2012年4月7日(土)
伏見稲荷~清水山~蹴上~大文字山~北白川
本日から何日か掛けて、京都一周トレイル(72km)に挑戦することにした。
昨年冬に地図を買ったものの、寒い間はさすがにムリなので、桜も見頃になった今、満を持してスタートだ。一昨年に琵琶湖一周を達成したが、220kmあったとはいえ、ほとんどが舗装された平地のコース。今回のような山道は距離は短くても何倍も困難なものに感じてしまう。
図にあるように、基本的には伏見稲荷から上桂までを7日間で踏破するもののようだが、健脚の方は3~4日でやっつけてしまうようだ。単なる山歩きではなく、京都外縁の名所旧跡を訪ね歩くコース設定になっている。そのため、多くの人がこのコースを楽しんでいるようで、ネットで検索すれば相当な数のブログがヒットする。
さて、3年前の滑落事故で激しく傷めた足腰、以来日増しに出っ張ってきた腹・・・・、54歳のおじさんは果たして何日で完歩できるのだろうか。
(1)京阪伏見稲荷駅
京都一周は、京阪伏見稲荷駅からスタートする。
満を持したはずが、伏見稲荷駅を出発したのが11時! 伏見稲荷の周囲は観光客でいっぱい。さあ行くぞ、という気合がなかなか入らない。もう2時間ほど早ければ、余裕のあるトレッキングができるのだが、前日の仕事が遅くまで掛って、ゆっくり寝てしまった。
駅の前に、道順を示したトレイルコースの標識1番がある。このあと、この標識を辿っていくことになる。
(2)伏見稲荷大社
相変わらず朱色が鮮やかな神社である。稲荷神のお使いのキツネが出迎えてくれる。トレッキングというより、観光気分で、御賽銭を奉じて、各社にお参りをする。
千本鳥居は記念写真のベストスポットで、休日の昼間には人が入り込んでいない写真を撮るのは難しいのだけど、奥の方に進むと、観光客も疎らになってくる。
(3)泉湧寺、今熊野
伏見稲荷の奥山から北上。住宅にも近く、あまり山歩きという感じではない。逆に言えば、道の分岐が多くて、標識を見落とすと違う道を行くことになる。
泉湧寺近くでも全然違う道にたびたび入ってしまった。山道でないだけにドンドン歩けるし、掲示物も多い。道を間違っても大したことにならないという気楽さもあって、標識に注意が向いていないのだろう。泉湧寺には興味があったけど、拝観料が必要なのでパス。
道を間違ったおかげでコース上には無い今熊野観音寺とかに立ち寄ることができた。もっとも、このあたりで30分はロスしてしまった。さらに寺社参拝をこまめにしているので、かなりのスローペースだ。
今熊野を過ぎると、山際の瀟洒な住宅街を通過する。家の前にテーブルを置いて、手作りのジャムやケーキが売られていた。無人販売所である。フルーツケーキひとつ(100円)を買ってパクつく。いくら歩いても、食べるものを抑えないと痩せないんだけどねぇ。
(4)清水山から粟田神社
伏見稲荷を出発して100分ほど経って、やっと山道に入る。昨年12月に楢枯れ対策イベントの薪割&ウォークで歩いた道でもある。道の傍らに虫害を受けたナラを伐採したものが積まれている。楢枯れウォークではゆっくり歩いたけど、あらためて歩くと、そこそこしんどい。
清水山山頂に到着。先日買ったSUUNTOの腕時計の高度計が、ほとんど山頂の標高表示とピッタリなので嬉しかった。出発時に適当にチューニングしただけど、なかなかのもんだ。清水山到着が13時46分。やばいなぁ。いくらなんでも15時前に蹴上を通過しないと、大文字方面に向かうのは無理だ。
将軍塚を過ぎたあたりで少し腰をおろして、コンビニで買ったおにぎりを食べた。出発した直後、うっかり下り道のぬかるみで足を滑らして、足と背中が攣りそうになった。ある程度疲れが溜まった下りが要注意だと改めて感じた。痛みを堪えて、せっせと歩いて、三条通にほど近い粟田神社までやってきた。学生時代にこの近くに住んでいた友達の下宿によく来たものだが、実際に神社を訪れたのは初めてだ。
