大和郡山散策(金魚でござるスタンプラリー)

2017年4月30日(日)


 大和郡山にやってきた。最近、町の整備を進め、「金魚が泳ぐ城下町」のキャッチフレーズのもと、「ココシル大和郡山城下町」というスマホアプリをリリースしていて、大和郡山城の再現CGなどとともに、街中の10ヶ所を巡るための「金魚でござる」というスタンプラリーも提供されている。



JR大和郡山駅を降り立つと、随所に金魚があしらわれたデザインが施されている。マンホールも金魚だし、バスにも自販機にも金魚が描かれている。 街歩きをする前から、心が弾み、ワクワクしてくる。



 まずは、外堀緑地へ。三重の堀で囲まれた惣構えの郡山城の最も外側の堀となる。大和郡山をゆっくりと歩き回るのは数年ぶりのことになるけど、その間に、堀ばかりではなく、民家との間の白壁や土蔵風のトイレなど、かなり力を入れて整備をしてきたようだ。



 スマホアプリは、なかなか面白くできている。スタンプポイントに近づくと、スマホに自動的に「スタンプゲット」の連絡が入るようになっている。もっとも、使い方が悪いのかもしれないが、アプリがすぐ停止してしまうので、スタンプポイントに近づくたびに再立ち上げをしなければならない。



古い町屋も数多く残っていて、なかなか風情のある街並みに出会える。もっとも町屋の使い方も様々で、なかには町屋エステサロンなるものも見られた。



源九郎稲荷神社。名前のとおり、源義経に所縁のある神社なんだけど、日本三大稲荷のひとつ、と書かれている。もっとも、建物や敷地などのハードウェアだけで、神社の格は決めつけることはできないが、伏見は当然として、自称三大稲荷は、三大大仏と同様、日本中に数多く見られるようだ。



鳥居に貼られた英語の説明書がなかなかユニークだ。POWERーSPOTの文字とともに、狐さんがHAPPY NICE DAY と言っている。



城下町の中心であった箱本十三町のひとつ、紺屋町。道の真ん中には水路が流れ、両脇には紺屋が立ち並び、この水路で染め上げた布や糸を晒していたそうだ。



箱本十三町の観光案内所。土蔵を改装したもので、金魚の石像が出迎えてくれる。中にはボランティアのご婦人が二人おられて、付近の観光情報を優しく、朗らかに教えていただいた。



火の見櫓。説明書によると、日本で初めての火の見櫓なんだそうだ。今も消防団の詰め所の一部になっている。



大和郡山市の市民ホール、兼図書館、兼武道場・・・、やまと郡山城ホール。ネーミングライツか、スポンサーかは不明だが、名称にDMG森精機の冠が付いている。驚いたことに、ホールの入口にある自動改札のようなものが金魚の水槽になっている。



市街地から南へ少し歩くと、大小の池が広がる金魚の養殖エリアとなっている。



やまと鮮魚園が、金魚の養殖場を開放してくれている。数万円もする高級金魚から大衆金魚まで、おそらく何万匹もがここで養殖されている。ビニール袋に水と金魚、そして、おそらく酸素を注入して、金魚を出荷する作業もとても興味深かった。



豊臣秀長のお墓、通称大納言塚。郡山100万石を有した秀長って、人物・才能ともに悪い評価を聞いたことがない。秀長がもう少し長生きしていれば、徳川家康の天下は無かったのではなかろうか。



郡山城にやってきた。今や天守閣もなく、少し再建された門や櫓の類が残るばかりだが、堀と石垣を見るだけでも、相当な規模の城郭であったことは容易に想像できる。



郡山城の再現CGを試してみる。郡山城内で、アプリを起動させると、その地点から見たかつての大和郡山城の姿が画面に現れるというものだ。石垣だけが残る通路にスマホを向けると、そこには立派な城門が現れた。



天守台。天守閣はとうの昔に破却されているのだが・・・



スマホのカメラを向けると 、そこには五層の天守閣が現れた。が、実際のところ、スムーズに事は運ばない。GPSが不安定なせいか、思うような角度で天守閣が現れるまで、随分手間取ってしまう。まだまだ発展途上とは思うが、楽しみなアプリだ。



