阪神しまなみ海道(なぎさ回廊)

2020年5月23日


阪神間に連なる5つの人工島(深江浜、芦屋浜、西宮浜、甲子園浜、鳴尾浜)を歩いてみる。島間を繋ぐ橋を含む歩道は「阪神なぎさ回廊」と名付けられて整備が進んでいるが、巷では西瀬戸自動車道に似ていることから「阪神しまなみ海道」と呼ばれている。


スタートは神戸市東灘区の深江浜。地名から、深い入り江があったところだと思われる。元からの陸地に古い堤防は残るが、今や無意味な道路壁のような存在となっている。



今も残る古くからの漁港への船舶の通行ができるよう、沖合人工島方式で埋め立てが行われている。



さあ、いよいよ阪神しまなみ海道だ。阪神高速湾岸線とそれに付随する県道722号線に沿って、鳴尾浜まで歩いていく。この5島は橋に歩道が付設しているのだけど、深江浜とその西の魚崎浜、そして鳴尾浜とその東の尼崎との間の橋には歩道が無い。



ひとつ目の橋の中間点あたりが、神戸市と芦屋市の市境となる。車道側にガードレールはないものの、歩道幅は広く、走り抜けていく車を気にすることもない。もっとも橋の上から足元の水面をのぞき込むと、足が竦みそうになる。



六甲山系と芦屋の市街地の眺望が美しい。水上スキーを楽しんでいる人もいるようだ。写真右手の緑道のように見えるのが芦屋川。雨が降らないとすぐ涸れてしまう。



芦屋浜に立ち並ぶ住宅の向こうにあべのハルカスが見える。以外と近く見えるものだが、調べてみると直線距離で20㎞もある。それほどハルカスが高いということだろう。



芦屋浜には遊歩道が充実している。県道付設の歩道を歩いてもいいし、緑地に囲まれた遊歩道を歩いてもいい。



さらには、緑地と海に挟まれた道を歩くこともできるし、海辺のすぐ横の道を歩くこともできる。わずか10mほどの間隔で4本もの道が並行しているのだけど、それぞれの道は景色も音も香りもまるで違う。



海辺(正確には、陸地と人工島の間にある運河の水辺)には、黒い水鳥がいる。河鵜だろうか。雛の姿も見えるので、このあたりに営巣しているようだ。



調子よく水辺を歩いていると、芦屋浜の東端までやってきてしまった。次の西宮浜への橋の入り口を随分と行き過ぎてしまった。



芦屋浜の次は西宮浜。その名のとおり、橋の中央付近が芦屋・西宮の市境になる。ここには県道の車道との間にガードレールがある。県道の向こうの白いフェンスの向こう側は阪神高速が走っている。



西宮浜。芦屋浜同様に、住宅が立ち並ぶ人工島だ。人口は8000人近く。さらにヨットハーバーなんかもあるんだけど、元々は工場を誘致する予定だったとも聞く。



信号も少なく、緑の多い快適な道なんだけど、厄介なことに次の島に渡るたびに高架橋まで登っていかねばならない。後付けで無理やり増設したような階段が高速道路にくっついている。



西宮浜から甲子園浜に向かう。大きな白いアーチが印象的な橋だ。同時期に造られたはずの橋だけど、橋ごとにまるで異なるデザインとなっているのが楽しい。



甲子園浜。西宮浜とは対照的に、こちらはごみ処理場や物流センター、公園などに利用されていて、人口はゼロだ。



ちょっとした砂浜も復元されていて、マリンスポーツを楽しむことができるようになっている。陸に挟まれた穏やかな海なので、初心者が腕を上げるには最適なところなのかもしれない。



サーフィンショップも見られる。ショップ横の倉庫には、何百とも思えるサーフボートが並んでいる。売り物ではなく、お客さんのものを預かっているようだ。



甲子園浜から鳴尾浜へと向かう。およそ1㎞、阪神しまなみ海道では最長の橋になる。



しまなみ海道の東端、鳴尾浜。もっとも鳴尾浜は厳密にいえば島ではなく、元の陸地との間に運河は無い。



この先、尼崎方面に向かう高速道路には歩道は併設されていない。阪神しまなみ海道の東側の終点になる。




阪神しまなみ海道歩きを終え、阪神武庫川線の武庫川団地駅を目指してテクテクと歩いていくと、阪神タイガースの虎風荘があることに気づく。タイガースの若手のための寮施設だ。寮の敷地の奥には室内練習場もあるようだ。



さらに、寮のすぐ近くに阪神鳴尾浜球場がある。二軍の試合が開催されるところだ。甲子園球場とは比べようもないが、スタンドも付いたソコソコ立派な球場だ。



武庫川団地前駅。西宮市内とはいえ、ローカル色の濃い二両編成の列車が武庫川駅との間を行き来している。



本日の歩行軌跡。13.55㎞を4時間弱で歩いたことになるが、1㎞あらり17.15分(時速3.5㎞)というのは、平地歩きとしてはかなり寂しい数字。長引いたコロナ自粛で体が重く、妙に疲れた…。



緊急事態宣言が解除されたからといって、まだまだ油断はできないけれど、無理にでも体を動かす機会を作らないとドンドン老化が進んでいくように思える。