淀川完歩②(疲労困憊の宇治川編)宇治~枚方

2016年12月31日(土)


淀川完歩2日め。昨日、石山から宇治まで26kmを(自分なりには)最速で歩いた疲れは半端なく残っているが、京阪線に沿った今日のコースはギブアップポイントも多いので気楽に行こう。もっとも、目標とする3日で完歩のためには何とか枚方までは辿りつきたいものだ。



宇治川を渡るJR線。昨日は途中から夕暮れ、そして暗闇のなかのウォーキングとなったため、川を見る余裕もあまりなかったが、今日は川の流れを楽しみながら、のんびりと進もう。



 と、いいたいところだが、例によって歩道のない道が続く。河原の道はすぐ途切れ、再び車道に戻ることを繰り返す。う~ん、歩きにくいぞ。



これまで気付かなかっただろうが、河口からの距離標識を発見。47kmとあるが、川に沿ってうまい具合に道があるとは限らないので、1割増しくらいの距離を歩くことは覚悟しなければならない。



河原には、白いのとか黒いのとか、様々な水鳥が羽根を休めている。癒されるなぁ・・・。



 観月橋を過ぎ、奈良に向かう近鉄京都線の鉄橋が現れた。随分立派な鉄橋だ。



ほらね。下流に行くに従い、河原が大きく広がり、川沿いに道は無くなった。河原はグラウンドになっていたり、あるいは自然の植生のままに放置されていたり様々だけど、川の流れを楽しむには、川から離れすぎている。それどころか、川自体の存在が確認できなかったりもする。



河原には、様々なゴミが散乱している。結構大型のものもあり、廃棄されているのか、保管されているのかの区別もつきにくい。草むらのなかに、高い街路灯が何本も埋もれていたりもする。



対岸に、淀の競馬場が見えてきた。歩いても歩いても競馬場の横から離れられない。競馬場って大きい。



おそらく、このあたりが巨椋池が大きく広がっていたところに違いない。まだ池のような雰囲気の場所が残っていたり、排水設備があったりする。湖といっても良いほどの大きさの巨椋池が干拓されたのは昭和になってからと聞く。



宇治川に架かる京阪の鉄橋。淀駅と八幡市駅の間に、京阪は宇治川、木津川の2つの長い鉄橋も渡っていく。



まだ、宇治川・木津川・桂川の三川合流の手前だが、看板ではすでに淀川になっている。向こうには天王山が見える。三川が合流する隘路にって、戦いの要所であったことが良く判る。



三川が合流する直前にある御幸橋の袂に何やら高いビルが建設中。よく見ると「三川合流サービスセンター」なるものらしい。三川合流を眺望できる展望台もできるらしい。楽しみだ。



三川合流サービスセンターの完成は来年3月とのこと。背割り桜と呼ばれる桜の名所だけに、春には相当な人出が予想される。



 八幡市駅前で昼食&大休憩。一気に疲れが噴き出てきて、歩く気力も体力も失せかける。目の前に駅があるだけに、止めるのは簡単なんだが、何とか力を振り絞って再び歩き始めるが。河原は木々や草などで鬱蒼とし、川の流れが見えない。力が沸いてこない・・・。



意を決して、ブッシュを掻き分け、河原近くまで出てきた。三川合流ポイントを間近に見るためだ。写真は木津川(手前側)と宇治川(向こう側)の合流ポイント。う~ん、感動するほどにはピンとはこない・・・。



続いては、宇治川+木津川に、桂川 (向こう側)が合流するポイント。高槻の若山などに登った際には三川合流がはっきりと眺望でき、随分感動したことを覚えているが、ここまで目線が低いと、逆にダイナミックさも感じられない。



大阪府枚方市に入ると、河原はゴルフ場として利用されているところが多い。この「くずはゴルフ場」などは18ホールのフルスペックのゴルフ場になっている。



それにしてもに枚方市って大きい。広い河原には、気持ちのいい遊歩道が設置されているが、歩いても歩いても、前に進んでいるという実感が沸かない。通り過ぎる大半は自転車、そしてジョギングなので、ウォーキングの遅さが際立つ。



雑木と雑草が放置されているだけの河原に見えるが、鳥獣保護区となっている。自然のままにしているだけに、様々な生物が棲息する貴重なエリアとなっているようだ。



どこか、街中の巨大公園のような雰囲気だが、河原の遊歩道なのだ。元気であれば、とても気持ちのいい道なんだろうが、疲れた脚を元気づけるには、刺激に乏しい景色だ。



延々と歩いているようで、枚方の市街地はまだまだ遠く、いたずらに時間だけが過ぎていく感じだ。早くも夕陽が沈みかけている。



ようやく枚方大橋付近までやってきた。明治時代の淀川の洪水を記録した石碑がある。呑気に河原を歩いてきたが、これまで数々の水害に悩まされてきた地域だということを忘れてはならない。



枚方公園の観覧車が、ゴールを出迎えてくれた。あわよくば守口まで、と考えてスタートしたが、最低目標地点の枚方公園で今日は終了。疲れた・・・。



今日の歩行記録。川の長さにすれば26km程度のはずだが、歩行距離は29kmとなっていた。途中、自販機や昼ごはんを食べるところを探したりしての寄り道もあるが、河原の道が以外にも曲がりくねっていたことも想定外だった。



とにかく疲れた。昨日は休憩なしで1km13分で歩いたが、今日は休憩込みで16分のペースに留まった。疲労困憊だ。こんなに疲れた状態で年を越すのは、おそらく初めてだ。

淀川完歩①(疾風怒涛の瀬田川編)琵琶湖~宇治

2016年12月30日(金)


