高取山(ナイトハイク)【六甲山系】

 2023年9月27日


一昨日に錨山・市章山にナイトハイクに出掛けたばかりだけれど、その魅力に嵌ってしまったのか、今日も高取山南麓からの登頂を目指して夜6時半にスタートする。



まずは明かりの少ない住宅街の坂道を登っていく。気温は一昨日と同じ27度なのに、気のせいかジメジメする。かなり湿度が高そうだ。



登山口となる高取大明神。鳥居の右が高取山に向かう多くの人が利用する一の宮コース。左がマイナールートの滝道コースになる。一の宮コースは街灯があると思われるので、敢えて寂しそうな滝道コースから登ることにする。



高取山の案内マップによれば、一の宮コースは「初級」、豊春コースは「中級」、そして滝道コースは「上級」となっている。ナイトハイクで上級コースを進むことに、ちょっと躊躇したけれど、大した難路ではなかったはずだ。



ヘッドライトの明かりを頼りに、細い山道を進んでいく。周囲の草むらからは秋の虫が大合唱だ。道さえ視認できれば、さほど不安なく歩いていける道なんだけど、路面ばかりを気にしていると、蜘蛛の巣に頭を突っ込むことになる。



階段も多い。ロープが張られたちょっと急なところもあるけれど、難儀することもない。湿気の多さには辟易とさせられるけれど、気温が低いのであまり苦にならない。



前方に高取山の頂上付近の明かりが見える。夜とはいえ、月明かりがあって夜空と山の境目が視認できる。1時間もあれば登頂できるはずなんだけれど、思っていたよりも頂上は遠く感じる。



そろそろ高神の滝があるはずと思いながら進むけれど、暗くて確認できない。その代わり、真っ暗な山道に突如人家?が現れる。部屋の明かりが点いている。高取山は無住の山ではないようだ。



「石積が崩れたためこの先は通れません」との看板が現れる。暗闇のなかで道が途切れるという事態に一瞬、焦ったけれど、少々遠回りとはいえ新しい道が整備されていた。



一の宮ルートに合流。思った通り、ところどころに街灯がある。どうして街灯が整備されているのだろう。夜に山頂の高取神社にお参りする人が多いのだろうか。



当たり前のことだけれど、一の宮コースにあるいくつかの茶屋はどれも閉まっているし、店内に誰かがいるような気配もない。でも道はヘッデン無しでも歩いていける最小限の照度は保たれている。



山頂に向かっての最期の長い階段。左側には既に夜景が広がっているようだけれど、それは山頂までのお楽しみに取っておきたい。ただ足元だけを見て、ゆっくりだけれど立ち止まることなく、進んでいく。



息を切らして結構汗をかきながら、高取神社まで登ってきた。正確には山頂(328m)は本殿の裏にあるのだけれど、まあ登頂といって差し支えないだろう。無事登頂できたことを感謝して、まずは高取神社にお参りをする。



昼間でも、なかなかの眺望なんだけれど、高取山からの夜景も素晴らしい。正面に見えるのは板宿や長田あたりの街だろうか。



ただこの展望台の唯一とも言える欠点は、何本かの電線が眺望を遮るように張られていること。神社はもちろん、参道にも街灯が設置されているくらいだから、他の山よりも電気の消費量は多そうなのだけど、もう少し工夫した架線ができないものかとも思う。



展望台には針の穴のモニュメントが立っている。神戸市が絶景ポイントの50ヶ所を選んでこのモニュメントを立てている。でも山に設置されているのは50のうち10余りのはず。あまり絶景とも思えない市街地からも多くが選ばれていることにチョット違和感がある。



双眼鏡も設置されているけれど、伊勢神宮の方向が示されている。たぶん遥拝のための案内なんだろうけど、伊勢までは見通せると勘違いして双眼鏡を覗き込む人がいないだろうか…。



神社前に設置されたベンチで長々と夜景を堪能。名残り惜しいけれど、夜景に向かって急な階段を下っていく。



帰路は一の宮コース。誰のために街灯が付けられているのか、と思っていたけれど、途中計3人と出会った。いずれもハイカー風ではなく、スポーツウェアでトレーニングをされておられる方のようだ。



YAMAP上の記録では距離2.7㎞、獲得標高254m。しかし、先日以上に歩行軌跡に「飛び」が多く、登山道を無視した直線ばかりの軌跡が残っている。おそらく実際の歩行距離は3.5㎞ほどになるのではなかろうか。所要時間は1時間半。



錨山・市章山(ナイトハイク)【六甲山系】

 2023年9月25日


先日の五月山ナイトハイクでは、暗闇の不気味さに怯えつつも涼しいなかでの山歩きの快適さに目覚めてしまった。未だに真夏日が続き日中は出歩く気にもなれないので、再度ナイトハイクにチャレンジしたい。ターゲットは神戸の町を彩る電飾で知られる錨山と市章山だ。




五月山への登りは日没前だったけれど、今回のスタートは夜7時半。諏訪神社の参道からまずは諏訪山を目指す。市街地のはずれとはいえ、足元を照らすのは僅かな灯りでしかない。