天守台の上からは、奈良市内を眺望できる。若草山もよく見える。興福寺の五重塔も辛うじて確認できる。郡山が奈良の寺社にもしっかり睨みを利かす好立地であったことがよく判る。




場内にある柳沢神社。祀られているのは、徳川綱吉の側用人として権勢を極めた柳沢吉保。江戸中期から幕末にかけての郡山城主が柳沢氏とは知っているが、郡山に移封されたのは、息子の吉里の時代。石碑には、旧川越城主・甲府城主と吉保を紹介している。



 郡山城の追手門で、金魚でござるスタンプラリーはコンプリート。色とりどりの金魚が集まった。で、何か貰えるのか、と思ったが、何もない。賞品目当てでスタンプラリーをやっている訳ではないが、何もないというのも、ちょっと寂しい・・・。



 郡山城の傍を通る幹線道路には、「リニア新駅は、ど真ん中駅、大和郡山へ。」という大きな横断幕が掲げられている。「奈良県・紀伊半島の隅々へ」とあるが、大和郡山って、地理的には奈良県の北端近くだし、大和郡山から紀伊半島南部へのアクセスなんて到底整備されるようには思えない。




最後に町中で見かけた様々な金魚の写真をいくつかアップしておこう。龍野の赤とんぼもそうだけど、町に共通するシンプルな図柄があるというのは、観光やイメージアップばかりか、町の人々の一体化にも繋がっているように思える。



実は、大和郡山市内には、中で金魚が泳いでいる電話ボックス(電話ボックス風の水槽ということか)があると聞いていたのだが、事前の調査が不足していて、発見に至らなかったのが残念だ。



本日の歩行軌跡。アチコチ寄り道をしたものの、10km弱でしかない。暑さのせいか、距離の割に結構疲れた。


【当選】京都ミュージアムロード スタンプラリー

2017年4月29日(土) ③


2月から3月にかけて、京都マラソン沿線応援スタンプラリーと、プリキュア桜スタンプラリーで京都市内を歩き回ったついでに、スタンプを集め、応募した京都ミュージアムロードスタンプラリーの景品が送られてきた。洛西竹林公園にある竹の資料館から提供された竹製の耳かきだ。



実のところ、たくさん用意されていた景品の大半が絵葉書類。人気が高いだろうと判っていつつ申し込んだ耳かきに当選したことはとてもラッキーだ。竹の感触もいいし、フクロウのチャームも可愛い。結構嬉しい。

伏見名水スタンプラリー2017

2017年4月29日(土) ②


毎年のように参加している伏見名水スタンプラリー。例年は3月末から4月初旬の桜の季節に伏見を歩くのだが、今回は、水道・下水道スタンプラリーの開催時期に併せて、いつもより1ヶ月ほど遅れての参加だ。鳥羽水環境保全センターから城南宮まで、小雨が降り、時に雷鳴が響くなかをやってきた。



城南宮では、偶然にも「曲水の宴」が催される日のため、大勢の人が集まっていた。上流から流れてくる盃が通り過ぎる前に和歌を詠むという平安貴族の優雅な遊びを再現するものだが、あいにくの雨で中止になってしまったようだ。



ラッキーなことに、いつもは有料のために通り過ぎている神苑が無料開放されていた。寝殿造の庭を再現し、源氏物語に登場する80以上の草花が植栽されているらしい。



2つ目のスタンプポイントは清和荘。敷地内に湧き出る、名水「清和の井」を利用した京料理のお店だ。毎年、来客を気にしつつ、ラフな格好で立ち入り、玄関先でスタンプを押させてもらうのだが、お店の人はニコニコと優しく対応してくれる。



例年はこのスタンプラリーのスタートポイントとなることが多い藤森神社。明後日からの藤森祭のなかで執り行われる駈馬神事を前に、馬が駆け抜けると思われる参道の大清掃が行われていた。



拝殿でも、祭礼の準備に大忙しの様子。大勢の人が集まって、神輿や太鼓の確認に余念がない。大混雑する祭礼で、馬や、神輿を担ぐ人を守るためなのか、あるいは石像類を守るためなのかは判らないが、狛犬や灯籠は茣蓙等でグルグル巻きにされている。



藤森から墨染を通って撞木町にやってきた。今はごくありふれた住宅地だが、かつては遊郭があったところで、大石内蔵助も世間の目を欺くために、ここで随分遊んだという。町の入口には、今も「撞木町廓入口」の石碑が2本残っている。かつでの廓の門柱と思われる。



