東六甲山歩き(苦楽園~ガベノ城~奥池)

2018年4月30日(月)


阪急ハイキングの過去のマップから、阪急苦楽園口から東六甲のガベノ城・奥池を目指すコースに出掛ける。毎週のように開催しているハイキングのバックナンバーをHPから取り出せるのはありがたいのだが、このマップ、ちょっと粗っぽすぎないだろうか。まあ、なんとかなるだろう。



苦楽園口からしばらくは夙川の河畔をのんびりと歩く。散策やジョギングする人、河原でピクニックを楽しむ人、水遊びをする人など、様々な休日のスタイルを観察できる。



まあ、そんな道が続くはずもなく、銀水橋を過ぎたあたりから、山歩きになる。大嫌いな丸太階段が続くが、北山緑化植物園に行くのに、こんな山道を行く必要があるのだろうか。どうやら、早くも道を間違ってしまったようだ。



興味深いのは、この辺りの転落防止フェンスの支柱に廃レールらしきものが使われていること。レールの凹部に石材を嵌め込んでいる。



どうも遠回りして、マップとは異なる道を歩いてきたようだが、なんとか北山池に辿りつく。まだハイキングの序盤だというのに、3日続きのウォーキングのせいか、かなり足腰に疲労が溜まっている。



北山緑化植物園。緑豊かな公園で、様々な花を楽しむことができる。特に、白や赤の大輪のシャクナゲは見事なもの。しかし、こんなところで時間を潰している場合ではない。自販機で水分をタップリ購入して、目指すガベノ城に向かう。



豪邸が立ち並ぶ剣谷町の奥に登山口があるようなのだが、まるで見当たらず、長い間、町のなかをウロウロする。なんだか不審者に見られているのでは、と不安にさえなってしまう。




思い余って、ググってみたところ、ヤマレコというサイトに、同じような道でガベノ城に向かった際の詳しいルート軌跡が閲覧できた。しかも、現在位置と重ね合わせることができる。なかば登頂を諦めかけていただけに感謝してもしきれない。



登山口は、立派なお屋敷に挟まれた細い階段。この前は何度も通過していたのだけれど、お屋敷の裏門にでも通じると思って、見逃していた。



どうやら、先に見えるのがガベノ城らしい。標高459mの山にもかかわらず、城と呼ばれている。以前から気になって色々と調べてはしているが、とにかく実際に登ってみないことには、なぜ城なのかは実感できない。



ところが、思いのほかの難路が続く。ズルズルと滑り落ちそうな砂質の溝道(と勝手に呼んでいる)を攀じ登り・・・、



岩が何重にも重なって塞いでいる崖のような坂に食らい付き・・・、



ついにガベノ城近くまで登ってきた。おお、確かにアチコチに石垣のようなものが整然と積まれている。が、ここに城があったという記録も無いそうで、治山のための土留めの可能性が高いものの、詳しくは専門家にも判らないらしい。う~ん、ミステリアスだ。



ガベノ城山頂からの眺望。もう少し晴れた日ならば、大阪方面も神戸方面も一望できただろうけど、今日は少しガスが掛かっている。



さあ、ガベノ城まで来れば、さほど標高が変わらない奥池まではで大した登りはないはず。せっかくの標識に、無意味な落書きをするような連中に腹を立てながらも、もはや道に迷うこともなかろうと呑気に歩いていく。



北山池まで、そしてガベノ城まで、結構な上り坂が続いたため、こんな平坦な林道がとても有り難い。



そろそろ奥池に着いてもいい頃なのに、まるでその気配がない。それどころか、どこをどうやって下りるんだ、と言わせるような岩ゴツゴツの急坂に四苦八苦しながら進む。



ようやく眺望が開けてきた。ええ~っ、正面に見えるのは、間違いなく甲山だ。北山貯水池やら西宮カントリークラブ、向こうには阪神競馬場が見える。西に向かうべきところを東に進み、登ってきた方に戻ってきている!



