2016年7月2日(土)
須磨アルプス、小野アルプス、播磨アルプスと立て続けに制覇してきたが、今日は紀泉アルプスというご当地アルプスに挑むこととする。和歌山県のHPでは「雲上のみち」と紹介されている。500m弱の標高で雲上とは大層な表現だとは思うが、行ってみないことには何とも言えない。
和歌山県との県境にほど近いJR阪和線の山中渓駅からスタートする。予想どおり無人駅だ。紀州街道が駅の真ん前を通っている。
紀泉アルプスから名づけられたのだろうか、駅前の喫茶店「アルプス」でペットボトルを購入。30度は優に超えそうなだけに、6本をリュックに詰め込んで出発する。ところが、スタート早々に登山道に入る道を見過ごし、早くも2km近いロス。ウロウロしているうちに、日はどんどん高くなって暑くなっていく。
コースの案内には「適度なアップダウンが続く」とあるが、誰にとって適度なのだろうか。比較的緩やかな登りが続くが、油断はできない。
ジメジメしていることもあるが、やけに大きなキノコが見られる。椎茸風のものから、赤いやつ、背の高いやつ、と様々なキノコに出会う。
急坂は無かったものの、そこそこの上り坂が延々と続き、パノラマ展望台まで登ってきた。少々ガスっているのが残念だが、大阪湾が一望できる。
あまりポピュラーな登山道ではないと思うのだが、道はよく整備されている。路面に出た木の根っこが少々鬱陶しいが、小野アルプスや播磨アルプスと比べれば、余程歩きやすい道だ。それに、相当気温が上がっているものの、道の大半は雑木林の中となっているため直射日光に晒されずに歩くことができる。もっとも、眺望がほとんど開けないため、どこに向かっているのか、さっぱり判らず、黙々と歩くことになる。
かなり歩いてきたが、まだ山の頂上はひとつも制覇していない。前方に見えるのが、目指す雲山峰のようだが、まったく「雲上のみち」といった感じはない・・・。
和歌山方面から大阪湾に抜ける風の通り道になっているのだろうか、風がとても強く吹いている。さらに、木陰が続いているため、暑さがさほど苦にならない。標高300mほどのパノラマ展望台まで登った後は、緩やかなアップダウンの快適なハイキングコースが続く。
標高490m、紀泉アルプスの主峰、雲山峰の頂上。雑木林の中の小さな広場で眺望は全くない。和歌山県のマップでは、ここまで2時間弱となっているのに、スタート直後に道を間違ったとはいえ、3時間も掛かっている・・・。しかも、まだコースの半分も来ていないぞ。
雲山峰からは、登ったり下りたりを繰り返しながら、井関峠に向かう。分岐点も多いが、標識が充実していることがありがたい。「すべります、気をつけて」なんて、優しい注意書も見られる。その横に「ありがとう」と小さく添え書きされているのが微笑ましい。
眺望が開ける場所が僅かしか無いせいで、気が付かないうちに、大阪湾側から、和歌山側に近いところを歩いていたようだ。紀の川や和歌山市内を見渡すことができるところまでやってきた。
東峰と西峰の2つのピークを持つ懺法ヶ嶽という山にやってきた。「せんぽうがたけ」と読むようだが、ひどく厳めしい名前だ。かつては修験者が荒行をする場所だったらしい。
相変わらず風は強い。細い草木は、風で吹き飛ばされそうになっている。
野イチゴのような赤い実が路上に無数に落ちている。しかし、見渡したところ、実を付けた草木は無いし、実を付けそうな木も見られない。不思議だ。
大福山の頂上。古くから弁財天をお祀りしていたところらしい。大福山と書かれた石碑は、元禄年間の建立だ。
紀泉アルプスは、ササユリの群生地が多いようだが、持ち帰る心無いハイカーが多いせいか、なかなかお目にかかれない。「ササユリを持って帰らないで」の看板ばかりが目に付く。
大福山から俎石山に向かう。いよいよ紀泉アルプス縦走も終盤に近付いてきた。まだ400mほどの標高のところを歩いているのだが、周囲が雑木林に覆われているせいか、平地の林道を歩いているような錯覚を受ける。
俎石山の北側にある展望台。これから下りる大阪湾に面した箱作の町から関西空港まで、よく見渡すことができる。
やけに大きなアリを発見。これはアリなのかぁ?体長は2センチ以上あるように見える。
箱作の町に向かって、一気に下っていく。
道の脇にある小川には、鹿威しの仕掛けがある。いかにも手作り感満載だが、遠くからでも、鹿威し特有のポンという音が響いている。風流なのか、あるいは、イノシシやクマを追い払う仕掛けなのか・・・。
大アリ続いて、大ミミズに遭遇。体調は40cmくらいある。最初はヘビだと思って、小石を投げて追い払おうとしたが、ヘビのように素早く動かない。あまりの不気味さに、近づくこともためらわれたが、身体を捩るばかりで遅々として進まないのに業を煮やし、恐る恐る大ミミズの横を足早に通り過ぎた。
南海本線箱作駅。なんだかプレハブのような駅舎だ。箱作って、かつては箱を作る職人の町だったと思われがちだが、京都の賀茂神社の御霊箱がこの地に流れ着いたという「箱着里」が語源なんだそうだ。
う~ん、自慢のウォーキング軌跡を記録するアプリは今日も途中の11km地点で切れてしまっている。ちょうど俎石山のあたりだ。仕方ないので、お絵かきソフトで、その後歩いたと思われるルートをオレンジ色で書き足した。
不思議な動植物に多く出会うことはできたが、残念ながらアルプス感は低い。確かに山が連なっているが、眺望が無く、岩場のゴツゴツ感も無かった。しかし、結構歩きやすい道で、相当な暑さだった割には木陰と風のおかげでダメージは少ない。歩数は34000歩、歩行距離は17~18kmくらいになると思われる。