比叡山スタンプラリー 2015

2015年10月12日(祝)


今年も比叡山スタンプラリーの季節がやってきた。延暦寺の東塔(根本中堂)、西塔(釈迦堂)、横川中堂という3つの必須スタンプポイントを含む計5ヶ所を回るもの。自動車やバス、あるいはロープウェイやケーブルでやってくるとの主催者側の想定にはお構いなく、比叡山の麓から歩いて5つのスタンプポイントを制覇する。今年で8回目、もはや年中行事化している。



ゴール(賞品受渡場所)が東塔の傍なものだから、どうしても横川を目指して登ることになる。例年どおり、横川に通じる登山路が集中しているJR比叡山坂本駅から出発。まず、登山口近くにある旧竹林院を訪問する。スタンプポイントのひとつにはなっているが、これまで入ったことは無かったとても美しい庭園で有名なところだ。

驚いたのは、何人もの新撰組などのコスプレ衣装を纏った若い女性が撮影会をしていたこと。凝った衣装だけに、こんな美しい日本庭園をバックに写真を撮りたくなるのは理解できる。



さあ、いよいよ、比叡山登山の開始だ。が、日吉神社脇の石段に取りついたのは、既に11時も過ぎた頃。どうも体調が思わしくないように感じられて、出発をグズッてしまったのが悔やまれる。まあ、昨年の三石岳ルートや、その前の飯室ルートと異なり、比較的楽な大宮川ルートを行くつもりなので、何とかなるだろう。



大宮川ルートは、車(といっても許可車のみ)も走れるように整備された林道のため、急坂が無い。もっとも眺望は、ほぼゼロ、というところは難点だ。



この鉄塔までは、ちょっとした登り道が続くが、これを過ぎると、登りは緩やかなものになる。山歩きでは、鉄塔が一番目立つ道標なんだけど、何故かハイキングマップなどでは、あまり記載されていないように思う。



鉄塔を過ぎて暫くすると、大宮川の渓流に沿った道になる。流水が発する冷気と音がとても気持ちいい。



歩き始めて1時間ほど、誰一人とも出会わない。そもそも横川に登る人がそう多くは無いし、11時台なんて、登るには遅すぎ、下るには早すぎる時間だ。そんなことを思っていたら、伐採の工事現場に遭遇。



ふと空を見上げると、どのように張られたのか、頭上100~200mほどはあると思われるロープに材木が吊り下げられている。いやぁ、林業って大変だ。木を切って運ぶのに、こんな大仕掛けが必要とは・・・。



登山スタートから約1時間半で、横川中堂に到着。何度も来ているので、お参りもそこそこに、スタンプだけ押して出発する。



横川から西塔に向けては、比叡山ドライブウェイに沿った林道を進む。例年に比べて気温も低く、木洩れ日も気持ちいい。朝、体調が悪いと感じていたが、ここまで歩いてくると、いつの間にか絶好調になっていて、足取りも軽い。ただ、空腹だけは如何ともし難く、坂本のコンビニで買ってきたお握りやパンを平らげてなお、空腹感は癒えない・・・。



京都一周トレイルとの合流地点。以前、京都の北白川から比叡山を経由して大原まで歩いた道だ。ここから横高山に向かう急坂で、ひどくバテたことを思い出す。



玉体杉。絶好の休憩ポイントなんだけど、大きなカメラを据えて、何かの撮影をしていたため、止む無く素通りする。



玉体杉から、京都の町をよく見下ろすことができる。昨年より、ちょっと霞んでいるが、鴨川の流れや御所は、しっかりと確認できる。



比叡山ドライブウェイにある峰道レストランからは、琵琶湖が一望できる。スタート地点から、どれだけ歩いてきたかを目で確認できるのは、とても励みになり、達成感も得られる。



ブナの原生林の中を縫うように、南に進む。目指す西塔まであと少し。



西塔(釈迦堂)に到着。ここまで来ると、さすがに観光客が多い。



西塔の傍にある常行堂。隣接する法華堂との間にある唐破風造の渡り廊下の下を毎年歩いて東塔に向かっているのだが、そのたび素敵な建物だとは感じていたものの、疲労のせいで、じっくり観察することもなかった。今年初めてお堂の周囲をじっくりと観察。1595年の建築ということは、信長に焼き討ちされた後の、延暦寺再建の一環で建立されたものなのだろう。



西塔から東塔への最大の難所は、この石段。ここまで来ると、結構疲労が蓄積しているのだが、ここ石段は段差がやけに高く、腿が引き攣ってくるのだ。



根本中堂に到着。そこそこ寄り道もしたのだが、まだ3時にもなっていない。



東塔のスタンプポイントは東塔エリアの東端の比叡山会館。スタンプは揃ったが、賞品は、再度同じ道を10分ほど、バスターミナルまで戻らなければならない。これまで賞品として、比叡山とか東塔とかの文字が入った絵皿とか湯呑とかグラスとか、いろいろ貰ったものの、結局使うこともなく捨ててしまっていることを思えば、スタンプ欄が埋まっただけで満足して、賞品は遠慮しておこう。



賞品を遠慮するくらいなら、横川から登らなくってもいいんだよなぁ、と今更思いながら、再び坂本を目指して本坂ルートを下っていく。



本坂ルートって、名前のとおり、比叡山延暦寺に向かう正面道路のはずなんだけど、何とも歩きにくい道だ。急坂はともかく、路面に石が多く、トレッキングシューズを履いていても、足の裏に半端ない圧力が加えられる。



大雨が降ると、大量の水が流れるのだろう。道も削り取られているところが多く、ひどいデコボコ道になっている。それでも若いハイカーたちは、小鹿のように、デコボコ道を軽快に下っていく。自分も昔はこんなんだったのだろうか。今は、ドスンドスンと足首に負担を掛けながら歩いていく。相当不恰好な歩き方に違いない。



400mほども下ってくると、木々の間から琵琶湖を臨むことができる。時間には余裕があるが、山の東側斜面は暗くなるのがとても早い。油断せず、しっかりと下っていこう。



JR比叡山坂本駅を出発して、5時間半ほどで再び坂本の町に戻ってきた。途中、旧竹林院の庭園見学など寄り道もしたので、こんなに日のあるうちに、しかもさほどの疲れも感じることなく戻って来れるとは思わなかった。平坦な大宮川ルートを選択したこともあるが、やはり例年より気温が低めだったのが幸いしたのだろう。



歩行距離は約18km。歩数は29000歩。



帰路に選んだ本坂ルートの急坂が際立つ。この道って、下るばかりで登ったことがない。来年からは賞品に拘らず、まず東塔方面に登っていこうと思うものの、距離は短くとも、ヘッポコハイカーが本坂を登るには相当な覚悟が必要そうだ。


それにしても、標高グラフの横に表示されている2954mって何だろう?上りの総合計だろうか・・・。このアプリ、ハイキングの際にとても重宝しているのだが、謎が多い・・・。