ゴロゴロ岳に向かう分岐点以外、分かれ道など無かったはず。愕然となる。このまま下山するのも将棋でいうところの「これも一局」とは思ったが、見落とした分岐点を確認するため、1km以上の山道を戻り、写真の右に向かう笹に覆われた分岐点を発見する。



ようやく奥池へ向かう道を見つけたものの、どうしたことか道が川のようになっている。最近雨も降っていないのに・・・。湧き水が多いところのようで、結構な勢いで水が流れていく。防水とはいえ、靴は泥だらけになってしまう。



道を流れていた水は、やがて川になっていく。この水が溜まったのが奥池で、さらに芦屋川に流れ込んでいるのだ。



何度も道を誤りながら、ようやくタップリと水を湛えた奥池に到着。



小魚ばかりか立派な鯉が泳いでいるのが見える。さらにはカメもいたが、外来種のアカミミガメだ。鯉も琵琶湖以外はほぼ外来種だと聞く。



この後、奥池から芦屋まで下山する予定だったが時間切れ。北山でも剣谷町でも、さらにガベノ城~奥池でも、道に迷いまくって、大幅に時間ロスをしてしまった。さらに余計に歩いたことで、体力的にもキツイ。



山道とはいえ、たった10kmしか歩けていない・・・。芦屋~奥池の間を歩くのは、後日の宿題にしておこう。



有馬から来た芦屋行のバスはGWのためか満員状態。「え~っ、こんなに混んでいるのに乗るのかよぅ」という冷たい視線を感じつつも乗らない訳にはいかない。無理やりバスに汗臭い体を押し込んで、無事帰路につく。

琵琶湖大橋(守山~堅田)

2018年4月29日(日)


滋賀県はアチコチ歩いているし、琵琶湖一周ウォークも達成したのだけど、最近「琵琶湖大橋を渡ったことが無い!」ことに気づく。天気も良さそうだし、橋上から見る雄大な琵琶湖の風景を堪能してみよう。



東海道線の守山駅に降り立つ。地図などを物色に駅前の観光案内所に入ると、モーリーなる守山市のキャラクター人形が出迎えてくれた。何者なんだ、こいつは。



が、駅から少し歩き始めたところで、モーリーの正体が判明する。守山市はかつて皇室にまで献上したほど、蛍が多数生息していたらしいが、絶滅寸前から市をあげての懸命の保護活動を進めていて「ほたる条例」なんてものまであるらしい。それにしても、蛍にしてはモーリーは白すぎやしないかぁ?



中山道の宿場町の趣を今に伝える宇野家。宇野元総理の生家としても有名だ。駅前の観光案内所には、歴代総理のイラストが描かれた湯呑などがお土産に売られていた。スキャンダルで短命に終わったとはいえ、総理を輩出したことは、今なお守山市の誇りとするところなんだろう。



さて、守山駅は琵琶湖大橋の最寄り駅とはいえ、琵琶湖までは10kmもあるのだ。ファミレスやカーディーラーなどが並ぶ退屈な幹線道路をひたすら歩き続ける。まったく琵琶湖の気配は感じられない・・・。



振り返れば近江富士。三上山という正式名称は何度聞いても忘れてしまう・・・。平野にポツンと聳える独立峰だけに、頂上の見晴らしはさぞ素晴らしいだろう。近いうちに登ってみたいものだ。



あまり知られていないことだが、滋賀県は全国で7位の小麦の産地だ。以前湖南市でも麦畑のなかを延々と歩いたことがあるが、守山でも小麦畑が広がっている。穂も実り始めていて、麦秋も間近だ。



一方で、滋賀県は近江米が有名な米どころ。既に田植えが済んだところも見られる。ちなみに米の生産ランキングは全国17位だ。



田園風景を撮っていると、部活の帰りなんだろうか。何台も自転車を連ねて帰宅を急ぐ女子生徒が偶然フレームインしてきた。あまり人物は撮らない主義なんだけど、お揃いのジャージとヘルメットが、とてもほのぼのしていてシャッターを押してしまう。



