雨森山~龍化隧道~一庫ダム

2016年7月3日(日)


昨日の紀泉アルプス踏破で、結構疲れが残っているので、今日は少し楽なコースを歩くことにする。猪名川町の日生中央駅から、雨森山に登り、知明湖を巡るという、阪急ハイキングの定番コースだ。暑くなるのは必至だが、一般向け12kmなので大丈夫だろう。



出発が出遅れて、日生中央駅に到着したのは既に正午前。お日様は頭上でギラギラしている。



日生ニュータウンって、阪急と日本生命が鉄道を延伸までして開発した広大な住宅街のはずだが、駅から西に進むと、ものの5分ほどで、のんびりとした田園風景が広がる。



北に向かう道は、近畿自然歩道の一部にもなっている。道の脇には、様々な石の彫像が並んでいる。さながら、現代風のお地蔵さんといったところだ。



目指す雨森山の山並みが見えてきた。標高は400m弱とのことだが、同程度の標高の紀泉アルプスの山々に比べると、比較的簡単に登れそうな気がする。



ところが、山に入ったところ、入山禁止の貼り紙のある鉄柵フェンスに行く手を阻まれる。どうやら登山口を間違ってしまったようだ。あらためて里道に戻って登山口を探す。



3本の木が将棋倒しのようになっている。1本目と2本目は倒れて既に枯れているようだ。3本目の木が寄りかかってきた2本を必死で支えている。



ここが正しい登山口と思って、あらためて入山するも、蜘蛛の巣だらけの道なき道を進むことになる。いくらなんでも、これが一般向けコースであろうはずはない。素直に来た道を戻ればいいものを、雨森山に続く林道までショートカットをすべく山中を彷徨う。



雨森山の麓で蜘蛛の巣だらけの雑木林を彷徨うこと15分ほど。猪名川町のマスコット「いなぼう」が雨森山山頂を案内する標識に出くわした。



そこは、ひどく整備された林道。なんて快適に歩けるんだ。これでこそ一般向けコースだ。



台場クヌギ。地上1.5~2mより下は残して、その上の若木を8~10年周期で伐採して、炭の原料にすることを繰り返している。結果、クヌギの木は歪な形になって、クワガタなどの昆虫の良い棲み処にもなっている。



緩やかなハイキングコースが続いていたが、さすがに頂上に近づくにつれて、勾配も路面も厳しいものになっていく。



雨森山の山頂。さほどの標高ではないが、下界を気持ちよく見降ろすことができる。



最近気になるのが、山頂に付けられた登頂記念の表札やタグ。千社札のような感覚で付けているのだろうが、他人にとっては目障りなゴミでしかない。呆れたことに、地元の小学校の登頂記念がクラスごとにつけられている。山頂一杯にぶら下げていくつもりだろうか。さらに呆れたのは、生徒たちではなく担任の名前が記されているものもいくつか見られた。



雨森山で長めの休憩を取った後、急な下り坂を下山する。山登りは登頂より下山が危険。担任の先生は、山頂に自分の名前を書いた登頂記念の木札をぶら下げて喜んでいる場合ではなく、無事生徒たちを下山させてから喜んでもらいたいものだ。



知明湖。一庫ダムの建設により誕生した巨大なダム湖だ。今日のコースの後半は、この知明湖の外周を巡る、気楽な平地歩き、と思いきや、夏の日照りを遮る木々が無いため、思いのほか体力を消耗しそうだ。



新龍化隧道。一庫ダムにより、このトンネルの下にある元の龍化隧道は半ば水没している。入り口には藤沢南岳の碑がある。通天閣をはじめ、仁丹とか、精華小学校、愛珠幼稚園など、大阪には南岳の命名によるものが多いが、龍化隧道もそのようだ。



龍化隧道の少し北にある龍化吊橋を渡り、知明湖の東岸へ。ボンゴシという硬くて耐久性に優れた木材を使用しているようだ。長さは55mほどもあるが、吊り橋特有のユラユラ感はさほど感じられない。



写真の左上にあるのが新龍化隧道で、写真中央にあるのが、もともとの龍化隧道。現代のトンネルより遥かに大規模な隧道を大正時代に自費で掘削したという植村治良兵衛の義挙にあらためて感動する。崩落と水没の怖れがあるため立入禁止と聞いているが、何人もの人が内部を探検しているのが見える。



美しく静かな湖面だ。今は市民の憩いの場になっているが、湖の底には、かつて炭焼きを生業としていた谷合の村が沈んでいるそうだ。



知明さくら橋。この橋を渡って、再び知明湖の西岸に戻る。



一庫ダム。それほど巨大なダムには見えないが、このコンクリートの壁一枚で、140万平米の知明湖の水量を支えていると思うと、あらためて凄いダムだと感じる。



最後は、一庫ダムから日生中央駅まで2kmほどの道をテクテクと帰る。途中トンネルを通過するのが嬉しい。さすがにトンネルの中までは夏の強い日射しも入り込まない。



日生中央駅。半地下のような造りになっている。



今日もウォーキングアプリは8km地点で停止してしまっていた。ドンドン信頼性が低下しているぞ。昨日同様、アプリ停止後の道をオレンジ色の線で書き足したが、結構邪魔臭いことだ。



阪急のマップでは12kmとあったが、道を間違えたりもしたので14kmくらいは歩いたようだ。