諏訪神社へと向かう激坂。暑い日中であれば、早々に息切れしていたことだろうけれど、問題なく登っていける。登山開始時の気温は27度。やはり30度を超すか超さないかで、体への負担度が全く違う。



諏訪神社の狛犬ならぬ狛狐。諏訪神社のなかに稲荷神社があるためだろう。暗い中であらためて気づいたのだけれど、ここの狐はやけに筋骨隆々としている。厳しい坂道で鍛えられているせいだろうか。



諏訪神社周辺からビーナスブリッジまでは、ところどころに街灯もあって、ヘッデン(ヘッドライト)無しでも辛うじて路面を確認して歩けそうだけど、安全のため早々にヘッデンを装着して進んでいく。



暗闇のなか、急に眩しいほどのライトに照らされたビーナスブリッジが現れる。夜景の名所だけに、諏訪神社からここまで歩く人がいるかと思っていたのだけれど、ここまで誰とも出会っていない。



つい最近、大規模な改修工事が終わったばかりのビーナスブリッジ。手摺りも路面もとても綺麗に修繕されている。



ビーナスブリッジを渡りきると諏訪山(151m)頂上。登り始めて僅か20分ほどだけれど、既にかなりいい感じの夜景が見渡せる。夜景を楽しむカップルの邪魔にならないよう、早々に錨山に向かって進んでいく。



ビーナスブリッジを過ぎると完全に暗闇のなかの山道を進むことになる。スマホカメラのフラッシュが上手く作動しない。フラッシュくらいでは明るさが足らないのだろうか。ヘッデンの明かりだけで、撮影するしかないのだろうか。



この期に及んで、スマホの夜間撮影方法をネットで調べたけれど、よく判らない。いろいろと設定を変えながら試してみるけれど、真っ暗な写真しか撮れない…。結局やはりヘッデンの明かりだけでオートで撮影するのが最も雰囲気が伝わるような気がする。



日中なら何ということも無い登山道のはずなんだけれど階段や草むらが多い。以前2~3度は歩いた道とはいえ、全く記憶に残っていない…。秋の虫の声がうるさいほどだけれど、有難いことに蚊はいない。意外にこの時季はナイトハイクに適しているのかもしれない。



錨山の灯りが見えてきた。イカリの右半分は森に遮られているけれど…。



あれほどの明かりを神戸の街に届けられているのだから、現地はそこそこ明るいと思っていたのだけれど、ほぼ100%の光は麓に向かっていて、山道を照らすような光の無駄遣いはしていないようだ。



錨山(260m)から見下ろす神戸の街並み。電飾の上に設置されたベンチで涼しい風に吹かれながら神戸港ばかりか大阪方面までクッキリと見渡すことができる夜景を堪能する。森の緑色に見えるということは今日は無色の電飾なのだろう。特別な日には青になるはずだ。



錨山からさらに登って市章山(275m)までやってきた。ここには展望台的なものがないけれど、かなり間近に投光器を観察することができる。光が青っぽい。確か昨年から市章の電飾を青と黄色のウクライナ色に染めていたはずだ。



YAMAPの歩行軌跡を見ると、諏訪山から市章山までぶっ飛んでいる。どうもスマホの負荷が位置情報収集をスキップしてしまうようだ。おかしくなる度に再起動しているのだけれど、そろそろ買い替えかなぁ…。



超低山とはいえ、久しぶりに全然疲れも感じない山歩き。このまま堂徳山まで歩いていこうかとも思ったけれど、安全にナイトハイクを終えることにしよう。路面に注意しながら慎重に下山していく。平坦とはいえ一歩間違えれば滑落するようなトコロもあるのだ。



当然と言えば当然だけれど、道中誰とも出会わなかった。ソロの夜間の山歩きは不安も多いけれど、とはいえ、誰かに出会ったら腰を抜かすほどに驚かされるに違いない。



諏訪山展望台に戻ってきた。かなり広い駐車場が整備されているので、夜景を楽しむ人の殆どはここまで車でやってくる。夜9時というのに、数台の車が駐車されている。



諏訪山展望台から神戸の夜景に向かってビーナスブリッジを下っていく。



帰路は諏訪山公園経由。誰もいない真夜中の公園で吊り橋を渡ったりしながら下っていく。怪しいヤツにしか見えないに違いない。



全然疲れもない山歩きだったけれど、それもそのはず。気を使って歩いて割には距離は2.6㎞、獲得標高は260mでしかない。所要時間は2時間。


五月山(ナイトハイク)(池田市)

 2023年9月17日


8月の山歩きは2度とも猛暑で酷い目に会ったせいで、涼しくなるまで山歩きは控えるつもりだったけど、なかなか涼しくなる気配が無い。止む無く街歩きでもしようと阪急フリーハイキングのマップを見ていたところ五月山散策コースがあることを発見する。



