平野谷西尾根【六甲山系】

 2023年2月9日


平野谷西尾根に向かう。あまり訪れるハイカーもいない平野谷には皿木谷を進む谷道と2本の尾根道が走っているけれど、谷道と西尾根道はさほどの難路でもないという。とはいえ以前谷道で遭難寸前の道迷いをしただけに、気を引き締めて五宮神社の脇の細道を登っていく。



実は以前も平野谷西尾根を歩こうと思ったことはあるのだけれど、登山口が判りにくく、結局谷道へと向かった。谷道へと向かう道から分岐する心細そうな道がきっと西尾根に続くと考えて、登っていくことにする。



歩き始めてしばらく進むが、西尾根に登れず、西尾根のさらに西にある名も知らぬ谷を進まざるをえない。写真右手にある西尾根の斜面は険しく、容易に登れそうなところが見当たらないまま堰堤までやってきた。



堰堤横の階段は落ち葉や土に段が覆われて、ただの滑りやすい斜面のようになりかけている。手摺りがなければ登っていくのも躊躇われる。



谷を進んでいくことは難しくはないけれど明らかに方向が違うし、なんとか右手の尾根へと登りたいのだけれど、登れそうなところが見当たらない。



一旦堰堤まで戻り、比較的緩い斜面を攀じ登っていくことにする。明らかに最近誰かが歩いた足跡が残っている。写真では大した坂ではないようだけれど、そこそこの勾配だ。さらに平野谷特有の緩い地盤に落ち葉がうず高く積っているだけに実に厄介だ。



苦労して何とか西尾根まで辿り着いた。登山道を示すと思われる青いテープもある。これで一安心、と思ったのだが…



何ともか細い道が続く。しかもかなり痩せた尾根が続くうえに、いくつものピークを越えたり登ったりする。眺望もなく、あまり楽しい道ではない。



青いテープに導かれてズルズルと滑りやすい道を下る。登ったり下ったりでウンザリしてくる。



が、どうも様子がおかしい。木の隙間から見える菊水山や鍋蓋山の方向に違和感を感じ始める。道も草だらけで怪しくなってきた。



YAMAPの軌跡を見ると、やっぱり全然違う方向に向かっていることが判る。



あらためて間違った地点に戻ると、何とも見つけにくい方向に下る急坂があることに気付く。掴まるところも少なく滑りやすい。見っともない恰好だけれど、ここは安全第一でお尻をつけて滑るように下っていく。



随分な痩せ尾根の上に連なる細い道を進んでいく。なぜだろうか、全然爽快感はない。眺望がないせいだろうか。



笹はどんどん深くなる。背の高さほどもある笹をかき分けながらの前進となるけれど、幸い足元がしっかりしている。



尾根道だというのに眺望はイマイチ。何度も後ろを振り返りながら眺望の良くなっていないか確認するけれど、もっとも眺望が良いところでもこの程度。アップダウンが多い割に標高も低いうえに低木で視界が遮られているところが多い。



アンテナ塔が立つ菊水山が見えるけど、随分と遠くに感じる。平野谷西尾根から鍋蓋山、そして菊水山へと縦走するつもりだったけれど、もう進む気を失っている。



とにかく枝道が多く、危なっかしい。ここまで道間違いを繰り返しているので自分の位置を慎重に確認しながら進むけどYAMAPにも細かな枝道は記載されていない。まったく罠だらけの道だ。



道のような道でもないような道をズルズルと下り、平野谷に合流。「平野谷西尾根は迷いやすく危険になっています」とある。激しく同意。登り口にはこんな看板は無かった、ということは登り口も間違っていたということだろうか。



特に危険なところは無かったし、険しい登りもなかったけれど、道間違いなど気を遣うところばかりが続いたせいか妙に疲れてしまった。このまま突き進むと鍋蓋山だけれど、平野谷の谷道を通って帰ることにしよう。



とはいうものの平野谷も罠だらけの道ということは身に染みている。2年ほど前には枝道に入り込んで遭難寸前になった道なのだ。



しかしその後2度ほど歩いているので、間違いやすい個所は覚えている。いくつかの迷いやすいところさえクリアできれば、平野谷西尾根より遥かに歩きやすい



相変わらず平野谷は倒木や粗大ゴミが多い。谷道特有の薄暗さも相まって、あまり気持ちのいい道ではない。以前はYAMAPでは実線で表示されていたのに、いつの間にか破線(地形的に通行の難易度が高い道)となっているけれど、平野谷西尾根の方が破線にふさわしい。



麓に近づくとバラック廃墟が散見される。おそらくは不法占拠だったんじゃないかと思うんだけれど、どうして神戸市は撤去しないのだろうか。神戸市の谷筋にはこんなトコが多いような気がする…。



4km、2時間半、獲得標高300mと短い山歩きだったけれど、変な疲れを感じる。