伏見名水スタンプラリー2017

2017年4月29日(土) ②


毎年のように参加している伏見名水スタンプラリー。例年は3月末から4月初旬の桜の季節に伏見を歩くのだが、今回は、水道・下水道スタンプラリーの開催時期に併せて、いつもより1ヶ月ほど遅れての参加だ。鳥羽水環境保全センターから城南宮まで、小雨が降り、時に雷鳴が響くなかをやってきた。



城南宮では、偶然にも「曲水の宴」が催される日のため、大勢の人が集まっていた。上流から流れてくる盃が通り過ぎる前に和歌を詠むという平安貴族の優雅な遊びを再現するものだが、あいにくの雨で中止になってしまったようだ。



ラッキーなことに、いつもは有料のために通り過ぎている神苑が無料開放されていた。寝殿造の庭を再現し、源氏物語に登場する80以上の草花が植栽されているらしい。



2つ目のスタンプポイントは清和荘。敷地内に湧き出る、名水「清和の井」を利用した京料理のお店だ。毎年、来客を気にしつつ、ラフな格好で立ち入り、玄関先でスタンプを押させてもらうのだが、お店の人はニコニコと優しく対応してくれる。



例年はこのスタンプラリーのスタートポイントとなることが多い藤森神社。明後日からの藤森祭のなかで執り行われる駈馬神事を前に、馬が駆け抜けると思われる参道の大清掃が行われていた。



拝殿でも、祭礼の準備に大忙しの様子。大勢の人が集まって、神輿や太鼓の確認に余念がない。大混雑する祭礼で、馬や、神輿を担ぐ人を守るためなのか、あるいは石像類を守るためなのかは判らないが、狛犬や灯籠は茣蓙等でグルグル巻きにされている。



藤森から墨染を通って撞木町にやってきた。今はごくありふれた住宅地だが、かつては遊郭があったところで、大石内蔵助も世間の目を欺くために、ここで随分遊んだという。町の入口には、今も「撞木町廓入口」の石碑が2本残っている。かつでの廓の門柱と思われる。



近鉄奈良線のガード下。伏見クリケットゴルフ場、という古い看板が建っている。京都市と書かれているからには、市有地なんだろうか。それにしては、クリケット以外は使用できません、と厳しい但し書きがある。昭和57年3月、という赤く書かれた日付の意味も不明。謎めいたスペースだ。



キンシ正宗が4つめのスタンプポイント。ここは土日が休業なので、いつも門前にスタンプが置かれている。このスタンプラリーのときにだけ登場するもののようだが、かなりしっかりとしたスタンプ台だ。



かつでのキンシ正宗の酒蔵だったと思われる建物だが、今は車庫になっている。 なんだか勿体ない使い方のように感じる。



大黒寺で5つめのスタンプをゲットした後、途中、雨や雷に祟られて時間が押しているため、締め切り時間の早い中書島の長建寺に先に向かう。伏見大手筋商店街のアーケードの屋根にはソーラーパネルが敷き詰められているらしい。



スタンプ押印は16時まで、となっている長建寺。16時に2~3分遅れて到着したが、無事スタンプ台は設置されたままだった。経験上、同じ16時までとなっている大黒寺やキンシ正宗と比べると、少し遅くまでスタンプを置いてくれているようだが、油断はできない。



長建寺から、再び北へ、伏見の酒蔵地区のスタンプを求めるべく、十石船を眼下に見ながら、テクテクと歩いていく。このあとは、スタンプ締め切り時間を気にする必要がないポイントばかりが残っているので気が楽だ。



月桂冠大倉記念館。観光客が大勢訪れるところだが、なんと冷房中の標識がドアに貼られていた。確かに随分暑いが、明日はさらに数度暑くなるらしい。



キザクラカッパカントリー。黄桜酒造のマスコット、カッパが館内の至る所で見られる。



キザクラカッパカントリーの中庭にある黄桜の花がまだ散らずに残っていた。黄色というより、薄黄色と桜色が混じったような色合いだ。



 鶏料理の店、鳥せい。店の横には白菊水の井戸があり、付近の方だろうか、大きなポリタンクを持って、この名水を汲みにやってこられている。



かつての伏見御坊。鳥羽伏見の戦いの際には会津藩の陣地になったところらしい。その際、お寺は全焼してしまったらしく、今は幼稚園になっている。



最後のスタンプポイントの御香宮神社にやってきた。ここに来て、見事な青空が広がってきて、御香宮神社の赤い鳥居と見事なコントラストを描いている。



大手筋商店街をそのまま西に進むと、その道に沿って、京阪伏見桃山駅、近鉄桃山御陵前駅、そしてJR桃山駅と3つの駅が僅かな距離の間に並んでいる。これらの駅を繋ぐ伏見のメイン道路だが、御香宮神社の前ばかりは灯籠やら石段などで、歩道が完全に塞がれていて、歩行者は車道歩きを余儀なくされる。



ロックガーデンのような雰囲気だが、伏見城の石垣構築で残った石が、御香宮神社の境内にゴロゴロと捨て置かれている。大阪城では残念石と呼ばれるものだが、ここでは単に残石と呼ばれているようだ。



屋根を伝って落ちてくる雨水が木桶に溜るような仕組みができている。万一の家事の際の消火のための水が途切れることがないようにしているようだ。



記念品を貰うため、京阪丹波橋駅にやってきた。ありふれた住宅街のなかに、100mほど離れた近鉄丹波橋駅との間をつなぐ高架橋が設置されている。この連絡橋があるとないでは、乗り換えの便利さが格段に違うはずだ。



スタンプポイントが徐々に減ってきて、現在は10ヶ所でコンプリート。それよりも、スタンプの老朽化とインクの掠れが酷いことが気になる。これだけ伏見の定番行事として根付いているのだから、そろそろスタンプを更新してはどうだろうか。コンプリートのご褒美は、例年どおり利酒用お猪口。今年は御香宮神社の御香水のデザインになっている。



水道・下水道スタンプラリーと、伏見名水スタンプラリーを合わせての歩行記録。あちらへ行ったり、こちらへ行ったりのウォーキングになったが、歩行距離は15kmほどと、まあまあの運動量にはなったはずだ。