日光街道(6)自治医大~宇都宮

 2026年1月9日


栃木県遠征の2日め。自治医大駅にやってくると、自動運転テスト中と表示されたバスが止まっている。前にも後ろにも多くのカメラが据え付けられている。運転手不足を背景に全国各地で同種のテストが実施されているけど、色々と不安だなぁ…



日光街道歩きの前に、道鏡塚がある龍興寺を訪問。道鏡とは称徳天皇に重用され皇位簒奪を図ったのことで、平将門、足利尊氏とともに日本三大悪人に挙げられる怪僧だ。下野に左遷され、この地で没した。意外なほどに立派な円墳に法要の碑が並んでいる。



自治医大から国道4号線を北上。なぜか国道の東側に20~30mほどもある松林の緑地帯が1㎞以上にわたって設置されている。防風林なのか、あるいは街道の並木道の名残りなのだろうか。理由はともかく、退屈になりがちな国道歩きだというのにとても快適だ。



ガイドブックでは「位置不明」となっていた下石橋の一里塚へのちっちゃな案内看板があったので国道を外れて向かってみる。「日光街道入口」なんて書いてあるけど、こんなトコ行くんかぁ?



どうやらこれが一里塚らしい。こんもりとした塚に、何本もの木が自然に生えてきているようだ。これは西塚だというが、東塚はそうとは知らず取り壊されてしまったようだ。確かにこんな状態だったとするなら、何も考えずに整地してしまいそうだ。



石橋宿にやってきたけれど、アパートの脇に小さな本陣跡の碑があるだけ。ガッカリ旧宿場だ。



石橋駅方面を見ると、やけに洋風のメルヘンチックな建物や街路灯が並んでいる。旧石橋町は、ドイツのシュタインブリュッケン(ドイツ語で石の橋という意味らしい)と姉妹都市だったという。



でも下野市に求めているのは、ドイツの風景ではなく、日本一の生産量を誇る干瓢を使った特産品なのだ。何か食べるものはないかと、ひっそり佇む干瓢を取り扱う商店を覗いてみるけど干瓢そのものが並ぶばかり。干瓢って料理の脇役にしかなれないのだろうか。



シュタインブリュッケンはグリム兄弟の出身地に近いらしく、そのため旧石橋町では30年ほど前から「グリムの里づくり」に力を入れているという。マンホールも赤づきんちゃんだ。個人的には干瓢じゃダメなのか?と言いたいけれど。



まあ、それほどまでに力を入れているのなら、ということで、グリムの森に立ち寄ってみる。ガチャガチャした商売っ気タップリのテーマパーク的なものを想像していたけれど、とても静かで真面目で落ち着いたところ。無料でのんびりさせてもらいました。



蝋梅だろうか。これほど寒いというのに、黄色い花を懸命に咲かせようとしている。そのせいか鮮やかな黄色というより、辛苦が滲む辛子色と表現したくなる。



雀宮宿。舌切り雀の「雀のお宿」を連想させる五街道随一の可愛い宿場名だ。改修を重ねてきたのであろうけど、立派な門や塀だけでなく母屋もある仮本陣跡。どうして「仮」なのかが判らないけど、本陣に何か問題があったのだろうか。



名前が気になって雀宮神社に立ち寄ってみる。きっと雀の石像とか絵馬とかで溢れかえっていると思ったら、意外にもごくごく普通の佇まい。陸奥守の奥方が亡くなってこの地に雀となって舞い降りたといったような由来らしいけど、どうもピンと来ない。



国道4号線では東京から100㎞地点。寄り道が多いせいか、日光街道がやや迂回しているせいか、1割増しくらいの距離を歩いている。



干瓢を練り込んだゼリーを使った和菓子を発見。干瓢の名産地としての誇りを持ったこうしたチャレンジは応援したい。おやつとして「りんご」と「アーモンド」の2個を購入。美味しい。でも干瓢って感じはしない。お菓子の分野でも干瓢は主役にはなりにくいようだ。



自衛隊の広大な基地が続く。陸上自衛隊の駐屯地が2つあり、北側は航空学校が設置されている。そのせいか、何機ものヘリコプターが1~2分おきに飛び立ち、旋回し、着陸することを繰り返している。地図で見ると2000m近い滑走路もある。宇都宮に飛行場があったんだ。



国道4号線を宇都宮市街に向けて歩いていると、いつの間にか道路表記が日光街道でも奥州街道でもなく、「東京街道」となっている。宇都宮から見れば東京に向かう道だから東京街道で間違いはないんだけど、なかなか興味深いネーミングだ。



宇都宮市街の入口付近にある蒲生君平勅旌碑。勅旌の意味が不明だけれど、高山彦九郎、林子平とともに寛政の三奇人(変人ではなく傑物の意)と呼ばれた宇都宮出身の蒲生君平の功績を讃えている。宇都宮では蒲生神社を創建して学問の神様として祀ってそうだ。



北関東最大の都市、宇都宮の中心部までやってきた。道が広く、夜景が美しい。でも大都市にありがちなことだけど、宿場町の遺跡や風情はまるで見当たらない。



宇都宮を代表する二荒山神社。二荒山とは日光の近くにある男体山と女峰山の古都だと思うけど、二荒=にこう=日光、だとも聞く。日光にも二荒山神社があるけど、関係あるとかないとか、訳が分からない。お参りしたかったけど、社殿への階段を登る元気がもはや無い。



とにかく宇都宮に来たからには名物の餃子を思いっきり食べたいものだ。事前に調べておいた「来らっせ」という宇都宮餃子の名店が5店舗入った施設を訪れる。



せっかくなので各店舗から1品ずつ購入。羽根付き餃子、水餃子、えびプリ揚餃子、てりたま餃子…。でもどの餃子店にも何故か炒飯が無い。昨日の小山で食べた店にも炒飯が無かった。餃子はとても美味しかったけど、さすがに食べすぎ。炒飯が無くてむしろ良かった…。



こんなもの、誰が欲しいものか、と思ったものの、店外には餃子人形のクレーンゲームが並んでいるのを見ていると、だんだん欲しくなってくるのが不思議だ。クレーンゲームで上手くいった試しがないので自重したけど。



街道歩きの疲れと餃子の食べ過ぎで、JR宇都宮駅まで1㎞半ほどを歩く元気はなく、バスに乗る。駅前には名物?の餃子像がある。特産の大谷石で造られているのはいいけれど、う~ん、可愛くない…。



歩行距離22.8㎞。地図では全然距離感が沸かないよなぁ~。JR駅では自治医大~石橋~雀宮~宇都宮のたった3駅でしかないのが寂しい。明日は3日め。なるべく日光に近づきたいけれど、さすがに足腰の疲れは酷い。大丈夫だろうか。