ずっと温めてきた企画を実行する時がやってきた。琵琶湖南端から、瀬田川、宇治川、淀川と川沿いを歩き、大阪湾まで歩くというもの。ざっと80kmほどはあると思われるため、3日に分けて完歩したい。JR石山からスタートし、琵琶湖から瀬田川をまずは南下していく。



昨日の奈良風景印収集ウォークで地味な疲れが残っていたせいもあって、出発を躊躇していたこともあり、石山駅発は、なんと12時半。目標の宇治までは25km以上もあって、明るいうちに到着できそうにないと判ってはいても、もはや進むしかない。幸い天気は良く、つい先日土砂降りにあって雨宿りをした瀬田の唐橋の下を通過する。



石山寺を通過し、どんどん進んでいくと、宇治まで22kmの標識がでてくる。まだまだ全然遠い。単純に時速4kmで勘定しても、宇治到着は19時を超えるという事実に愕然とする。やめるなら今のうち、との思いを断ち切り、ひたすら前進する。



 南郷の洗堰にやってきた。琵琶湖から淀川に流出する水量をコントロールしている、とても大切な施設だ。



時間が無いなかではあるけれど、興味津々で、施設を見て回る。堰の開閉をする大仰な装置が10個も並んでいる。



今日は、10個ある堰のうち、2番、6番、10番が開放されていた。これって、通常より多いのか少ないのか、良くは判らないが、



南郷を過ぎると、道は急に寂しくなってくる。予想はしていたが、歩道も無い。車は結構なスピードで走っているので、都度道路脇の茂みに隠れるように、車をやり過ごす。



渓谷のような雰囲気のところを川は下っていく。南郷から宇治までは、全く未知のゾーン。宇治川ラインとも呼ばれるところとは知っているが、なるほど結構な景勝地のようにも感じられる。




立木山観音。予備知識は全くなかったが、ここに来るまでの間、正月には大渋滞するので注意、との看板を目にしてきたくらいだから、名刹に違いない。せっかくここまで来たのだから、と階段を登り始めたが、なんと800段以上あると知って途中で退散。そうだ。時間が無いのだ。



 いつの間にやら、川の流れは、ゆったりとした流れに変わってきた。ボーッと川と雲を眺めていたい気にもなるが、とにかく進むしかない。電車もバスも無いところにやってきているのだ。



水力発電所用の導水路の向こうに、高速道路(京滋バイパス)の高架が見える。瀬田から宇治まで、せいぜい10分か15分くらいではなかろうか。苦労して歩くのも酔狂なことだが、達成感は半端なく、やめられない。



どういう経緯か判らないが、水の中に何本も立ち枯れした木が見える。とても幻想的な風景だ。このあたりの水力発電所は、さほど新しいものも無いはずだが、このような木は、何十年も立っていられるのだろうか。あるいは、水没して枯れているようでも、実は枯れていないのかもしれない。



曽束大橋が現れた。ようやく予定の距離の半分を歩いてきたことになる。ここまで川の右岸を歩いてきたが、ここで、この橋を渡って左岸を進む。



足の裏が痛いので、靴を脱いでみると、靴下が破れていた。着替えもなく、食料もなく、ペットボトルのお茶が半分程度、という軽装でやってきたが、当然のことながら、コンビニどころか、自販機さえ長い間見かけない。歩いている人など皆無だ。



一旦京都府宇治市に入っていたのが、左岸にわたると再び滋賀県大津市に戻ってしまった。どうやら滋賀県では瀬田川、京都府に入ると宇治川となるようだ。それにしても、前方には「凍結注意」のサイン。道端にはあちこち塩化カルシウムや塩化ナトリウムの袋が積まれている。前者は融雪剤で、後者は凍結防止剤だ。



こんな道をテクテク歩いている方が悪いのかもしれないが、猛スピードの車が極端な急ハンドルで回避してくれるのが、危なっかしいやら、申し訳ないやら、複雑な気分になる。できることは、前後の車の気配に常に神経を鋭敏にしておくことだけだ。



再び京都府に入る。えぇっ、宇治田原町だとぉ。頭のなかの地図をフル回転させるが、これほど南まで歩いてきていることにショックを感じる。宇治はまだまだ遠い。



喜撰山ダムへの入口。橋は封鎖されて一般には開放されていない。喜撰法師が修行したとか言われる喜撰山は、以前から気になっている山なんだけど、どこから登るんだろうか。



日は少しずつ西に傾き、川面が夕陽に照らし出されている。日照時間はもうあと僅かしかなさそうだが、まだゴールまで10km近くある・・・。



そして、ついに真っ暗になってしまった。明かりは全くない。よりにもよって、上から下までダークグレー系の服。路肩をビクビクしながら歩いていく。たまに工事中の明かりに出会うとホッとする。



幸い車の台数は多くはないものの、恐い夜道を進んで、ようやく天ヶ瀬ダムまでやってきた。ダムの明かりで堤防が辛うじて視認できる。



ここまで来れば毎年参加している宇治十帖スタンプラリーなどで勝手知ったる道。真夜中のようだが、時刻はまだ18時。宇治川沿いには、歩道もあるし、足は痛いが、足取りは軽い。



宇治平等院がライトアップされていた。ゴールを祝福してくれているようだ。



嬉しいことに、途中携帯の電波も途切れがちなところもあったが、スマホのGPSはしっかりと26kmの歩行軌跡を記録してくれていた。



いやぁ、歩いた歩いた。寄り道、休憩はほとんど無しで歩きとおした。26kmを6時間弱で歩いたのは、最近には無いことだ。歩道のない夜道など、悪条件も多かったが、全区間を通じて1kmあたり13分でのペースで歩けた。最近のブラブラ歩きとは打って変わって、怒涛のようなウォークングだった。



第2区間は宇治から枚方、あわよくば守口あたりまで歩きたいが、どうなることやら・・・。