祇園祭宵山前祭(御朱印収集)

2016年7月16日(土) ①


日本の3大祭りのひとつ、祇園祭。関西に60年近く住み続け、うち学生時代には京都市内に4年住んでいたというのに、ほとんど見物したことがない。猛暑のなか人混みに出掛けるのを嫌う気質は昔も今も変わらないのだが、それぞれの山鉾には御朱印があるらしい。スタンプラリーストとしては、いつまでも見過ごす訳にもいかず、猛暑と大混雑が予想される前祭宵山に出掛ける。



四条河原町で下車して、猛暑に心折れそうになり、人混みに圧倒され、さらに御朱印帳なるものの購入に手間取り、さらに御朱印をどこで貰えるのかも判らず、ようやく四条烏丸東にドンと聳え立つ、山鉾巡行不動の先頭打者、長刀鉾で御朱印を頂戴できたのは下車後1時間後。



続いては四条烏丸西の函谷鉾。孟嘗君が秦から脱出する際、鶏の鳴き真似で未明の函谷関を開門させたという故事に因んだもの。御朱印は「函」の字のようだ。



孟宗山。病気の母に食べさせようと雪中に筍を求めたという中国の史話に因むもの。オフィス街のなかに、山鉾運営の本部とも言える会所があり、ご神体も安置されている。



占出山。「うらでやま」と読むらしい。こちらは神宮皇后が鮎を釣ったとの日本の故事に因んでいる。御朱印は鮎。



山伏山。少しずつ御朱印収集の要領を得てきたが、暑さと人混みには慣れようもない。見物客にも、主催者側にも、順番待ちや立入制限などに絡んで、怒鳴っている人や苛立っている人が少なくない。そりゃ、イライラするのも無理はない・・・。



霰天神山。全然歩いていないのに、水ばかり飲んでいる。



菊水鉾。広い四条通にある長刀鉾や函谷鉾と異なり、狭い室町通に背の高い鉾を設置するのも大変そうだ。御朱印も鉾同様に高さをアピールしているようだ。



鶏鉾。背の高い鉾に反して、こちらの御朱印は小ぶり。山鉾の御朱印には決まったルールもないようで、大きさも形もデザインも独自性が高い。印も、本格的な朱肉を使うものから、シャチハタ風のものまで様々だ。



四条烏丸の南東に、ひとつポツンと離れた保昌山。こちらの御朱印は大きいのが2つ。2つとも押すと御朱印帳からはみ出るほどになる。



岩戸山。ここでは、専門のオジサンが御朱印を押してくれる。岩戸山と書いた墨書風の黒いスタンプのせいで締まりのいい感じになっている。どこでも御朱印には長い列ができているが、特にここでは御朱印を貰うのに10分以上も並ぶ。



白楽天山。こちらの御朱印は、小ぶりとはいえ、4つもある。こうなると、1ページにどのようにバランスを取ればいいのか、難しい。



船鉾。名前どおり、船の形だ。神宮皇后の外征に因んだものなんだろう。御朱印も菊の御紋の上に神宮皇后と書かれたものになっている。山鉾巡行では、毎回アンカーを務めることになっている。



綾笠鉾。さすがにこの手の鉾には人が乗れず、囃子方や御稚児は傘の周囲を歩くらしい。これが鉾の原型だとも聞く。



月鉾。向かい合うビルから廊下が渡され、鉾の上に乗り込めるようになっている。順番を待てば載せてもらえるようだ。



放下鉾。こちらも隣接する家(会所?)から、鉾の上に乗り込んでいる。御朱印目当てだけでなく、鉾への搭乗、公開美術品の鑑賞、チマキや手ぬぐい購入など、人それぞれにお目当てがあるようだ。



郭巨山。中国の史話で、貧困に喘いでいた郭巨が山中で偶然掘り当てたという黄金の釜が御朱印のデザインになっている。



蟷螂山。その名のとおり、曳山の屋根の上に緑色のカマキリが据えられている。お賽銭を受け取るカマキリのカラクリも人気を博していた。



四条笠鉾。四条通より北側、新町通より東側の18基の御朱印収集を終え、残るはあと5つ。いい加減疲れてきた。



伯牙山。山鉾もさることながら、通常は非公開の屏風などの美術品を鑑賞するために並んでいる人も多い。



芦刈山。山鉾もまた、動く美術品と呼ばれるだけあって、様々な装飾が施されている。芦刈山の前掛けと呼ばれるタペストリーには、ライオンが描かれている。芦刈山の御朱印は大きいのが3つもあって、1ページには収まりきらなかった・・・。



油天神山。こちらの前掛けはヨーロッパ系の絵柄。平安時代の厄病払いに始まったという祇園祭だが、現代に至る間、海外からの文化を様々な形で取り込んできたことが判る。



木賊山。とくさやま、と読む。会所を少し覗かせていただいて、タペストリーなどの展示を見せていただく。



ラストは太子山。聖徳太子を祀った曳山なんだそうだ。やっとのことで、前祭の23個の御朱印をコンプリート。御朱印帳やら、各山鉾で御朱印を受ける際のお賽銭などで、思いのほか出費は嵩んだ。来週には後祭で10の山鉾が登場するが、さてどうしたものか・・・。



全然歩いていないようで、9kmほどは歩いていたようだ。もっとも、狭いエリアを行ったり来たり、さらに御朱印の待ち時間などで、4時間以上掛かっている。



まだ時間も早いので、頑張って、もう少し歩くことにする。 (②に続く)