加太さかな線スタンプラリー(二里ヶ浜~多奈川)

2015年4月18日(土)


和歌山の南海加太線のスタンプラリーに出掛ける。スタンプポイントは加太線の二里ヶ浜、磯ノ浦、加太の3駅周辺に固まっているが、たった3個スタンプを集めればお終いなので、紀淡海峡に突き出た加太を大回りして、大阪府岬町の多奈川まで歩くことにしよう。



南海本線の紀ノ川駅から加太線に乗り換え、二里ヶ浜駅で下車。のどかな単線がシーサイドを走っている。最近、南海は加太のPRに躍起のようだが、いつの間にやら加太線には、さかな線というニックネームが付けられている。



二里ヶ浜駅から海岸部に出ると、シラスの加工店がいくつも見られる。釜茹でにしたり、天日干しにしたりしたものを直販もしてくれる。お店の人に聞くと、シラスのシーズンにも関わらず、不漁なんだそうだ。それにしても、加太さかな線とは名付けられているが、パンフレットに紹介されている魚介類の大半はシラスだ。



磯ノ浦の海水浴場。子供の頃に来たことがあるはずのところだ。シュロの木なんかがあって、どことなく南国風だ。海はとても青く、早くも水遊びやサーフィンなどを楽しむ人が見える。



加太線はシーサイド列車と思っていたら、磯ノ浦駅を過ぎて間もなく、山間部に突入して、並行する道は無くなってしまった。次の加太駅まで、どうして行けばいいのか。今更、自動車道に逆戻りする気も起らない。



まあ、海岸に沿って、山を迂回しながら岬をグルッと回っていけば、加太に着くはずと、堤防を歩きだす。ところが、地元の方に聞くと、この堤防は間もなく無くなって、その後は海岸を2時間くらい歩かなければならないという。



海岸は岩や石がゴツゴツしていて、歩きにくいこと、このうえない。丁度潮が引いているせいで、海岸は広いが、どこをどう歩いても、ゴツゴツ感が足の裏を強く刺激するし、グラつく石も多くて、実に危なっかしい。これで2時間歩けるのかぁ?



切り立った崖の下のゴツゴツ海岸を歩き続けていると、崖の上に集落が見える。あの集落に繋がる道は無いものかと思ったが、見当たらない。



よく見ると、崖の斜面に沿ってロープが垂れ下がっている。どうやら秘密ルートがあるようだ。ままよとばかりにロープにしがみついて急斜面を攀じ登ったが、途中で引き返すに引き返せなくなって、崖の上に辿り着いた後、しばらく地面にへたり込んでしまった。その後、サーファーっぽい人たちが平然と上ってきたが、このロープは素人ハイカーには危険すぎた。無事を感謝しつつ、無謀な行為に大反省だ。



崖を上った後は、一転して、山の間を走っている道を進む。海岸と比べようもないほどに歩きやすいが、崖登りによる肉体面と精神面のダメージで、軽い足取りとはいかない。これで多奈川まで歩けるのだろうか。



加太線の終着駅、加太駅。早くも鯉のぼりの飾りが施されている。



電車内や駅で最近見かけるポスター。駅員さんが、砂浜で商店風の前垂れをして、指差呼称をしているというユニークな図案だ。まさかとは思ったが、実際に加太駅の駅員さんは、この前掛けをしていた。しかも、2500円で売っていた・・・。



加太駅の傍にある、うどん屋、兼お好み焼き屋、兼居酒屋といった感じの店。「きいそば」も売られているようだ。おそらく関西独特の、中華麺を使った汁そば「黄そば」のはずだが、場所が場所だけに「紀伊そば」と誤解する人が多いのではなかろうか。



加太駅から多奈川とは逆方向になるが、加太に来たからには、やはり人形供養で有名な淡島神社は訪問しておきたいところだ。相変わらず、日本人形から蛙の置物に至るまで、様々な人形が所狭しと並べられている。



加太港。沖合には、2年前に島を一周した友ヶ島がくっきりと見える。



加太港の傍には、多数の物干竿が並んでいる。おそらく洗濯物用ではなく、魚の干物を作るためのものだろう。膨大な数のカラフルな洗濯挟みが吊り下げられている。



加太から多奈川は、10km以上ある。距離的には予定の4割程度しか来ていないが、体力メーターは残り2割ほどに感じる。ギブアップして加太駅から帰ることを考えたが、天気もいいし、未だ日も高いことなので、ゆっくりでもいいので、多奈川駅に向かって歩くことにする。



海岸部から、山を切り拓いた道に入ると、道が車や人のためだけではなく、風の道にもなっていることが判る。強い風が海岸から通り抜けていく。



県道65号線を北に向かう。長さ1km余りの大川トンネルが現れる。トンネルを迂回して峠を超える旧道を進む覚悟はしていたが、幸いなことに、立派な歩道が付いたトンネルだった。



トンネルを抜けかけるところで、道の向こうに大阪湾が目に飛び込んでくる。



大阪湾に突き当たり、県道65号線に沿って、今度は東に向かう。遠くに見える漁港が小島漁港。そのあたりで大阪府に入るはずだ。



ついに和歌山県に別れを告げ、大阪府に入る。



とっとパーク。海に長く突き出した釣り専用の突堤だ。道の駅も併設されているため、多くの釣り人がここで休日を過ごしているようだ。



やっと多奈川の街に入ってきた。どういう訳か、古い瓦葺の家がたくさん立ち並んでいる。昭和感溢れる街並みだ。



関西電力の多奈川火力発電所。おそらく効率の低い、古い石油火力だが、煙突を見る限り、稼働しているようには感じられない。



南海、多奈川線の終着駅、多奈川駅。多奈川線に乗るのは、おそらく40年以上ぶりのことだ。かなり古い駅舎を想像していたが、あまりレトロ感は無い。



スタンプは早々に規定の3つをゲット。賞品は一本釣りの鯛とのことだが、当選はわずか1名のみ。当たるはずがないという気持ちと、当たっても困るという気持ちが半々というところだ。



本日の歩行軌跡。加太でかなりウロウロしてロスはあるものの、スタンプラリーのお手軽さとは裏腹に、歩行距離が18.5km、所要時間が5時間ほどと、結構ヘビーなウォーキングになった。