2015年11月29日(日)
昨日に引き続き「今のうちに山に行こう」シリーズ。京阪沿線ウォーキングまっぷから、「交野いきものふれあいの里コース」を選ぶ。生物との触れ合いにはさほど興味はないのだが、旗振山と交野山の山頂に登ることが楽しみだ。
京阪交野線の河内森駅から出発。奈良との県境にある生駒山系を目指して坂道を登っていく。山間の狭隘な平地を利用した水田では、稲藁の架け干しが行われている。長年稲作を経済基盤としてきた日本の原風景だ。
道は整備された舗装林道。登り続ける訳でもなく、途中ちょっとした平地や集落もあったりする。車もたまに走るとはいえ、鳥の囀りを楽しみながら、のんびりと山を目指していく。
生駒山系を縦断する道まで登ってきた。「おおさか環状自然道」の標識がある。昨日歩いた道も「おおさか環状自然道」の標識が多数見られたが、生駒山系や能勢付近を除いて、その全貌は未だ不明だ。整備中に計画が頓挫したものなのかもしれない。
山道の脇には、ひっそりと石仏なども見られる。古くから地域の人達に大切にされているのだろうか。集落からはかなり距離があるのだが、真新しい花が供えられている。
林のなかに静かな池が現れた。穏やかな池面が鏡のようになって、秋景色がダブルで楽しめる。
コースを外れて、旗振山の山頂を目指す。江戸時代、大阪堂島と各地との間の米相場情報を旗振りで伝達したところだ。通信が発達した今となっては信じられない話だが、相場に命を懸けていた大阪商人の凄まじさを感じる。ここまでの整備されたハイキング路とは異なり、藪を掻き分けて急坂を攀じ登っていく。
旗振山の山頂に到着。周囲は雑木林に覆われて眺望もない。残念ながら旗振りのイメージが沸いてこない。各地にある旗振山を伝って大阪広島間の所要時間が27分だったとのこと。次は神戸の旗振山を訪ねてみたい。
旗振山を下山して、次は交野山を目指す。山頂は直線距離にして、まだ500mほど先と思われるのだが、子どもたちの嬌声が聞こえてくる。山頂ではしゃいでいる子供たちの様子が目に浮かぶ。狭い山頂を占拠されるのはとても迷惑。到着までに山頂が空くことを願いながら、歩いて行く。
詳細はよく判らないが、この辺りはマグマが何度も噴出したり固まったりを繰り返した結果、岩山が多い。交野山がその代表格で、山頂に向かうためには大きな岩を攀じ登っていかなければならない。
覚悟していたとはいえ、子どもたちが山頂の岩の上で遊び回っている。別に山頂でなくともできる遊びなんだけど、こういう所に来ると異様にテンションが上がるのだろう。聞こえ続けてきた声から30分以上はここを占拠しているはずだ。ここまで登ってくる人は、皆この岩山の上で眺望を楽しみ、短い休憩をとることを楽しみにしている。引率の大人の気配りの無さに憤慨する。
子供たちにお願いして、少しの時間、場所を空けてもらって岩山の先端に立つ。先端といっても数十センチ手前。ここより先には、おっかなくて進めない。
交野いきものふれあいの里にやってきた。鳥の巣箱がこれでもか、という程に設置されている。鳥たちの棲家を確保するということだけではなく、こうしておくことで巣箱に出入りする鳥たちを観察しやすいということのようだ。
白旗池にも多数の水鳥が遊んでいたが、小さすぎて、写真ではゴマ粒の大きさにさえ見えない・・・。
生き物の観察小屋。マレーシアでいうところのブンブンだ。ここに籠ることで気配を消して、小屋の隙間から動物達を観察するものだ。
実際に隙間から外部を観察してみた。う~ん、ここで動物たちに気付かれないように長い時間息をひそめながら、じっと観察するには、なかなかの忍耐が必要だ。
交野山から、いきものふれあいの里にかけて、消防水のパイプが縦横に設置されている。相当山火事を警戒しているようだが、これほどまでに消防施設が充実している山はあまり記憶にない。もっとも付近に水源となる池があるということも関係しているかもしれない。
下山路の途中にある、、もみじの滝。もみじが色づいたら、さらに美しいことだとは思うが、この辺りでは未だ紅葉の気配さえ見えない・・・。
さらに進んで、源氏の滝。落差は20mくらいありそうだ。古くからの修行の場でもあったようだ。解説によると源氏に所縁のあるものではなく、近くにあった開元寺から名付けられたとあるが、別の説明板には源氏姫なるお姫様の話もあったりして真相は不明だ。
源氏の滝からの渓流に沿って交野の市街地に下りていく。途中には源氏橋とか源氏池なんてのもある。
機物神社。無造作に積み上げられたようで、絶妙のバランスが取れている石灯籠。なかなか味がある。
神社には、この地に広く伝わる七夕伝説とも関係するのだろうか。織姫の機織り機なるものが展示されている。このおりひめさんは、交野市のマスコットキャラクターのようだ。
京阪のマップでは、当然のことながら自社駅の河内森に戻るルートが紹介されているが、JRの津田駅に向かう。第二京阪道路が田園地帯を貫いている。
本日の歩行マップ。10.5kmを3時間半余りで歩いたことになる。まあまあ楽な山歩きだった。
標高グラフを見れば、随分険しい山に登ったような軌跡に見えるが、交野山も旗振山も標高は400mに至らない。
もっとも2日続けての山歩きになっただけに、足腰には結構張りを感じる。