堺環濠ウォークラリー(Can Go)

2018年4月22日(日) ①


開催期間終了間近の堺環濠ウォークラリーに出掛ける。古墳やら与謝野晶子やらをテーマに、堺はスタンプラリーを数多く開催しているところだが、環濠をテーマに取り上げたのは目新しい。



ただ、ポイントが環濠の内側に限定されているため、対象エリアは狭い。まずは呂宋助左衛門像を目指して南海堺駅から旧堺港を目指す。ポルトガル人?のイラスト入りの案内標識もなかなかいい感じだ。



旧堺港。自由貿易都市として繁栄を謳歌していたのは何百年も前のこと。大和川の付け替えで港の水深が浅くなり、今はレジャーボートなどの船溜まりのようになっている。



旧堺港に向かって手を振る呂宋助左衛門の像がある。以前は堺市市民会館前にあったものが、市民会館の立替工事のため、ここに移設されたらしい。工事が終われば、元の場所に戻るのだろうか。個人的には、この場所の方が似合っているように思えるのだが・・・。



像の足元にウォークラリーのマーカーが貼られている。



CanGoアプリを立ち上げ、カメラを近づけると、スタンプがゲットできるという仕組み。太陽の光がラミネートフィルムに反射して、なかなか反応してくれず、スタンプゲットまで結構時間が掛かった。



南海堺駅のすぐ西に、「明治初年佛人撃攘之處」と書かれた石碑がある。町で狼藉を働いたフランス人水兵を、警備中の土佐藩士が殺害したという堺事件の現場だ。恫喝に屈して土佐藩士たちを処刑したことに対する慚愧の思いが込められているようだ。



その隣には天誅組上陸地の碑。狂気じみた革命集団、乱世の徒花、明治維新の魁・・・、様々な評価を耳にする。大暴れしたのも束の間、やがて孤立、消滅してしまうのだが、この地に上陸した際には勤王と憂国の思いに純粋に燃えていたはずだ。



堺の町を眺めているポルトガル人?の像が橋のうえにある。とんでもなく長い旅の果てに日本という奇妙な国に来てしまったとでも考えているのだろうか。あるいはホントに「東洋のベニス」だと感じ入っているのだろうか。随分感慨深げに町の風景を見つめている。



環濠クルーズ乗り場で2つ目のスタンプをゲット。観光シーズンの土日には、小さな遊覧船で環濠めぐりができるようだ。



環濠クルーズのお世話をしているボランティアの方々と話をすると、日本中で「昔はもっとキレイな川だったのに」という話を聞くが、堺では「昔はもっと汚い川だったのに」とばかり言われるそうだ。確かに、環濠を構成していた川は随分キレイで、鯉のぼりもよく映える。



かつて国内有数の酒どころだったと言われる堺だけど、空襲などによって造り酒屋が無くなってもう何十年にもなるらしい。それが最近堺泉酒造というメーカーが設立されたということで、堺駅近くの醸造所を見に行く。銘柄は「千利休」。う~ん・・・、最近堺が千利休を猛烈プッシュしているのに便乗する気持ちは判るが、どうしても茶と酒は真逆の飲料文化に感じてしまう。



芥子餅の「本家小嶋」もスタンプポイントになっているので訪問してみる。宿院の交差点の先には「小島屋」と店があって、今では「小島屋」が堺の芥子餅の代名詞になっているが、本家小嶋のふんわりした食感を好む人も少なくないはずだ。



和泉・摂津の国の境界の碑が大小路の交差点に立っている。堺というのは、和泉・摂津・河内の三国の境にあることに由来する地名のはずだが、河内との国境は、もう少し東の三国丘あたりになるようだ。



阪堺電車の大小路停留場。千利休と与謝野晶子をテーマにした博物館「利晶の杜」ができたせいか、隣の宿院停留場だけは近代的に改装されたが、それ以外の停留場は、相変わらずの昭和のテイスト。もっともこの佇まいは良い観光資源になっているはずだ。



大小路を説明する看板。よく見ると環濠集落堺の形に看板が制作されている。青が環濠、赤が泉摂国境ということのようだ。ただ、どうしたことか、南北が逆さまになっているようだ。



大小路通に7階建のベトナム領事館がある。大阪市内から数年前に引っ越してきたものだ。地代が安いのこととか、関空に近いとかもあるけれど、中世の堺商人の交易も決して無関係ではないように思えるのだが・・・。


狭い環濠地区のなかにスタンプポイントは24もある。史跡や公園ばかりではなく、商店や飲食店もスタンプポイントになっているんだけど、わずか4つ集めるとコンプリートになってしまうのが残念。いかにも消化不良だ。環濠跡をぐるりと一周するくらいのウォーキングにしてもらいたかった。



環濠の東側を形成していた土居川。40年ほど前、阪神高速堺線の建設で完全に埋め立てられてしまった。



土居川より東は、かつては堺の外れだったのだが、今は堺市の中心部になっている。堺市役所前に柳の並木がある。江戸開府で堺の銀職人が江戸に強制移住させられてできたのが銀座。職人たちが堺を懐かしんで植えた柳が東京の銀座名物になっているが、ここの柳は最近植えられたもののように見受けられる。



堺銀座は、東京の銀座より古い歴史がある、銀座の本家本元だと教えられてはきたが、いかにも典型的な地方都市商店街にしか見えない。まあ、これでも一時と比べれば賑わいを少し取り戻しつつあると感じているのだが・・・。



4つのスタンプを集めればコンプリートとなるため、スタンプラリーは30分も掛からず終了。ひょっとしたら何か当選するのかもしれない。



堺環濠ウォークラリーは1時間も掛からず終了。まあこれは準備運動のようなものだ。堺東駅から、「泉北ぐるりん」の新コース踏破のため、和泉中央駅に向かう。