2013年7月6日(土)
4年前の6月、滑落事故で2ヶ月間の寝たきりを含む、3ヶ月半の入院をする大怪我を負った、玉川峡に出掛ける。滑落事故から1年後に再訪して以来なので、3年振りになる。南海のハイキングマップには、家族ハイキングのイラストが載っているが、実際は結構ハードなコースだ。
南海高野線の高野下駅をスタートする。駅名から、高野山に向かうケーブルに接続していると勘違いする人が多いらしく、駅のあちこちに注意書がある。3年ほど前には駅員がいたように記憶しているが、いつの間にか無人駅になっていた。
高野下駅から、丹生川に沿って、東に向かう。日射しはきつくないが、温度は高い。それよりも堪えるのが湿度の高さ。清流沿いの涼しげな道のはずだが、ジメッとした風しか吹かない。
丹生川は山々を縫うように流れている。ここから、2時間以上、丹生の滝のあたりまで、ずっとこのような景色が続く。
鮎やアマゴの友釣りをしている人が多くみられる。川辺でバーベキュー、キャンプ、水遊びをしている人たちも多い。以前2回は6月に訪問したが、やはり7月以降に訪れる人が多いようだ。
丹生川を渡る橋が所々に架けられている。吊り橋も見られる。これは大柳橋だ。
延々と丹生川沿いの道が続く。丹生川は美しいが、変化に乏しい道で、かなり退屈だ。それでも体力は徐々に暑さと湿気に奪われていく。
滑落事故を起こした丹生の滝付近に近づいてくると、崖状に切り立った林が多く見られるようになる。4年前には、このような崖を滑落した訳だが、正確な滑落ポイントは今となっては確かめようが無い。
このコースのハイライトは、丹生の滝。ハイキングマップにも大きく取り上げられているのだが、この滝に行く道が判りにくい。九度山町と橋本市の境にある、滝から丹生川に流れ込む清流が目印になる。
道端に、長さ20cm程度の小さな看板が落ちている。以前は立木に固定されていたように思う。元々目立たない看板だったが、これでは、滝の存在を知っている人以外が立ち入ることは、まず無いだろう。この先の道は整備されていないため、あまり入ってほしくないのかもしれないし、限られた人だけのための癒しポイントであってほしい、ということかもしれない。
滝に向かう道が、かなりの難路。道が不確かなうえに、細く、坂も急だ。木に掴まったりしながら、攀じ登る。
丹生の滝は、高さ25m。水量も多く、落差もあるため、水飛沫も凄い。知る人ぞ知る穴場のようになっていて、他のメンバーに出会うことはまずない。滝の音を聞きながら、マイナスイオンを全身に浴びて、着替えと食事をする。1時間くらい、ぼーっとしていたいところだ。
以前の南海ハイキングマップは、紛らわしい地図になっていて、丹生の滝から、北西を走る国道371号に抜けれるように読み取ることができたため、その方向に登って行ったが、その結果、道も無くなり、滑落してしまった。この藪の中を突き進んでいったのだが、何とも危険な道を進んだものだと、今更ながら感じる。
このような枯葉が積もった林の中を滑り落ちたことは、記憶しているが、岩や木によく引っ掛からなかったものだ。丹生川沿いの県道まで、落ちたのが幸いして、たまたま通行していた車とバイクに助けられた。
救急の方は、滝の横からならば、40mは滑落している、と言っておられたが、実際のところは判らない。大怪我は滑り落ちている途中ではなく、道沿いの土留めのところで大きくジャンプして、道に体が叩きつけられたことに依るようだ。特に骨盤の損傷がひどかったが、よくまあ、生きていたものだ。1年後には、滑落現場を再訪できるまでに復活できたのも、お医者さんや救急の方々をはじめ、多くの人に助けていただいたおかげだ。
滑落して、かなりの時間、こんな感じの道に横たわっていた。血だらけだったにも拘わらず、不思議と痛みは感じなかった。顔がひどく腫れるだろうなぁ、会社で何て言い訳しようかなぁ、なんてことを考えていた。しかし、1~2時間後?救急車が到着して、体を触診されて初めて、喩えようもない激痛を感じた。その後何日も続いた激痛と悶絶は筆舌に尽くし難い・・・。
丹生川に沿って南下し、犬戻というところで一転北上する。まさにヘアピンカーブにようになっている。ここから、国城山に登り、紀伊清水駅まで歩くのだ。この辺りで全行程の半分が過ぎたことになる。
どちらを見ても山また山だ。
国城山に登る途中、道を間違えてしまう。登り道でなければならないのに、なぜか下りが続く。どうやら、青渕という集落に向かっているようだ。道は、青渕を経て、往路に歩いた丹生川沿いの県道に戻っていくことが判った。間違いに気づいても、下りた道を再度上る気にならない。疲れも半端無いし、結局、丹生川まで下って、再び高野下駅に戻ることにする。
丹生川に沿って歩いていると、果樹が多いことに気づく。まだ青く小さいが、この地区の名物にもなっている、柿が実を付けていた。これは梅のようだ。柿と同じく、未だ青く、小さい。
小さなサイズだが、枇杷のような果物も見られる。こちらは、かなり色づいている。
これも小さいが、採って割ってみると、桃系の果物だと判る。
キウイのようにも見えるが、野生のキウイが生えているとも思えない。おそらくマタタビではなかろうか。
暑さのせいか、体力低下せいか、4年前の記録に比べて、大幅に歩くスピードが落ちていた。高野下駅から丹生の滝まで、4年前は135分、3年前は136分だったのが、今日は155分も掛かっていた。
まとめ
歩行距離 約20km
所要時間 345分 (5時間45分)
歩数 37900歩 (しっかり 34800歩)