滋賀県というところは、飛び出し坊やの発祥地とも聞く。これでもか、というほどに、飛び出し坊やが設置されているのだが、圧倒的に多いのが、写真のデザイン。なんだか手作り感満載で、ペンキの塗り斑も目立つのだけど、相当な大量生産がどこかで行われているはずだ。



たっぷり2時間半歩いて、ようやく琵琶湖大橋の料金所までやってきた。結構歩き疲れたというのに、これからが本番だ。もっとも堅田から逆コースだと、本番の後に退屈な長い道を歩かなければならないことになる。守山発にして良かった。



自動車は150円の通行料金が必要だけど、歩行者は無料だ。疲れも忘れて興奮気味に琵琶湖大橋横断の一歩を踏み出す。



雄大な琵琶湖が目の前に広がる。湖岸から見る景色とは違って奥行を感じさせる。琵琶湖北岸までは50km近くもある。当然見えるはずもない。



実は琵琶湖大橋は東行・西行の2本があって、それぞれに歩道が設置されている。今回歩いたのは北湖に面した歩道。南湖は、車道が邪魔になって、比叡山は見えても湖面が十分に見えない。



随分とゆったりとした歩道が設置されている。2本目の橋ができたときに歩道が整備されたのかもしれない。歩行者はのんびり歩いているけど、気の毒なのは車のドライバー。大渋滞でノロノロ運転が続いている。



橋の上に、陸では接していない守山市と大津市の市境のサインがある。



守山市方面を振り返る。車より断然歩く方が、この橋を楽しむことができる。



湖面には、風を受けてゆっくりと漂うヨットと、轟音を響かせて滑走するモーターボートなど、様々な船が見ることができる。個人的には、琵琶湖にはヨットがより似合うと思うのだが・・・。



西側の湖岸に近づいてきた。正面に見えるのは、去年登った蓬莱山だと思われる。



間も無く渡り切るとなると、とても惜しいように感じる。何度も湖面を眺め、歩く速度も随分ゆっくりとしたものになる。考えてみれば、この道って、酷道で名高い国道477号のはず。能勢とか京北町とか、ハイキングではよく出会う道だ。



歩行者なんて滅多に見ない、との情報もあったけど、天気のせいか、ゴールデンウィークのせいか、歩いている人もそこそこ見られた。もっとも大多数は自転車。本格的な装備で走っている人が多い。



歩道のうえには、距離表示が印字されている。橋の出口に1.40kmの表示があった。守山駅から琵琶湖大橋まで10km歩いたのと比べれば随分短い・・・。



湖岸に下りて、あらためて橋の全景を撮影。大型の遊覧船などが通る部分だけ少し高くなっている。



湖岸の道の駅で、守山駅から琵琶湖大橋の間で、少なくとも100体、おそらく200体以上は目にした飛び出し坊やがお菓子から文房具に至る様々なグッズキャラクターとして販売されていることを発見する。ひこにゃんグッズを上回る品揃えだ。「とび太くん」という名前らしい。



さらに、滋賀県警の振り込め詐欺注意ポスターに、吉本新喜劇の末成由美が登用されているのを発見。以前、京都府警が山村紅葉、兵庫県警が上沼恵美子をポスターに採用していたのを見たことがある。いずれも地元出身者だが、負けず劣らずパンチ力のあるタレントだ。



本日の歩行軌跡。琵琶湖大橋を歩くために、その10倍の14kmを歩いたことになるが、満足感は高い。



道の駅でゲットしたビワイチウォーキングマップ。9日間かけて240kmほどの湖岸道路を歩き尽くし、知事からの認定証を貰ったのが8年前。その後随分体力低下は進んだけれど、再度挑戦してみようかとの気持ちが強まる。