近鉄奈良線のガード下。伏見クリケットゴルフ場、という古い看板が建っている。京都市と書かれているからには、市有地なんだろうか。それにしては、クリケット以外は使用できません、と厳しい但し書きがある。昭和57年3月、という赤く書かれた日付の意味も不明。謎めいたスペースだ。



キンシ正宗が4つめのスタンプポイント。ここは土日が休業なので、いつも門前にスタンプが置かれている。このスタンプラリーのときにだけ登場するもののようだが、かなりしっかりとしたスタンプ台だ。



かつでのキンシ正宗の酒蔵だったと思われる建物だが、今は車庫になっている。 なんだか勿体ない使い方のように感じる。



大黒寺で5つめのスタンプをゲットした後、途中、雨や雷に祟られて時間が押しているため、締め切り時間の早い中書島の長建寺に先に向かう。伏見大手筋商店街のアーケードの屋根にはソーラーパネルが敷き詰められているらしい。



スタンプ押印は16時まで、となっている長建寺。16時に2~3分遅れて到着したが、無事スタンプ台は設置されたままだった。経験上、同じ16時までとなっている大黒寺やキンシ正宗と比べると、少し遅くまでスタンプを置いてくれているようだが、油断はできない。



長建寺から、再び北へ、伏見の酒蔵地区のスタンプを求めるべく、十石船を眼下に見ながら、テクテクと歩いていく。このあとは、スタンプ締め切り時間を気にする必要がないポイントばかりが残っているので気が楽だ。



月桂冠大倉記念館。観光客が大勢訪れるところだが、なんと冷房中の標識がドアに貼られていた。確かに随分暑いが、明日はさらに数度暑くなるらしい。



キザクラカッパカントリー。黄桜酒造のマスコット、カッパが館内の至る所で見られる。



キザクラカッパカントリーの中庭にある黄桜の花がまだ散らずに残っていた。黄色というより、薄黄色と桜色が混じったような色合いだ。



 鶏料理の店、鳥せい。店の横には白菊水の井戸があり、付近の方だろうか、大きなポリタンクを持って、この名水を汲みにやってこられている。



かつての伏見御坊。鳥羽伏見の戦いの際には会津藩の陣地になったところらしい。その際、お寺は全焼してしまったらしく、今は幼稚園になっている。



最後のスタンプポイントの御香宮神社にやってきた。ここに来て、見事な青空が広がってきて、御香宮神社の赤い鳥居と見事なコントラストを描いている。



大手筋商店街をそのまま西に進むと、その道に沿って、京阪伏見桃山駅、近鉄桃山御陵前駅、そしてJR桃山駅と3つの駅が僅かな距離の間に並んでいる。これらの駅を繋ぐ伏見のメイン道路だが、御香宮神社の前ばかりは灯籠やら石段などで、歩道が完全に塞がれていて、歩行者は車道歩きを余儀なくされる。



ロックガーデンのような雰囲気だが、伏見城の石垣構築で残った石が、御香宮神社の境内にゴロゴロと捨て置かれている。大阪城では残念石と呼ばれるものだが、ここでは単に残石と呼ばれているようだ。



屋根を伝って落ちてくる雨水が木桶に溜るような仕組みができている。万一の家事の際の消火のための水が途切れることがないようにしているようだ。



記念品を貰うため、京阪丹波橋駅にやってきた。ありふれた住宅街のなかに、100mほど離れた近鉄丹波橋駅との間をつなぐ高架橋が設置されている。この連絡橋があるとないでは、乗り換えの便利さが格段に違うはずだ。



スタンプポイントが徐々に減ってきて、現在は10ヶ所でコンプリート。それよりも、スタンプの老朽化とインクの掠れが酷いことが気になる。これだけ伏見の定番行事として根付いているのだから、そろそろスタンプを更新してはどうだろうか。コンプリートのご褒美は、例年どおり利酒用お猪口。今年は御香宮神社の御香水のデザインになっている。



水道・下水道スタンプラリーと、伏見名水スタンプラリーを合わせての歩行記録。あちらへ行ったり、こちらへ行ったりのウォーキングになったが、歩行距離は15kmほどと、まあまあの運動量にはなったはずだ。