寺」。
ちょうど正午頃に横川中堂に到着。今まで気付かなかったが、お堂には鬼瓦のようなものがある。お参りも早々に、次に進むが、おなかが減って堪らない。
比叡山ドライブウェイに沿うかたちで、西塔(釈迦堂)を目指して歩く。京都一周トレイルの道でもあり、東海道自然歩道でもある。
毎度のことではあるが、玉体杉の根本は、弁当広場と化している。
京都方面はガスが少し掛っているものの、宝ヶ池や鴨川、そして御所などが、はっきりと肉眼で確認できる。
大きな最澄像がある峰道ドライブウェイでようやく昼食。さらにアイスクリームまで食べてしまう。
再び、ドライブウェイに沿った山道をテクテク歩く。西塔の手前で、狭いトンネルを通って、ドライブウェイの下を潜る。
釈迦堂。修学旅行生だろうか、若い人たち大勢を前に、お坊さんが講話をしている最中だった。
西塔エリアから東塔エリアに向かう間に、非常に鬱陶しい坂道がある。石段も高く、足腰への負担が急激に増す。
弁慶水。弁慶が飲んだのだろうか。いつも気になっているが説明板の類はない。内部で水が湧き出ている音がするのだが、扉は固く施錠されていて内部の様子を窺うことさえ容易ではない。
いよいよ東塔エリア。根本中堂の大屋根。
スタンプは5つ集めたが、記念品は遠慮しておく。厳しい山歩きのモチベーションになっていることは確かだが、スタンプを集めて貰えるものは、失礼ながらセンスの悪い皿や湯呑の類で、最近すべて処分してしまった。
比叡山の自衛消防隊。ナンバープレートが無いものもあるが、比叡山境内が公道ではないからだろうか。失礼ながら、消防車はかなり旧式のものとお見受けした。国家的にも重要な建造物を守るためにも、そろそろ新型に替えてはどうかと思う。
無道坂を目指して、ケーブルカー乗り場方面に下っていく。ケーブルカーの延暦寺山駅は、レトロな雰囲気が漂う重厚で落ち着きのある駅舎になっている。
無道坂に針路をとる。鳥居や扁額は山上に向かって建てられている。
琵琶湖・大津方面がキレイに見渡せる。登りも大変だが、あそこまで下らなければならないと思うと、ちょっと憂鬱になったりもする。
かなりタフなコースと思っていたが、無道坂って、随分整備されていて歩きやすい。これでは、ちっとも千日峰回行がイメージできない。
千日峰回行で、断食、断水、断眠、断臥の四無行が行われる無動寺明王堂を過ぎ、唐門がおしゃれな玉照院など、いくつかのお堂を巡るように道は続いている。
玉照院を過ぎたあたりから、急に道が悪くなる。動物除けの鉄柵フェンスの先は、デコボコの難路となっている。
ある意味、下りより登りの方が楽ともいえる。登りは自分のペースで歩けるが、下りは重力のせいで、否応なくスピードがあがって、それが足腰への負担となる。
長い無道坂を降り切って、坂本の町に入ると、唐突に道端に大観音像が立っておられる。高さは3mをゆうに超えていそうだ。疲れのせいで坂本駅まで歩く気にならない。近くの京阪の松ノ馬場駅から帰宅する。
本日の歩行軌跡。25km歩いたことになっているが、一部GPSの電波が飛んでいることも考慮すれば22~23kmほどだろう。歩数計は約33000歩。