六甲山系スタンプウォーク(古寺山からガーデンテラス)

 2022年7月22日


YAMASTAスタンプゲットのため、六甲山上記念碑台とガーデンテラスを目指して山小屋風の可愛い駅舎を持つ神戸電鉄六甲駅を出発する。このところ山に登るだけで疲れ果ててロープウェイなどで下山することが続いているので、今日は表六甲に自力で下山したいものだ。



先週の炭ヶ谷道では蚊の大群に襲われて酷い目にあっただけに、今回は鉄壁の防衛体制で臨む。シュラインロードには蚊は見られなかったとの最近の山行情報はあるものの、携帯蚊取り線香、ハッカ油スプレー、さらにオニヤンマ君をWで装備だ。



古寺山への表参道はちょっと荒れたところもあるけれど、高い杉の木が日射しを遮ってくれるのが有難い。とてもいい風が吹いているし、何より蚊の気配は全く感じられない。睡眠も十分だし、体調も悪くない。道も迷うようなところがなく、快調に進んでいける。



心拍数をチェックしながら、ゆっくりと坂を登っていくと、古寺山の山頂標が現れた。あれぇ、もう到着したのか。こんなに気持ち良い登山も久しぶりだ。腰を下ろしてのんびりしていたけれど、ふと周囲を見渡したら、どう見てもここは頂上じゃぁない。



あらためて古寺山の山頂を目指して杉林のなかを登っていく。偽りの山頂碑に騙されたけど気分は悪くない。風がすごく気持ちいい。今日も30度を超す真夏日になるとの予報だったけれど、とてもそんな風には感じられない。むしろ肌寒いくらいだ。



気持ち良すぎる。木漏れ日といい、気温といい、湿度といい、風といい、あまりに気持ちいい。眺望もないし、疲れている訳でもないのに、いつまでもここに座っていたい気分だ。うまい具合に背もたれのある岩に座り込んで、ゆらゆら揺れる杉の木を長々と見上げている。



古寺山の山頂。もともとは平清盛ゆかりの多聞寺があったらしいけれど、義経を道案内することを断って焼き払われたそうだ。頂上には「清盛の涼み岩」というものがある。でもこの頂上より途中の杉林の方が遥かに気持ち良く涼めた。



古寺山から一旦下山してシュラインロードへと向かうが、道がムチャクチャ荒れている。倒木や生い茂る笹が行く手を遮る。路面自体は悪くないので、道に間違いないと思い込んで腕に擦り傷を負いながらも進んでいったけれど、さすがにおかしい。



YAMAPで確かめると全然違う方向に進んでいた。やっぱりなぁ…。もっと早く現在位置を確かめるべきだった。無理して元の道にショートカットしようとするも、あまりに藪が深くて断念。せっかく古寺山まで気持ちよく歩いてきたのに、服もドロドロになってしまった。



正しい道になんとかやってきたけれど、古寺山への登り道のような快適な道ではない。笹をかき分けて進んで行く。日当たりのせいか、随分暑く、そして蒸し暑く感じてきた。



何度か来たはずの道だけれど、困難だったっけ…。逢山峡からの道に合流してシュラインロードに入る道は茂るに任せた草木に覆われている。行先案内標がなければ、そこが道だとは気づけないほどだ。



何体もの石仏が見られるシュラインロードの木段をテクテクと登っていく。決して急坂ではないけれど、少し疲れてきた…。まだまだ序盤だというのに、この調子でガーデンテラスを経て御影まで下りることができるだろうか。ゆっくり進んでいこう。



シュラインロードを登り切り、記念碑台までやってきた。六甲山開発の祖と呼ばれるイギリス人グルームを顕彰する胸像がある。建立は明治時代だが、現在あるものは二代目だ。戦時中に敵国人だということで取り壊されたという。



スタンプも無事ゲット。記念碑台の傍のベンチで休憩していると、気温は25度と絶好のコンディションだ。ところが腕時計に表示されている気圧が急激に低下し、1000hPaを切っている。天気を確認すると、いつの間にか間もなく雨の予報になっている。



幸い小糠雨。むしろ気持ちがいいくらいの雨のなかを、東に進む。これまで入場したことがなかった高山植物園に立ち寄る。あと3ヶ月でシニア割引対象になるんだけれど、見頃だというヤマユリが見たくて入場。



黄色いニッコウキスゲが群生している。ユリの仲間に見えるけれど、ワスレナグサの仲間なんだそうだ。朝咲いた花は、夕方には萎んでしまうという。派手な見かけと違って実は儚い花だ。



ヤマユリ。でかい。でかすぎて茎が花弁を支えきれないのか、どれも深くお辞儀をしている。



ハエトリグサをはじめ、食虫植物の植木鉢がいくつも販売されている。最近ブームなんだそうだ。とても気になるぞ。虫を与えなくとも育てられるらしい。



テクテク歩いて六甲ガーデンテラスまでやってきた。昔は無線塔が林立するばかりの場所だったけれど、近年色々な集客施設が増えて賑わっている。多くの人はここが六甲山の山頂だと思っているようだ。



まあ山頂まで行かなくとも、この辺りからの見る神戸の街並みも素晴らしい。気温はさほど高いとは思わないけれど、日陰もない広場にいるとかなり暑く感じられる。それでも標高は900m近いだけに、下界に比べれば5度くらいは低いはずだ。



六甲ガーデンテラスのスタンプもゲット。スタンプにあしらわれた花はニッコウキスゲだろうか。これにてYAMASTAの六甲山スタンプラリーの5つ目のコース(摩耶山〜ガーデンテラス)もコンプリート。残るは六甲山頂~宝塚のみだけれど、かなり苦労しそうだ。



ガーデンテラスから近い石切道を使って御影に向けて下山する。メジャーな登山道だと思うけれど歩く人も少なく、道も狭い(下るに従って徐々に広くなっていくけれど)。正直なところ、あまり好きな道ではない。



石がゴロゴロしていて歩きにくい。さらに急な段差もある。昔のように軽やかに下ることはできず、ドスンドスンという感じでぎこちなく下っていくものだから、膝を痛めそうでならない。



半分くらい下ると住吉川の音がはっきりと聞こえてくる。ところが音が聞こえ始めてから川に至るまで1時間くらいは歩かなければならない。静かな山のなかでは川の流れる音が随分と遠くまで届くようだ。



天候にも恵まれ、ゆっくりとではあるけれど久しぶりに自分の足で下山して阪急御影駅でゴール。距離15.2㎞、獲得標高890m。所要時間は8時間40分。2年前にほぼ同じコースを6時間ほどで歩いているだけに老化による体力低下は明らかだけれど、達成感はまあまあ高い。