2015年11月21日(土) ①
街歩きは冬場に取っておいて、寒くなる前に山歩きをしておきたい。夕刻からの京都での所用に併せて、叡電に乗って貴船山に出掛けることにする。まずは、以前京都一周トレイルでも歩いた二ノ瀬駅から夜泣峠への道を登っていく。
秋の紅葉シーズンということか、出町柳からの叡山電車は、八瀬行も鞍馬行も超満員。本来切符は一番前の車両の運電手席横で回収するのだが、満員のため、車両内を移動することさえ困難。そこで、普段は無人駅になっている二ノ瀬駅でさえ、切符回収の駅員が配置されていた。
京都一周トレイルのコースを行くグループが前を塞いでいる。ちょっとペースが遅い。後ろからせっつくと「お先にどうぞ」と道を空けてくれるんだろうけど、こちらも健脚ではないだけに、結局バテて再度追い抜かれる羽目になったら恥ずかしいなんてものじゃぁない。
夜泣峠で京都一周トレイルの道から分岐して、北に針路をとる。やれやれ、ここからは自分のペースで歩くことができる。
整備された尾根づたいの道を進む。マップには、道に「二ノ瀬ユリ」と書かれている。ユリの群生地でもあるのかと思い、スマホで調べてみようとしたが既に電波圏外。この後、芹生峠まで圏外が続き、登山路情報の収集などに苦労することになる。後で調べてみると、ユリとは丹波の方言で「山腹を縫う道」という意味なんだそうだ。
樋ノ水峠を経て、貴船山の山頂へ。高さ700mほどの山だが、周囲には同程度の高さの山があるうえに、山頂に続く道が整備されていないので、どこが貴船山なのか、しばらくウロウロと迷ってしまった。
マップによれば貴船山から二ノ瀬ユリに向かって真東に抜けれるはずなんだけど、道らしいものは無い。まあ、東に向かえば、道に出るはず、ということで、倒木多数の障害物コースのようなところを進んでいく。
紅葉を楽しみにしていたのだけれど、この辺りではあらかた散ってしまっている。でも、路上に舞い散った赤や黄色の葉も目に鮮やかで、疲れを癒してくれる。
立木に寄生したキノコ類が多数見られる。これはシイタケのような形をしているが、何なんだろう。
こちらはシメジのような形だが、これまた何なのか判らない・・・。
滝谷峠に到着。ここから貴船神社に向けて下山できるのだが、時間にも体力にも余裕があるので、もう少し頑張って、さらに北の芹生峠まで歩いて行くことにする。
ところが、滝谷峠から先は、道というものが無い・・・。圏外でスマホは使えないし、持っているマップはショボい。しかし、間違いなく真北に向かって歩いていること、木々の枝に赤やピンクのテープが付けられていること、そして誰かが歩いたような跡が見られることのみを頼りに、道なき道を進む。
二ノ瀬ユリでは、全く楽しめなかった眺望が、ようやく開けてきた。もっとも立木が邪魔をしているし、貴船や鞍馬と思しき方向を展望しても、山また山で、建物も道も確認できない。
標高760mをピークに、芹生峠に向けて、凄まじい急坂を下っていく。とても滑りやすい土質のうえに掴まるものも少なく、へっぴり腰で、ずり落ちるように、長い時間をかけて標高差100mほどの坂を下りる。
芹生峠から貴船神社までの6~7kmくらいの道は、貴船川に沿ってダラダラと下っていく簡易舗装道。車1台が通行できる程度の道幅しかなく、自動車も自転車も殆ど走っていない。張りを感じる足腰だが、快調に歩を進めていける。
貴船神社の奥の宮。急に観光客がワンサカいるエリアに突入する。どうしたことか、境内には露店がズラリと並んでいる。お参りをするにも長蛇の列ができていて、不本意ながら遠くから参拝するに留まった。
貴船に来るのは随分久しぶりのことだが、こんなに混雑しているとは知らなかった。既に川床のシーズンも終了しているのだが、道には人も車もギッシリ。そして多数の言語が耳に入ってくる。
貴船神社。もともとは雨の神様だったように思うが、今や縁結びがメインになっているようだ。ここでも参拝の順番を待つ長い行列ができていた。
さあ、もうひと踏ん張り、貴船からひと山越えて鞍馬に向けて歩くことにしよう。貴船側にある鞍馬寺の西門で入山料300円を支払って入山しようとするが、ここでも行列ができている。
木の根道と呼ばれるだけに、道は根っこだらけだ。以前も歩いたことのある道だが、結構キツイ。さすがに二ノ瀬ユリから滝谷峠、芹生峠への山行の疲れが溜まっているようで、足が思ったほど上がらず、木の根に躓きそうになる。疲れたときに引っ掛かるのは、間違いなく以前大怪我で痛めた右足だ。
僧正ヶ谷不動堂の脇に、ひょっこり鹿が現れた。木の根を齧っているように見える。奈良公園の鹿同様、人に慣れているのか、大勢のカメラに取り囲まれても動じる様子を見せない。
鞍馬寺金堂の正面、約10mの地面に三角マークが刻まれている。どうやらパワースポットというもののようだ。この三角マークの上でお祈りするため、大勢の人達が順番を待っている。そもそも神社やお寺は、元より、活力や安らぎを得るために心清らかに参拝するところ。今更パワースポットと騒ぎ立てるのはいかがなものかと思う。
鞍馬寺では僅かに紅葉を楽しむことができるところもあったものの、ピークは1週間以上前だったと思われる。明日は、紅葉が美しいと評判のゴルフ場に行くが、さてどんなものだろう。それより、足腰の疲れが心配だ。このままでは、酷いゴルフをしてしまいそうだ。
鞍馬寺の山門に下ってきた。山門前から、地下鉄の終着駅となる国際会議場前まで、バスに乗って帰る。
歩行記録。携帯の電波は長い時間圏外だったが、GPSはちゃんと記録してくれていた。約15km、所要時間は6時間弱。
標高グラフ。最後のひと山が、鞍馬寺。これが結構キツかった・・・。