(5) 蹴上
蹴上は桜が満開で大変な人混み。前に進むのも一苦労。
蹴上到着が丁度15時。京都一周トレイルの一区間を踏破したことになる。今日はこれまでとして地下鉄で帰るか、それとも大文字に向かうか、人混みの中で大いに迷う。もう一区間行くには、ギリギリの時刻だ。疲れはそれほどでも無いが、将軍塚で痛めた背中と足が気になる。行くとなったら、途中にギブアップポイントは無いので、北白川まで行くしかないのだが、3時間あれば大丈夫と考えて、そのまま進むことにした。
(6)大文字に向けて
歩き始めたものの、かなり登りがきつい。大文字山は標高460m強で、清水山の倍ほどある。右足の太ももが引きつってきた。やめときゃ良かったかな、と思いつつも、途中で下山する適当な道も無い。
それにしても、このあたりの地層は垂直になっているところが多い。東西から強い力が働いて盛り上がって出来た山だからだろう。
岡崎あたりの疎水が見えた。馴染みのある景色が見えると、自分がどこにいるかがはっきりして少し元気になる。
標識45番までやってきた。ここまで、大文字山の山頂を経て、銀閣寺に下山するものと思っていたのだが、標識の道順を見ると、山頂の少し手前で鹿ケ谷に下山するコースになっていた。大文字山から銀閣寺に下りる道はよく知った道だが、鹿ケ谷に向かう道は初めてなので、道順どおり進むことにした。16時47分。山の西麓なので日は長いだろうが、急がなければならない。目の前にして、久々の大文字山頂は諦めた。
(7)鹿ケ谷
比較的整備された林のなかを進む。木立から漏れる西日に向かって、気持ちのいい道だと思っていたが、徐々に大変な急坂となっていく。疲れた足に急な下り坂は堪える。
鹿ケ谷の陰謀で有名な俊寛の碑。こんな山の中で平家打倒の密議をしていたのか、と驚いたが、この碑とは別に、密議が行われたという山荘跡はこれよりかなり麓にあった。鹿ケ谷の陰謀というのは平清盛のでっちあげ、という説が最近有力だが、NHK大河ではどう扱われるのだろうか。
俊寛の碑のところで、道を誤った。こんなところを下りていくのか、と思いつつ、川沿いの道(というより、川の脇の僅かな隙間)を進んだが、さすがにおかしい、と感じて戻る。正しい道を見つけて下りていくと、楼門の滝という結構な大きな滝があった。誤った道で足でも滑らせていたら、そのまま滝に落ちていたと思うと、ぞっとした。
(8)北白川
足を引きずりながら、やっと北白川の哲学の道まで下りてきた。哲学の道の桜が大好きなんだけど、残念ながらまだ三分咲きというところだ。ここまで来るともう安心だ。17時50分。かつて住んでいたところだけに懐かしい。
懐かしい街並みを見て回った。 大学の一回生の時に下宿していた建物は無くなっていた(写真の左側の空地)が、隣にあった同じ構造の建物は残っていた。35年前に住んでいた時も、ボロ家だと思っていたけど、一体築何年になるのだろうか。
白川通の銀閣寺道で今日はお終い。昔よく行った食堂(大銀とか李白とか)や喫茶店(バンビ)が残っていたのは嬉しかった。それにしても疲れた。東山コースの一区間目、二区間目は最も楽なコースのはずだが。明日は晴天だというが、次の区間は比叡山登頂、さらに、その次の区間は大原までの難所の多い道だ。まあ今日のところは、11時スタートで2区間踏破したことに満足しておこう。明日は早起きしよう。
まとめ
歩行距離 17.4km
所用時間 430分 (7時間10分)
歩数 32100歩 (しっかり14700歩)
山道は疲れる割に「しっかり」がカウントされにくいのが寂しい。