五月山といえば、夜景がきれいらしい。阪急池田駅を出発し、涼しくなる夕刻から山に入り、夜景を楽しみながらのナイトハイキングを目指すが、ちょっと出発が早すぎたかなぁ…。15時過ぎの住宅街の地味な坂道で既に汗ビッショリ。足腰もとても重たく感じる。



時間調整も兼ねて茶臼山古墳を訪れる。墳丘長約60mの規模を有する4世紀の前方後円墳だ。この地域の豪族の首長の墳墓らしい。後円部へと登る階段など、随分と整備された古墳だ。宮内庁に管理され鬱蒼とした樹々に覆われ立入不可の天皇陵とはまるで異なる風景だ。



墳墓の上はステージのような様相。石室の上は円形のコンクリートで覆われている。さらに不思議なことに北側にだけ柵が設置されている。防風のためなのだろうか。



まだまだ暑くて集合住宅の向こうに見える五月山に登っていく気にならない。古墳の下に置かれたベンチでのんびりと涼しくなるのを待つ。



16時。まだ暑いんだけど、登っているうちに涼しくなるだろうからと、五月山に登るいくつかの登山道のうち、五月平高原コースへと向かうことにする。



が、やはり暑い。しんどい。いきなりの階段ですぐに息はきれ、足はあがらなくなる。暑さのせいとは思いたいけど、老化による急激な体力低下かもしれない。もっとも元よりこの種の階段は大の苦手だったはずだ。



おそらくは雨水を道の脇へと導くためのものだろう。コンクリートのブロックが複雑に配置されて随分と段差が多い道だ。もっと楽な道だと思っていたんだけど、かなりしんどい。



五月山の南の中腹にある大文字の火床。夏祭りに併せて火が灯されるらしい。ここまで急な階段を登ってきて息もキレギレ、汗もビッショリ。火床の傍に長らく腰を下ろして、いい感じの風と眼下に広がる景色を楽しむ。


五月山ドライブウェイにある駐車場がスタンプポイント。相変わらず不思議なところをスタンプポイントにするものだ。デジタルスタンプの写真は駐車場のトイレだ。もう少しいいポイントがありそうなものだが…。



これで取得したスタンプは5つ。5つ集めると何かご褒美が貰えるらしいんだけれど、どうすればいいのか良く判らない。月2回ほど開催される阪急ハイキングに参加しないと貰えないのかなぁ?



まだ日没まで時間があるので久しぶりに五月山の山頂に立ち寄ることにする。YAMAPに従って墓地のなかの道を登っていくけれど、こんなトコを通って登ったという記憶がない。 



しかし歩き続けると見覚えがある展望台が見えてきた。以前とは異なる道を登ってきたらしい。明らかにここが頂上だと思っていたのだけれど、YAMAPでは少し離れたところに山頂マークがある。



森の中の小径をかきわけ山頂の三角点を発見。が、五月山ではなく、千代山とある。標高は314.9mとあるので五月山と同じものだ。どうやらこの山は五月山と千代山の二つの名前を有するようだ。



山頂で休憩しているうちに徐々に日も西に傾きかけてきた。同時に気温も明らかに下がってきた。尾根道を東西に貫くドライブウェイに並行する「自然とのふれあいコース」と名付けられた林間コースを進む。正面の西日が眩しい。



アップダウンも緩やかな尾根道ということもあるけれど、気温が30度を下回ると急に歩きやすくなる。30度を超えると体温の排熱に支障が生じるような体質になったのだろうか。以前は真夏でも元気に歩けていたように思う一方、今年の夏は特別だとも感じる。



吊り橋が現れた。こんなのあったっけ? 吊り橋を歩くのは少なからず興奮を覚えるものだけれど、ここの吊橋はちょっと変だ。別に吊り橋を渡らなくとも、並行した道を歩くことができる。アトラクションのようなものだろうか。



阪急ハイキングのマップに従ってひょうたん島コースで下山する。以前歩いたことがあるけれど、良く整備された道だったような記憶がある。それよりも未だに未確認の「ひょうたん島」を今日こそ確認できそうなことが楽しみだ。



が、深い森の中での日暮れは早い。あっという間に周囲は闇に包まれ、ヘッドライト無しでは歩くのが危ないような暗さになってきた。ひょうたん島を確認するどころではない…。



元よりナイトハイキングのつもりだったし、時折り見える夜景も美しく、随分と涼しくてとても歩きやすかったけど、やっぱり夜の山道は危なっかしい。随分と路面に注意しながら進んだつもりだったけど、一度躓いて危うく転びかけた。



その後、暗い夜道が続いたため、写真を撮ることもできないまま、トボトボと阪急池田駅へと向かう。帰路の写真は「落語みゅーじあむ」の幟が立ち並ぶ駅前の商店街の写真だけ。



距離8.2㎞、獲得標高370m。涼しくなるまでの長い時間調整も含めて休憩時間は計1時間半。実質的な歩行時間は3時間ほど。もう少し歩きやすいナイトハイキングができそうなトコがないものだろうかと思うけど、五月山ほどに整備が行き届いた山が思いつかない。